「【今作は自らの真人生から逃げた諦観を持ちながらも、個性豊かな心優しき人々がボロッチイ「コーポ」で悲喜こもごもに生きる姿を、優しき視点で軽妙且つ人情味豊かに描いた、昭和感漂う作品である。】」コーポ・ア・コーポ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【今作は自らの真人生から逃げた諦観を持ちながらも、個性豊かな心優しき人々がボロッチイ「コーポ」で悲喜こもごもに生きる姿を、優しき視点で軽妙且つ人情味豊かに描いた、昭和感漂う作品である。】
ー 彼らが住む「コーポ」と消えそうな文字で書かれた看板が付くボロッチイ「コーポ」の昭和感が凄い。そして、そこに住む住人達も個性的である。
冒頭、山口というオジサンが縊死しているシーンから物語は始まり、その後個性的な住人で
・水商売の母親(片岡礼子)と上手く行かず、家を出たユリ(馬場ふみか)
・複数の女性から金を貰いながらいつもビシッとスーツ姿の中条(東出昌大)
・女にもてるが、上手く行かない人生を送る強面だが心優しき建築現場作業者の石田(倉悠貴)
・飄々とながら、アパートの一室でストリップショーをしている管理人の宮地(笹野高史)達、夫々の物語が綴られていく。-
<感想>
・ユリは母親と上手く行かないが、夜の街で母親が勤めるスナックの前で出会い、母親から喫茶店で待つように言われるが、喫茶店は定休日で・・。
ー ユリの名を呼びながら、夜の街で娘を探す母親の声を背中で聞きながら、嬉しそうに微笑むユリ。-
・中条は、いつもの通り女性から金を貰った後、「コーポ」に戻り廊下の隅っこに居たユリに”耳を塞いで”と言って、嘘話をし、もういいよと言って、自分は裕福な家で育ったが、父の後妻と駆け落ちをしようとしたが、未遂に終わり翌日の後妻が水死体で見つかった話をするシーン。
ー 中条が、自ら”虚に”生きるきっかけとなった哀しき”実事件”を淡々と語る姿。-
・石田が、建築現場に来た大学4年の高橋という女性にぶっきら棒ながら、色々と優しく接し、「コーポ」に来た彼女の手を一回握りながらも、慌てて話すシーン。
ー 此奴、絶対良い奴だよな、と思ったな。-
■一番好きなのは、管理人の宮地が気まぐれに中学生に声を掛け、普通の主婦だった女性が家を出て、ストリッパーになり、ストリップショーを見せるシーンである。
蝋燭の炎が消えるまで、ストリップショーを見ていた中学生が”お母さん!”と叫び、女性が慌てて部屋を去るシーンから、最後に宮地に対して、マッチ一本の時間宮地に”お礼”をするシーンである。
宮地の”寿命が少し伸びた。”と飄々という姿も良い。
<今作は、派手さはないがジワリと響く作品である。
訳ありな「コーポ」の住人たちの人情豊かな姿が良かったなと思った作品でもある。>
<2023年11月18日 刈谷日劇にて鑑賞>
こんばんは!
明日公開「首」、明日公開ですが待ち遠しくてヤバイっす!(笑)
先週くらいから何かソワソワしてます。先に言っときますが私の評価は既に☆5ですよ(笑)