キリング・オブ・ケネス・チェンバレンのレビュー・感想・評価
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警察ってやつは!(ただの偏見)
刑事モノの映画やドラマは大好きだが、実際の警察官は好きではない。悪い人から守ってくれる人ではなく、犯罪者を見つけようとする人たちだから。何もしていなくても疑いの目を向けられる対象にいなくてはならない。警察官も人間だから間違いを起こすし、先入観や偏見を持っていたりするのはわかる。でも、過ちを認めたり謝罪することは少ない。疑われる方が悪いんだとばかりの発言を繰り返す。まぁ、偏見なんだけど。
でも、そんなイメージのまんまの警察官が登場する本作。安否確認のための訪問だったのがどんどん不穏な空気になっていく。地味なのにとてもスリリングな展開。観ているこちらとしては、もっとこうしていればいいんじゃないの?なんてことを何回も思ってしまう。
ケネスが精神障害を持っていて黒人だということ以外に警官たちの行動があそこまでエスカレートした理由が思いつかない。普段から黒人の犯罪が多発している地域だとしてもやりすぎなことは否定できない。でも一番驚いたのが最後の字幕。どこの組織も身内には甘い。多少の演出があったとしてもあの事件でその結末はないだろう。ひどすぎる。
ただ、ケネスがさっと部屋に入れればそれで終わりなのにと思ってしまうのも日本に住んでいる者の正直な感想でもある。でも、そんなことを思わせる作りかもしれない。入室を拒んだとしても、そんなことは関係ない。入室を拒んだとしても、令状もなしに明確な危険や事件の可能性がないのに、部屋に押し入る正当性はない。ケネスが何回も訴えていた通りだ。ケネスがなぜそんなに警官を嫌がっているのか、軍在籍時に何があったのかなんてことはあまり説明しないのも実はうまい演出。観終わった後に冒頭映し出される字幕を思い出す。ケネスは確実に後者だったことだ。
やはり警察官ってやつらは!と私の中の偏見がまた強くなってしまった。
あっという間の約90分
2023年劇場鑑賞223本目。
パンフレットあれば満点。
黒人老人が白人警官に射殺されるまでの約90分をリアルタイムで描いた作品。こういう企画にありがちな、変に緊迫感を出そうとPOV形式にしていないので見やすいです。思い返せば全然大した大きな動きとかなく、老人と警官と、オペレーターと近所の住民、老人の家族が玄関前で話しているシーンがほとんどなのに時間があっという間に過ぎて行きました。
警官が「もう45分も経ってるんだぞ」といった時体感で半分くらいでした。
この流れでどうして射殺までいったのかが知りたかったのですが、こんなに記録残っていてもああいう形の殺人でお咎め無しとはアメリカどうなってるんだ。
パンフレット販売がないのが何とも、といったところ。
今年329本目(合計979本目/今月(2023年9月度)39本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))
本作品は実話で、当時の録画フィルム等や録音も残っているのか、エンディングロールでそれらが多少流れます。また、実話としても90分ほどのやり取りで、映画のストーリーとしてもその時間の流れをできるだけ重視したということです。
個々微妙に感想は異なると思うのですが、舞台のアメリカにおいては、精神に病気を持った方、あるいは人種差別が実際に深刻であるようで、映画内でもこれらのことは触れられますが、個人的には「極端に差別思想を持っているのではなく、イライラ「しすぎ」でこういった発言に及んだのではないか…」とは思えます(この辺、映画の描写がやや微妙)。
一方、問題提起型の映画と見る場合、その「精神に病気を持った方、人種差別」ということは明確に出ますが、90分ほどと短い上に事実上「その当時の事件を時間軸もほぼ正確に再現した映画」という趣旨がかなり強く(つまり、これら差別についてどうこう、という思想についてはエンディングで結末が語られるのみで、個々に判断をゆだねている形)、「やや」趣旨がはっきりしにくい(ただ、アメリカのその事情は多くの方に知られているので、やや主義主張が弱めでもわかることは明白)という点は言えようかと思います。
個人的にはパンフレットの販売がなかった(売り切れではなく、もともと発売されていない模様)が厳しかったです。販売がない以上、「何が書かれていたか」は語る方法がありませんが、ここが日本である以上、「日本でこういうことが起きたらどうするのか」という点についての言及は映画内では当然まったくなく、また当然のこととして「日本では」ここまで極端な状況になることはまず考えにくいものの、映画で述べるように、精神に病気を持っている方などの「見守りサービス」は実際に存在するため、その場合に、警察や町内会(民生委員など)、あるいは一般私人がどのような行動をとればよいのか…という「日本で実際に類似の事案が起きた場合に何をすべきか、何をしてはいけないんか」という点についての監修のついたパンフレットなどは明確に欲しかったです。
※ この点は、日本がこれから超高齢化社会を迎えれば、映画で述べるような極端な事例は起きえなくても、「見守りサービス」(配食サービスほか)で異常を検知した場合に公権力や一般私人が何をできるのか、という「映画の趣旨として一部重なる論点」については、当然多くの方が知っておくべき事柄だから、という事情です。
これらまで考慮して以下のように採点しています。
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(減点0.4/パンフレットの販売がないことについて)
・ もっともここは日本なので、映画内で描かれるような無茶苦茶な事案が(公権力によって)引き起こされるということ自体は考えにくいものの、述べたように「見守りサービス」(配食サービス)で類似の事案が起きた場合にどうすればよいのか、という「日本に住んでいて経験しうること」について、ちゃんとした監修のついたパンフレットの販売はあってしかるべきではなかったか、と思います(この点で、一般的な娯楽の映画のパンフレットの販売がない、という点とは明確に減点幅が異なる)。
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(減点なし/参考/日本で起きた場合はどうなるのか)
※ 以下、行政書士の資格持ちレベルでのお話です。
(公権力(警察)が行った場合)
・ 単なる国家賠償法による国賠案件で、警察が勝ち切るのは容易ではなかろうというところです(警察は権力を持っているからこそ、「今起きている状況」に比例した「公権力の行使」が認められるにすぎず、それを極端にオーバーすると一発アウトです)。
※ 国家賠償法は民事訴訟であり、行政事件訴訟法の適用はありません(併合・逆併合の論点除く)。
※ ただし、映画の描写内と似た部分もありますが、公務員個人の責任を問うことは(日本でも)できません(いわゆる「国による代位責任説」の論点)。
(一般私人がおこなった場合)
・ 見守りサービスなどの契約を結んでいる場合は委任、そうでなく「たまたま通りすがりの人」が行った場合には事務管理の扱いです。ただ、委任においても「どこまでやってよい」ということが決められており、それをオーバーすると単なる不法行為です(そして、見守りサービスにせよ配食サービスにせよ、ただ単に1回か2回か相手が出ないだけで勝手に扉を壊してよい、というような契約にはなっていないはず)。
また、事務管理においては「本人の意思がわかるか、推知できる場合」はそれに従う必要があり、本人の意に沿わない事務管理の費用請求権は減縮されます(民法697条以下)。
一方で、事務管理を始めたものは「本人の意思がわかるか、推知できる場合」にはそれに従う必要があるものの、結果として何らかトラブルを起こしてしまうと債務不履行を問われる(事務管理、不当利得、不法行為の3つは、法定債権と呼ばれるもので、突然債務不履行が発生したりと面倒なことこの上ない)など、「一般人がかかわるといろいろ面倒なことに巻き込まれうる」のも確かで(だから、事務管理の中でも、例えば女性に対するAEDの使用がためらわれるなど、事務管理の民法の規定の特殊性故にいろいろトラブルになることが議論されているのは、これが理由)、むしろ「勝手に義務なく協力関係に入る」パターンのほうがいろいろトラブルに巻き込まれたりと怖い部分はあります(よって、「知らない顔をするのが一番マシ」な議論になってしまうが、それは助け合いをある程度想定した事務管理の規定の趣旨を没却するにほかならないため、解釈が難しい)。
23-118
酷い話だ。
終始嫌悪感を感じる酷い話だ。
無実のひとりの男を、
寄ってたかって悪者に仕立てようとする。
暴力的な感情に支配されている者もいれば、
冷静を装いながら正義感を感じない者も。
アメリカって本当ダメな国だなぁ、
改めて感じる😠
Veryサスペンス Veryスリラー
映画のレビューや評論は、撮影前に決まっているストーリー(脚本)や主題について言及するものが殆どで、撮影、編集を経て完成した肝心の「映像」についてはないがしろになる傾向があります。特にこの作品のようにテーマ性が強い場合、その傾向が顕著ですので、映像とテーマを分けて愚見を述べます。
①映像としての評価
リアルタイムの手法が緊迫感を高めます。極端に限定された空間で、単調になりがちな展開を頻繁なカット割りの変化でサスペンスを高揚させています。
説明的な場面を省いているのに、各人の性格も明確に描いています。
②主題、ストーリーについて
米国における黒人差別の告発がテーマですが、警官の立場からすれば犯罪の頻発する貧民街であれほどかたくなに警官の入室を拒否すれば、疑いを持つのは当然ともいえます。警官があれほどの人数でアパートを取り囲み、防弾盾を立てて部屋に突入したことは、警官隊のリアルな警戒感を現わしています。
確かに、殺してしまうのは行き過ぎですが、誰でも銃を持てるアメリカにおける警官たちの行動はある程度は理解できます。銃社会がもたらすアメリカの悲劇ともいえましょう。
黒人差別の側面は否定しませんが、たとえ白人でもスラムのいかれポンチのアンちゃんなんかは警官にボコボコにされてます。
その意味では、黒人差別の訴求力は弱い、と言わざるを得ません。
ニュースで見ると、ひどい話だと思いながらも、 数あるひとつのニュー...
ニュースで見ると、ひどい話だと思いながらも、
数あるひとつのニュースの中でそのまま終わってしまうけれど、
映画作品として見ると、
こんなにやるせ無い話だったのかと実感できる
黒人男性と結婚してアメリカに住む日本人女性のインタビューで、
ご主人が息子さん達に、
外では大げさなくらいに品行方正を守り、
コンビニへ買い物に出るときにでもスーツできちんとして出るようにと教育している、
とテレビで言っていたのを思い出した
一人でも多くの人に見てほしい作品
圧倒され憤慨し悲しくなる
2011年に起きた実話をもとにした作品ですが、冒頭からエンドロールまでずっと緊迫感が続きます。ライフガード社(社名自体がタチの悪いプラックジョーク)というセコム的な会社の通報(ほぼ誤作動)を受けて駆けつけた警官3人と元海兵隊の黒人の老人がドアを開けて下さい、嫌だ、開けろ、嫌だ(多分過去、警官に嫌な記憶があると思われる)が延々と続き、途中から姪っ子が駆けつけても近づけず、応援の警官たちが続々と駆けつけ、安否確認しにきたはずの警官たちもいつの間にか彼の犯罪者扱いが加速して、警備会社の人が安否確認を取り消しても受け入れてくれず、ドアをぶち壊しにかかり、近所の住民達が押し寄せても、重大事件の検挙中的な感じで黙らせ、これはやり過ぎで間違っているという警官は仲間外れにされ等々、ひどい話が続きます、、、先日見た福田村事件(関東大震災時の庇護流言で自警団による無実の人達への集団暴殺事件)を思い出しました。日本は時代と共に少し良くなったが自由の国アメリカでも差別主義はひどいままです。
鑑賞記録。 あらためてレビュー。 誤動作とは言え安否確認に来た警官...
鑑賞記録。
あらためてレビュー。
誤動作とは言え安否確認に来た警官達は最初の態度は普通だったし、なぜそこまで頑なにドアを開け無かったのか、当時の状況が実際どこまでリアルに描かれているのか分からないがお互いが意地の張り合いの様にも見えてしまう、
もちろんこの事件が警官達誰一人も有罪になってない恐ろしい狂ったアメリカ社会だと思うけど、あまりにバカげてる、銃社会って引き金引くだけで命を落とせる事だから根本的に人間の命の重さって分かって無いんだろうな。
警察に誤って殺されたの軍葬は意味あるのか?
退役軍人のケネスが自宅でお休みしてたところ、医療用通報装置が誤って作動し、ライフガード社の方が安否確認の通報をした。しかし、ケネスは断じて警官を家に入れず、最終的に武力を使い、ドアを壊し、殺害まで行った実話です。
•救急隊と警察の場合があるが、精神的な難しい病気の際なぜ警察が安否確認を行っているのか?
•緊急事態の中ライフガード社はなぜ他の安全手段を取らなかったのか?
•下で待機していた救急車は何か?
•元海軍の方がなぜ治安の悪い町に住んでいるのか
•ケネスを殺害した警官は問題児のようだが、なぜ彼は安否確認のような人の心を説得する現場に派遣されたのか?
•肌の色と住んでいる場所だけで色眼鏡をしていた警察官たち、彼らの感情連鎖
•突撃したときに警官たちはは家宅捜索を忘れていて、ケネスの制圧だけを考えていた。
•ケネスはなぜオバマ大統領に電話を掛けようと思ったのか?
それがこの辺の警官だ
2011年11月19日ニューヨーク州ホワイト・プレーンズで実際に起きた、警察官が双極性障害の黒人の老人を自宅で射殺した事件の話。
実際の出来事を知らずに観賞。
早朝5時22分、就寝中に誤って医療用通報装置を作動させてしまったチェンバレン宅に、安否確認の要請を受けた警察官がやって来て巻き起こった約90分間の出来事を見せて行く。
ケネス・チェンバレン氏は既に亡くなっているし、どこまで忠実に再現されているかはわからないし、差別もさることながら、警察官が自分たちは偉いと勘違いしているのが非常に良く見て取れる。
日本では住民の生命や安全な暮らしを守るのが仕事たけど、この地域では犯罪者を捕まえるのが仕事なんですかね?
目的と手段が逆ですね。
まあそもそもケネス・チェンバレン氏は犯罪も犯してはいないけれど。
何をしに来たのかも忘れてしまった警察官達の変貌と結末はショッキングで、良くあることで終わらせてはいけない、知るべき事実で観るべき作品だった。
ただ…本編の後、実際の音声と思しきものが流れたけれど、ドアを開けなかった心情が本編よりよほど説得力があって、何でこれを変えて引っ張るような演出に変えてしまったんだろうと勿体なくも感じた。
そして最後の字幕、気になって調べたら一応裁判沙汰にはなっているし、アメリカで今作が公開された2019年には市は過失を認めてはいなかったけれど、今年8月に認めないながらも和解金を払い遺族との和解が成立されたとのことで、もしかしたらこの作品の影響が少なからずあったのかもと感じた。
「やましいことが無いんだったらドアを開ければ良かったのに」なんていうアホな話ではない。黒人が安否確認を誤作動したら白人警官に射殺されてしまった話。差別と偏見が渦巻く現代アメリカ社会の悲劇 。
まるでドキュメンタリーか再現ドラマのようだ。もし実際の事件を元にしてなかったら、チェンバレンさんも、警官たちも、ライフガードも話を面白くするためにこじらせ過ぎで、リアリティが無さすぎると思ったかもしれない。
例えば、チェンバレンさんがあんなに警官が中に入ることを拒むのもリアルな感じじゃないと思うし、警官が応援まで呼んでドアを壊して強行突破する案件だとも思えないし、ライフガードも安否確認解除の報告がスムーズに伝わり、警察本部から現場への帰還命令も出されて一件落着だったと思う。
しかし実際は、チェンバレンさんは断固入室を拒否し、警察官は強行突破し、ライフガードの確認解除連絡は現場からの警官撤収にはつながらず、チェンバレンさんは射殺された。
もしチェンバレンさんが白人だったら起きなかった事件で、現代アメリカ社会の人種差別の実態を突きつける映画だ。白人が「安否確認の誤送信だったから入室は断る」と言えば、警官たちもおとなしく帰っただろう。そして皆んな何事もなかったように気だるい朝を迎えた。
アメリカの社会情況は知らないが、黒人の失業率は白人より高く、貧困率も黒人のほうが白人より高いと聞く。コロナなどで失業率が上がると、上がった分の大半は黒人らしい(うろ覚えだが90%ぐらいだったか?、ちょっと自信がない)。 そういったことから貧困から犯罪に手を出す黒人が多いという憶測に繋がり、黒人だというだけで犯罪に絡んでる率が高いという偏見を生むかもしれない。推測。
地域によっては犯罪が多い地区があって、そういった所にあるアパートが犯罪の温床になってたりするのかもしれない。これも推測。
だから新米警官のロッシが警部補に「ここは高級住宅街か?ええ?このまま帰って後で何か起きたら俺たちの責任になる」と言われたら、経験が浅くて地域の実情もよく把握してないロッシは従うしかない。
人種差別というのが実感できない。この映画を見ることで、差別される黒人の悲しみ、怒り、恐怖、絶望を少しは追体験出来たのだろうか?
白人だったら生涯 気付くことも、意識にすら昇ってこないことを、黒人だからというだけで注意したり考慮しなければならないのだ。しかも一生。暗たんたる気持ちになる。
差別する側が差別を止めるしか差別を解消する方法は無いように思う。
ドアの外にいる警官たちは、高圧的な上から目線で、白人の命令を黒人が拒否するなんてムカつく、サッサと言うことを聞けという感じが見てとれるが、それと共に黒人に対する恐怖心から来る攻撃性も感じられた。つまり、やられる前に先にやらなきゃ逆にやられちまうっていう恐怖心が有るから攻撃してんだっていう理屈だ。
黒人が警官に押さえつけられて窒息死した事件があった。動画がニュースで放映されたから記憶に残っている。エリック・ガーナーとジョージ・フロイドは重犯罪を含む犯罪歴も多くて、ケネス・チェンバレンさんとは違う種類だと思う。
ケネス・チェンバレンさんは何もしてないのに(過去に犯罪歴もないのに)、黒人だというだけで白人警官に射殺されたのだ。犯罪歴が有るから殺してもいいという訳ではないんだけどね。
緊迫感あふれる再現映画
事実に基づく映画で、再現VTRならぬ再現映画です。
緊迫感あふれる映画で見応えありました。
結構あっという間に終わってしまいました。
人種差別や見下し蔑む気持ちが原因で起きた事件ですね。
我が身を振り返ります。
モーガン・フリーマン製作総指揮。
言葉が出てこない。
衝撃すぎて言葉が出てこないな。
なぜ彼が警官に殺されなければならなかったかより、なぜ警官が罪に問われないのかの方が気になった。
怒りしかない。
たとえ場所が危ない地域だったとしても、全く話を聞く気がなく全てを悪い方向から考えて自分たちが正しいと決めつけた警官二人が怖すぎる。
唯一守ろうとしてくれていた彼は、教養のある人物だったなと思う。彼がここで警官を諦めないで、もっと上の立場に上がってこの警察署の質を上げてくれてたらいいなと思った。
全ての問題は話し合いが全くできなかったことにあるように思う。
救いがなくとても気持ちが落ち込む映画だったけど、唯一良かったことは実際にこんなことが起こる世界だと知ったことだな。
物凄い緊迫感と絶望感…
精神疾患を患う黒人男性が、誤って医療用通報装置を作動させたことで自宅へやってきた白人警官によって殺害されたという実際の事件をもとに、
モーガン・フリーマンの製作総指揮で、映画化された作品。
ほぼリアルタイム進行で描かれるゆえ、回想シーンが無い。
過去に彼が白人警官から受けたであろうことが、仄めかされる部分に非常に意味があると思う。
83分間に起きた悲劇は、この時だけ、彼だけに降りかかったものではなく、蔓延していた。
そして今もなお存在するという、恐怖…。
非常にスリリングで、「デトロイト」や「フルートベール駅で」を想起しました。
もうこんなことは2度と起きてはいけない。
実際の音声がさらに残酷さを強烈に印象づけて、なかなか忘れ難い一作になりました。
観るべき作品
無実の黒人男性が白人警官に殺害されるまでの90分を描く一級品のスリラー。
行き着く先はわかっているのに、ラストまでまったく目が離せなかった。
ほぼリアルタイムの時間進行で描かれており、緊張感が凄まじい。
なぜ彼は殺されなければならなかったのだろう。
なぜ誰も救えなかったのだろう。
これほど胸を締め付けられる作品は初めてだ。
忘れられない作品になった。
思い込み、差別、慢心
Filmarksオンライン試写にて
無実の男が警察によって殺害された事件を、彼が殺されるまでの90分とほとんど同じ尺で描く。
上映時間を実際の事件に寄せることで、ケネス自身が体験した恐怖を追体験できるようになっています。
本当に新たな恐怖との出会いでした。
怒りや呆れ、悲しみ。
すべてのやるせない感情が混じり合い忘れられない一本となった。
なぜならこの作品は”事実”だから。
”精神障害を患う70代の男性”
このパーソナリティに”黒人”や”元米兵”が加わるだけで、その人の見る目が変わってしまうのか。
「黒人の男性だから、部屋で人を監禁している可能性がある」
彼はただ機械の誤作動で”安否確認”のために警官を呼ばれただけで、彼らが過度にパーソナルスペースに押し入る権利なんてなかったはず。
これは確実に警察側、警官の人間性、そしてバイアスの問題かと思います。
そもそも警官と言っても、公的な許可なく人の家に押し入ることなんてできない。
こんな至極当たり前の常識が”勘違い”や”バイアス”によっていとも簡単歪められてしまうものなんですね。
彼らの抱く「犯罪を未然に防ぐべきだ」という正義感
「黒人だから徹底的に調べるべきだ」という差別意識
「警察なら正義のために、法に逆らって独断で判断できる」と言う慢心(うぬぼれ)
これらが不運にも重なってしまったとも考えられるが、彼は本当に運が悪かったのだろうか?
そんなはずがないから、防げたことだからこそこの作品を撮ったのだと思います。
アメリカ全土でまだまだこのような事件を耳にします。
日本では毛頭見かけることのない状況だからこそ、見なければならない一作です。
全42件中、21~40件目を表示