「どこまで人間は残酷になれるのか」ナチ刑法175条 La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)
どこまで人間は残酷になれるのか
アウシュヴィッツへ送られたのはユダヤ人だけでなく、当時の「刑法175条」で禁じられていた同性愛者のドイツ人も収容所へ送還され、虐殺され医学実験の標本にされ筆舌に尽くしがたい恥辱を味わいました。本作は、その事実を生存者が顔を出して語るドキュメンタリーです。怒りと悲しみの凄まじい言葉が並びます。
でも、戦後もこの法は生き残り、その完全撤廃は何と1994年だったのだとか。ベルリンの壁が崩されたまだその後なのです。
作中で語られる「歌う森」のエピソードが凄絶です。処刑が決まった人間は森の木に吊るされます。すると、森からは呻き声や悲鳴が聞こえて来てそれが「歌う森」と称されていたのだとか。どこまで人間は残酷になれるのでしょう。
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