ナポレオンのレビュー・感想・評価
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残念過ぎます。
結局、ナポレオンの生涯を描くには短すぎて、消化不良を起こした、と言う。上映時間は2時間半以上と長いのですが、戦闘シーンの連続と退屈な宮殿シーンの繰り返し。どこかに山場を決めて、もっとドラマを期待してました。
最近また発見された、ジョセフィーヌ宛の書簡からヒントを受けて、特異な夫婦関係に重きを置いた作品を意図したのは分かるが、人間ナポレオンを描くにしても、フランス大衆にあれ程愛される彼の魅力が(大衆性、革新性あるいは残虐性も)全然伝わりません。ジョセフィーヌが魅力的だったのが僅かな救い?
いくつか勉強になったのは、2人の間に実子がいなかった事、野心家のナポレオンの弟の存在、ワーテルローでのウェリントンの兵法など、を知ったくらいか?
某国営放送の歴史探偵やプロファイラーの方がもっと丁寧に人物や歴史的エピソードの裏側や違う角度の見方などを上手く取り上げてますよー!
いやぁ、映画の日だったのに。残念。
名前負け
別映画で予告を見て、リドリー•スコット監督なのでアカンと思いつつも…ナポレオンってやっぱ
心揺さぶるんですよ。
昔は好きだったんです。リドリー•スコット
でも、やっぱりという感じ
うーん、ナポレオンをそれとなしに知ってる人なら映画館で観ないでいいし、
ナポレオンや歴史が好きな人には何か違う…という違和感だったり物足りなさ。
脚色するなら脚色する、史実に忠実にするなら徹底するとか、やっぱ素材が有名なだけにバランスは難しいとは思うが
中途半端オブ中途半端。
他の方のレビュー見て、あー英語!
そりゃ違うよなフランス語で日本語字幕とか吹き替えだよな、と。今気づいた。
まぁ、よくあるアレです。
表題の人物(など)とかの史実に近いものでなく、
表題の人物(など)をモチーフに恋愛ドラマとか別要素を乗っけてくるやつあるじゃないですか
タイタニックとか 笑
有名監督が有名素材つかえばソコソコには話題になるだろう的な浅はかな興行映画
あーゆうやつですね。
見応えある歴史劇。みる価値あります
スタンリーキューブリックが映画化を試みたが実現しなかったナポレオンを大御所リドリースコットが見事に映像化してくれました。
それも戦略家で野心家だけの偉人伝ではなく妻に苦しめられ苦悩する夫と権力闘争に執念を燃やす人間味がある将軍ナポレオンをホアキン・フェニックスが魅力的に演じています。
18世紀末のフランスの宮殿や街の再現度も戦争のスケール感もあり超大作の歴史劇になってます。
特に絵画で有名な戴冠式のシーンは重厚で素晴らしかったです。
お金を払って見る十分価値のある作品です。IMAXの大画面でぜひご覧ください
もちろん重厚な歴史大作だが、ナポレオンとジョジェフィーヌの関係を掘り下げたドラマでもある一作
ここまでナポレオン(ホアキン・フェニックス)とジョゼフィーヌ(バネッサ・カービー)に焦点を当てたドラマだとは、ちょっと予想外な作品でした。
もちろんリドリー・スコット監督なので、空撮も駆使した戦場の描写は迫力の一言。しかしある程度の長さのある上映時間の割には、戦闘はハイライトを抜き出したかのようで、意外にあっさりと場面転換を繰り返します。フランス皇帝にまで登り詰めるまでの過程すらも、少し拍子抜けするほどです。
スペクタクルシーンや史実描写のあっさり感には、もちろん、スコット監督の疾走感溢れる演出と編集が大きく貢献していることも間違いないですが、作品の主軸をナポレオンとその妻、ジョゼフィーヌの関係描写に置いていることがむしろ主因でしょう。天才的な戦術眼と卓越した政治的影響力を持っているにも関わらず、精神的にどこか破綻していて、ジョゼフィーヌに精神的に依存しているというナポレオン像は、ホアキン・フェニックスだからこそ強い説得力を持っています。
本作ではナポレオンの精神状態についての描写と、彼の軍歴をかなり密接に結びつけるという、スコット流の歴史描写も楽しめます。ナポレオンがジョゼフィーヌを溺愛していて、戦場からも毎日のように手紙を送っていた逸話は有名ですが、エジプト遠征もエルバ島からの帰還も、全部ジョゼフィーヌのため、という大胆さ。
もちろんスコット監督なので映像面でも隙はないのですが、本作は特に、窓から差し込む光やろうそくの灯りだけで描く室内描写が、『バリー・リンドン』(1975)を彷彿とさせる美しさです。
主人公二人に焦点を当てたドラマ構成になっているため、歴史上有名なフランス軍の将軍も本作ではほぼ書き割り扱い!本作が大胆に省略した、将軍たちの人となりと奮戦ぶりについては、『ワーテルロー』(1970)で詳細に描写しています。また絶対当時の兵士にはなりたくない!と思わせてくれる、小銃の隊列に自殺的に突撃していく兵士の戦い方もまた、『バリー・リンドン』が容赦なく描いています。本作を起点として、ナポレオンやヨーロッパ近代に関する、様々な過去作を観返すのも面白そうです。
ナポレオン
君たちはどう生きるか の本で
戦いにやぶれ、ヨーロッパのどこにも身の置きどころがなく、いま長年の宿敵の手に捕えられて、その本国につれて来られていながら、ナポレオンは、みじめな意気沮喪した姿をさらしはしなかったのだ。とらわれの身となっても王者の誇りを失わず、自分の招いた運命を、男らしく引き受けてしっかりと立っていたのだ。
そして、その気魄が、数万の人々の心を打って、自然と頭を下げさせたのだ。
何という強い人格だろう。
というのを読んで、ナポレオンにとても魅力を感じました。
映画館で初めてナポレオンのポスターを見たときに
一瞬で惹き込まれ、ホアキンフェニックス×ナポレオンってだけでもう...
正直、歴史のことをあまり分かっていないので
ちゃんと知った上でもう一度観たいのですが、
それでも戦いのシーンの迫力...
なんというか...何万の兵と言われてもピンときませんが
1人1人1人が集まった何万もの兵 という画の迫力がもの凄く、
そこにナポレオンの冷酷さ、威圧感、時に情け無いような人間っぽさが相まって、わたしは一瞬もだれることが無かったです。
何よりもあれだけの兵がいてもホアキンフェニックス演じるナポレオンは一瞬でどれか分かる、
これがオーラなんだなとしみじみ思っていました。
転落したときこそ、潔く受け入れ堂々と振る舞う精神力(映画でも“わたしは負けを認める”と言っていたような...)
ああ...凄いなあ。
個人的に 首 と立て続けに観たので
戦いに生きた歴史に触れたとても有意義な1日になりました。
秀吉物との比較で観るナポレオン
ホアキン・フェニックス主演のナポレオンということで、大変楽しみにしていた本作。公開当日に観に行きました。
成り上がって天下人となったという意味で豊臣秀吉と並び称することが出来るナポレオンですが、北野武監督で秀吉を主役にした「首」がほぼ同時公開となっているのは、必然なのか偶然なのか。若干牽強付会気味ではありますが、両作品、ナポレオンと秀吉を比較しつつ感想を述べたいと思います。
日本人にとって秀吉の物語は、大河ドラマや映画などで何度も繰り返し観ている題材であり、どの俳優が、どのような秀吉像を表現するのかが大きな楽しみのひとつです。いろんな秀吉物を観ているせいで、次に何が起こるのかということを含めて、史実は概ね把握しているため、どこにスポットを当て、どのように描くかがそのドラマの評価に直結しています。
一方ナポレオンの場合、名前を知らない人はいないでしょうけど、かと言って秀吉の業績を知っているほど、ナポレオンが何をしたのかを把握している人は、日本では少数派じゃないかと思われます。少なくとも私はそんなに詳しく知らなかったクチですが、本作を観た後にざっとナポレオンの業績を調べてみると、(当たり前ですが)史実に添って創られたものであることは間違いのないところでした。ただナポレオンの描き方としては、どちらかと言うと「英雄」としての扱いではなく、小心で小柄の普通の男が、時流に乗って出世してしまったという感じに描かれていました。
特に、妻であったジョゼフィーヌとの関係性にスポットを当てており、ジョゼフィーヌをして「私がいなければ何も出来ない人」と言われるナポレオンに、哀れさを感じこそすれカッコ良さとかカリスマ性は全く感じませんでした。チラシには「英雄か、悪魔か」というキャプションがデカデカと踊っている訳ですが、良い意味での英雄的な部分も感じなかったばかりか、「首」で見せた秀吉の非情な部分も殆どありませんでした。唯一ヴァンデミエールの反乱を鎮圧する際に、王党派の市民に向けて市街地で大砲をぶっ放した場面は、まるで天安門事件だなと思いましたけど、この事件にもサッと触れた程度で、悪魔性が強調されていた訳ではありませんでした。むしろ、子供が出来ないジョゼフィーヌに三下り半を渡した後ですら、彼女との文通や交流を心の拠り所にしている人物として描かれていたのは意外でした。そう言えば秀吉の正妻のおねも子供が出来ず、それが秀吉の死後の豊臣政権の崩壊に繋がった訳ですが、世継ぎ問題というのは洋の東西を問わず権力者の悩みの種であったのは間違いのないところのようです。
いずれにしても、ナポレオンの実像が何処にあるのかを判別するのは中々難しいですが、本格的なナポレオンのドラマを初めて観た者としては、良し悪しは別としてナポレオンのデカさが実感できず、ちょっと残念でした。秀吉物にしても、正妻であるおねを心の拠り所としていた物語は数多あるのは同様ですが、あちこちで別の女に手を出す好色な秀吉像が同時に描かれることが多く、おねへの依存が秀吉の弱点であるような描き方をした作品は記憶にありません。
良し悪しに関わらずデカい人物であることが前提であるからこそ成り立つこともあると思うのですが、本作ではロシア遠征の失敗後、エルバ島に追放されたものの、捲土重来を期して本土に戻った際に、ナポレオン軍鎮圧のために向かってきたフランス正規軍を前に演説し、自分の配下にしてしまうシーンがありました。このシーンなど、それまで英雄的な描き方がされていないため、全く説得力がないものになってしまっていたように感じられました。
まあ別の角度から考えると、本作は、ナポレオン物が初見の者が観るには、ちょっとハードルが高い作品だったのかも知れません。
最後に良かった点を挙げるとすれば、合戦のシーンはスケールが大きく、壮大で素晴らしかったです。士官学校の砲兵科で学んだナポレオンが、大砲を用いてする用兵にはリアリティがあったし、自ら馬に乗って突撃していくシーンは、本作でナポレオンが唯一カッコいいと思える姿でした。
そんな訳で、こちらの知識レベル、経験レベルの問題は棚に上げて、本作の評価は★3とします。
ナポレオン役はもっと若い俳優がいい
18世紀末、マリーアントワネットのギロチンなど革命の興奮と混乱のフランスで、軍人ナポレオンはトゥーロン港でのイギリス・スペイン艦隊を撃破するなどの活躍をし、軍の総司令官に任命された。夫を亡くした年上のジョゼフィーヌを好きになり、結婚したが、奔放なジョゼフィーヌは他の男とも関係を持ち、ナポレオンをイライラさせた。一方、ナポレオンはオーストリアやイタリアなど各地で快進撃を続け、統領政府をクーデターで倒し、第一統領に就任、そしてフランス帝国の皇帝になった。皇后となったジョゼフィーヌとの間に世継ぎが出来ず、周囲の勧めで愛人を作り、子供が出来たが、その後、イギリスを始めとする対フランス連合軍に破れ、南大西洋のセントヘレナ島に送られ最期を迎えた、という話。
ナポレオンの名前は当然知っていたが、何をした人かよく知らず、本作は1800年前後のフランスを中心としたヨーロッパ状況について勉強になった。
戦いの場面は多くの人を使っていて迫力あった。
6歳年上の妻ジョゼフィーヌに惚れた経緯はイマイチピンと来なかったけど、バネッサ・カービーの巨乳や色っぽい仕草は魅力的だった。
ナポレオン役はもっと若くて、せめて30代のイケメン俳優を当てて欲しかった。。49歳のジョーカーが演じるのは無理がある。
合わなかった
映像はすごい!予算のすごさが分かる ほえ〜すげ〜とは思うけど物語としては山もオチも特になく というかどこが山でどこがオチなのか理解できなかった
たんたんと進む時間と誰の感情もよく分からない人物描写で私にはレベルが高すぎる映画でしたね、、
見る人の予備知識や人物や歴史等への関心度合いにすごく左右されると思う
見る前にナポレオンの歴史年表くらいは見て行った方が良さそう
ものすごいかすかな頷きで砲撃指示するとこ好きだった
きっとジョセフィーヌとナポレオンは女王様と奴隷の関係
真の天才は人を模倣することなく常にオリジナリティに溢れてる。でも『戦い方の天才』が必ずしも人として優れているとは限らない、それを観続ける映画。
映画の8割くらいはナポレオンがいかに承認欲求の塊で、モラハラ系でマザコン、ストーカー気質が強く、器の小さな男であったかが描かれている感じ。ま、ナポレオンも普通の人間でした、と言ってしまえばそれまでだけど😂
3時間弱をそう感じさせない点では評価できる。でも軍人としての側面よりもジョセフィーヌへの執着にフィチャーされた作品だったので、非常に中途半端な2時間38分に感じられた。そもそもジョセフィーヌへの執着の根幹が母親への愛情を重ねたからなのか、性の相性の良さなのか、何なのか描かれていない。そして初めこそ奔放に情夫との時間を楽しんでいたジョセフィーヌもいつ離婚を泣いて拒むほどナポレオンへの気持ちが変わったのかもよくわからない……。ジョセフィーヌ側のストーリーが加わった4時間半の『完全版(?)』が存在するみたいだし、それを観たらその辺の空白が埋まるのかしら??監督も4.5時間半版の放映を望んでいるみたいだし、いつか観てみたいな〜🍀
映画の日、公開初日、金夜でシアター満席の中、全員でサラサラっと進んでいくフランス革命以後の歴史のおさらいをした気分ww
ナポレオンからの手紙
終始心を奪われた妻に翻弄されるナポレオン、彼女の浮気を知って軍を放り出し遠征先から帰国。妻を責めるも結局はマウントをとられる始末。マザコン的な性格も垣間見える。
まるで盛りがついた犬のように交尾するナポレオン、ミイラとの対面に箱を台にするナポレオン、暴徒に追われて無様に階段を転げ落ちるナポレオン、自分をからかう新聞記事に切れまくるナポレオン、侍女たちにモスクワの焦土作戦は常識だと戒められるナポレオン、等々ここまでフランスの英雄をこき下ろして大丈夫ですか。また戦争起きたりして、起きないか。
ナポレオンの宿敵だったイギリス人のリドリー・スコットがその英雄をこき下ろした作品なのかと思ったが、監督のインタビューからもわかる通りその主題はナポレオンとその妻ジョセフィーヌとの愛憎劇に重きを置いたようだ。
現存するナポレオンの彼女にあてた手紙からも彼の愛情の深さを知ることができる。かたやジョセフィーヌの方はほとんど返事を返さず浮気に夢中。そんな彼女への当てつけでナポレオンも浮気をしまくり婚外子を作りまくる始末。
追っかけるナポレオン、その彼をいなしてはうまく立ち回るジョセフィーヌ。二人の愛憎劇はまるでドロドロした昼ドラのよう。
またさすがリドリースコット監督だけにスペクタクル感満載の戦闘シーンは圧巻。驚いたのは最初のトゥーロンの戦いでナポレオンの乗る馬が大砲の直撃を受けるシーン。今まで戦争映画で馬が血を吹いて倒れるシーンなんて見たことない。これだけの大御所なのにいまだにこんなフレッシュな映像表現が健在とは。
また史実通りデモ行進してる生身の人間に対して大砲を打ち込むなど残虐極まりないシーンや氷上に敵を誘い込んでの大砲一斉攻撃など見どころも盛り沢山。
でもやはりメインは二人の愛の物語、ナポレオンが幽閉されてる間に病でこの世を去ったジョセフィーヌ。彼女を失い失意のまま再度戦場で指揮するもかつての奇跡のような勝利をおさめることも出来ず、最後は流刑先でその生涯を終える。
ジョセフィーヌの言った通りナポレオンは彼女のもとへ旅立ったのだろう。二人が最後に残した言葉には互いの名前があったという。最後まで互いのことを思いこの世を去った二人。
結構歴史的事実が多く盛り込まれていて情報過多なイメージだけど、戦闘シーンと二人の愛情物語を楽しめばいい作品。
スコセッシに続いて、ベテラン監督の大作が観れてうれしい限り。
戦闘が凄かった、面白かった!
歴史ものが本当は苦手。しかも158分!ギョエ。でも1番人気なのでとりあえず鑑賞です。
予定通りスケール大きめ!!壮大作です。
ちょっとストーリーに難しい点もあったが、結構楽しめました。
1番はロシアとの戦い。見応えあり!
ストーリーは戦争ばかりじゃなく、ナポレオンの夫婦・子作り問題などもあって案外飽きずに観られます。
歴史好きなら尚更ウケ良さそうだなって思いました。
ナポレオンの野心と恋愛要素が中途半端
結構な長尺でナポレオンの半生を描いているが、何か物足りない。
ジョセフィーヌとのチグハグな関係は面白味があったし、戦闘シーンの迫力は素晴らしかった。
ただ、恋愛要素を絡めたせいか、ナポレオンの野心のようなものがボヤけたような気がする。
あまりに普通の人として描き過ぎてカリスマ性などはあまり感じなかった。
かっこいいナポレオンが観たい人には不向きかな…
リドリー・スコット 監督 今回" も "晩節を汚す
今年1番の期待作だったので、迷わず 初日に観ました。
深く考えずに、字幕版を観てしまったが、本作は英語劇だったので、
英語を話す ナポレオン と フランス人達 には まるでリアル感がなく、
この 極薄ハリボテ映画を英語版で観る価値はないので、日本語吹き替え版で鑑賞すべきでした。
また、この駄作映画を見る前夜には10時間余の 充分な睡眠をとっておかないと、
本作鑑賞中が 睡魔との戦いになってしまうでしょうでしょう。
この映画は 何が言いたい映画なのか。。。?
副題「英雄か悪魔か?」この映画は そんな事を言えていたのだろうか?
ハリウッド映画なので、撮影技術は申し分ないが、音楽は手抜きレベル
ナポレオンの長い半生を描くには、映画ではなく、Netflixあたりで、3シーズン位に別けた 長編ドラマに構成すべきでしたが
リドリー・スコット 監督は 映画「タイタニック」のように、男女の恋愛映画にしたいと考え
恋多き皇后 ジョゼフィンを軸にした脚本に執着してしまい
ナポレオンがハクスブルグ家令嬢と結婚した事や、ルイ18世を追い落とした野心 そして ナポレオン法典 を創った功績までも ないがしろにして、
ナポレオンがどういう人間なのかを無視して、 かっての「マカロニ ウエスタン」のような、「ハリウッド 解釈のフランス料理」=ヘンテコな創作映画になってしまいました。
また なんら基礎的歴史観がない脚本家は
多くても「アウステルリッツ」「ロシア侵攻」「ワーテルロー」程度の3つ程度に戦いを絞ればいいものを
歴史のポイントを理解できていないようで
、ナポレオンに とって は大した意味のない戦いや
多々なストーリーの"数々の出来事"をダラダラと展開し続け、限られた映画時間の無駄遣いをしてしまった。
その1番肝心な 最後の戦い「ワーテルローの戦い」は、
前戦の「リ二ーの戦い」があっての、再集結「ワーテルロー」なので、
前戦場から、離脱したプロシア軍と追撃した フランス別動隊の
どちらが先に、ワーテルローの戦地に辿り着くかが、このワーテルローの勝敗のキメ手 となったのですが、
どうも本作脚本家は そのレベルの歴史知識さえもなかったようで、つまらぬ戦闘に成ってしまっている。
有名すぎる ワーテルローの戦地と この映画の 広いだけの撮影地 の見た目が違い過ぎました。
ナポレオンが、指揮所としていたのは 戦場では1番高地に建つ有名な"大屋敷"なのだが、
本作では 英国軍本陣と同じくらいの 対峙した丘の上の"テント!"
この豪邸は、戦後処理にも使われた歴史的重要施設なので、ハリボテでもよいから、作る冪モノです。
また戦場を囲む2つの丘から、盆地的な谷になる中央部には、戦闘の中心である激戦区の"ラ・エー・サント"と"ウーグモン"と言った
二つの 大きな農場主の豪邸があり、英・蘭連合軍がここを護りぬいたのが、この戦闘の第二の キモ なのだが。。。
歴史とは無縁なアメリカ人には、この辺のことは どうでも良いのでしょう。
ナポレオンの帽子もヘンだし、
この時代の どの軍も、敵に寄る 勇気いる"横隊戦列"は、鼓笛隊のリズムで、歩調を合わせて前進しますが、これは"にぎやかし"や"勇気づけ"ではありません。
味方が逃げないように、日頃から“二拍子 曲(行進曲)” に 歩調を あわせさせたもので、この 行進訓練を 現代の軍隊でも、実施しています。
また、連隊帰属意識を高める為に、連隊毎に 微妙に軍服が違う事を この映画では きちんと表現しておらずに残念 アバウトなハリウッド人には無縁なファッション性。
この 連隊 と言うのは、日本で 言う 戦国大名・藩にあたり、欧州では 貴族である連隊長(大佐)が、主になり、連隊は独立性があり、連隊の兵は国家ではなく、各貴族が養っている組織なので、国家の軍がピラミッド型の平等なアメリカ人には、それが理解できてない。
最後に、長尾景虎(上杉謙信)のように、ナポレオンがサーベルを抜いて、敵陣に切り込んで闘いだしますが、
皇帝近衛隊にナポレオン皇帝は加わりません。配置場所も違うし。。。
最近のハリウッド映画は、チョコレートに気を使い過ぎます。
結婚式や、館の女、高級士官に士官候補生(子供)。。。10回程度 これみよがしに 出てくるが、アレです!
記録映画を創っているのではないが、あまり湾曲した事を ねじ込むと、映画の品と質が下がります。
劇中「ローマ ヴィクトリー(グラディエーター)」ならぬ「フランス ヴィクトリー」は、嬉しい無銘兵士のセリフが 入り
嬉しい点も在ったりするが、
スコット 監督は、ブラックホーク・ダウン(2001)位までは、素晴らしい作品を作り続けましたが、
それ以降は 不作続きの ダメ監督・製作者に成り下がってしまったようで、
現在「Gladiator 2 (2024年)」を作っているようだけれど。。。大丈夫か? 心配になってきた。
ホアキン・フェニックス
ホアキンのファンなので楽しみに待っていた1本ですが、
リドリー・スコットらしい、暗くシリアスな映画で、眠くなりました(笑)
でも、よく出来てたと思います。
この辺の中世ヨーロッパが苦手でして、
ホアキンじゃなかったらスルーしてたかも…
単純に面白さだけで評価すると3か3.5
映画の出来として全体的に評価すると4
僕は眠かったです(笑)
『ゴッドファーザー』のオマージュ?と思わせるシーンがありました。
ネタバレになるので、どことは言いますまい(笑)
でも、ホアキンはホントいい俳優になりましたね。
ホアキンを堪能する映画です。
コニャックの等級
この手の作品を観て常々思うこと(でも、やっぱりやらないんだけど)と言えば、「ちゃんと世界史を知ればもっと面白いだろうに・・・」。
特にヨーロッパとロシアは戦争に次ぐ戦争で、タイムラインや国境線は複雑すぎ。正直、「プロイセン」なんて久しぶりに聞いた気がします。そして、ナポレオンというビッグネームですら、その印象は「皇帝」「馬に乗った肖像画」、そして何といっても「コニャックの等級」くらい。。ちなみにその由来は「1811年に皇帝ナポレオン・ボナパルトに初めての男の子が生まれた喜びと、ブドウの豊作を記念し、その年にできたブランデーをナポレオンと名付けたのが始まりという説」があるそうですが、、って結局、世界史じゃなくて雑学ばかりが気になる私。と一見、いつもの私の脱線傾向と思われるかもしれませんが、今作『ナポレオン』にとっても「男児誕生」は重要なポイントになります。
さてさて、今回も観に行くかどうかの判断から始まり最初に引っかかったのは「158分か。。」まぁ、リドリー・スコット作品だしそこは覚悟の上として、、意外とIMDbやRotten Tomatoesの評価が高くない。。。が、やはり観ておかないとと思い直して参戦です。
ですが、公開初日の今日、TOHOシネマズ日本橋が本作(夜回)に割り当てたのは小さめで何のギミックもない「スクリーン3」。ところが今日は「映画の日」と言うこともあって、シアターはおそらくフルハウスの客入りだったと思います。
で、観てみてやはり思うのはやはり「戦闘シーン」の迫力です。この時代の戦争において最大の破壊力である「大砲」と、緊張と高揚が織り交ざるナポレオンの「息遣い」など、音による演出は大変素晴らしいです。実際、早い時間帯ではDolby-ATMOS(スクリーン8)もあるのでなおさら、この時間にスクリーン3を割り当てる日本橋の番組担当の「見立て」にがっかりしたりします。。
で、肝心のストーリーは?と言うと、正直中盤までは「半信半疑」でしたが、結局いつの間にか前のめりになりますね。一見「破天荒」にすら見えるナポレオンとジョゼフィーヌの結婚生活ですが、やはり時代ならでは、遠征などで離れている間は筆まめな二人に、後半に至るほど(その顛末を含め)キュンとします。
そして、不器用なりに天性の勝負勘で戦争にのめり込み、且つ、「かつての栄光」に幻想を抱くものの加齢と肥満でイメージを再現できない後年のナポレオンに、自分もそんな歳になったことを重ねて哀愁を感じます。
と言うことで、「観る人による」作品だとは思いますが、リドリー・スコット、ホアキン・フェニックス、そしてバネッサ・カービーという面子に裏切りなく味わい深い作品に仕上がっていると思います。
リドリー・スコットの考えるナポレオンとは。
日本人の知るナポレオン、アメリカ人の知るナポレオン、フランス人の知るナポレオン。三者三様のナポレオンがあり真のナポレオンを知るものはいない。
印象的だったのはアメリカ人らしいフランスを舐め腐った描写。音楽を効果的に使い滑稽にフランスを描き出す。一方でアウステルリッツの戦いのシーンは圧巻。ハリウッド映画たるものこうあるべきだろうというロマンあふれる映像体験が出来る。
リドリー・スコットの描き出すナポレオンはあくまでも一般人、「市民」であり、母の期待、妻への見得、そして国家への威厳と段階を経ながら「女性」という通底する概念を追っていく。経った3時間弱の映像でナポレオンの一生を追うのだから多少駆け足の部分は目立ったがそれにしても上手くまとめたのではないだろうか。ジョセフィーヌとの関係から描くことで1つのストーリーを作り出すことに成功していた。
誰かが指摘しているのを目にして笑ったのが、なんで英語やねん。のツッコミ。いや、それな。すぎてぐうの音も出ないが、強いていうならあくまでアメリカ人の描くナポレオンということを強調したかったのだろう。トゥーロン攻略戦のときの馬から砲弾を取り出すシーンは如何にもアメリカといった感じ。ああいう無骨さはフランスではない。
ミッションインポッシブルのヴァネッサ・カービーが好きじゃなさすぎたのが不思議なくらい魅力的なジョセフィーヌだった。せめてヒロインくらいはフランス人使ったらどう?と思うがまぁ魅力的なキャラではあった。
この映画は歴史映画としてはクソだが、映画として見れば魅力的な作品だった。
筆舌しがたい名作
158分という長尺を全く感じさせない圧倒的没入感。とにかく凄い作品です。言葉にするのが難しい…。
数々の名言を残し、名画にも刻まれ、歴史に名を残した希代のカリスマ・ナポレオン。フランス革命以降、数々の闘いで手腕を発揮し、皇帝に上り詰め、そして衰退していく。彼がどう闘い、何を思い、何を求め、犠牲にしたのか。
名優と名監督により映し出されたその様は凄まじく、同時に切なくもありました。
巨額の予算を掛けて描かれるとんでもない迫力の戦場シーン、美しく煌びやかな貴族たちの衣装や家具・装飾品、各シーンを盛り上げる楽曲、名優たちの演技合戦…もう目を離す隙がないとはこのこと。いやーーー凄かった!!
特に戦争描写は凄まじく、大量の兵士が統率のとれた陣形を保つ一方で、容赦なく人も馬も消耗品のように吹き飛ばされていく様が、様々な画角で映し出されることで残酷さが際立っていたように思います。気温、臭い、砂埃、血、肉、そんな戦場の空気がこちらにも伝わるようでした。
一方で、ジョセフィーヌとのやりとりを中心に描かれるナポレオンの人となりも印象的。戦争のカリスマも、恋した相手に対しては奥手というか中学生男子みたいな反応なのが意外だったし、ナポレオンとジョセフィーヌの関係性が単純な愛だけではなく複雑なものであり表現が難しいにも関わらず、本作がラブストーリーにも思えるほど余韻に二人の姿が強く残るのは、ホアキン・フェニックスとバネッサ・カービーの素晴らしい演技があってのことだと思います。
これ程までに大きいスクリーンで観る価値のある作品も稀だというくらい、物凄かったです。
ちなみにナポレオンの史実をサラッと予習すると物語に集中し易くてオススメです。
あーー良いもの観れたーーー!
ナポレオンとジョゼフィーヌの物語
予告編から想像する戦争映画というよりは、「ナポレオン日記」とでも言いますか、より正確に本作を言い表すとすれば、「ナポレオンとジョゼフィーヌの物語」と言ったところでしょうか。
とはいえ、IMAXで観る戦闘シーンの迫力は満点であり、砲撃の轟音や歩兵突撃と騎馬突撃を多用する戦闘の血生臭さと猛々しさが、恐怖と緊迫感をともなってスクリーンから伝わってくる感覚は劇場で観ないと後悔するレベルなので、観にいってよかったと思っています。
本編中ではナポレオンと妻ジョゼフィーヌ以外の人物像や、各戦闘は何のために誰と戦っているのかについて説明が無いに等しいので、ストーリーというか時間の流れを理解するためにはそれらの戦いについて予習しといた方が分かりやすいかも。知らなくてもナポレオンの心情の移り変わりは楽しめるので、そこが追えるだけでもストーリーは楽しめる気がしますが、戦歴を知っておくとより理解が深まるといったところ。でも、戦歴を知っていたら知っていたで、あの戦いが無い、なんでそんなエピソードなんか描いてるんだなどと不満も生まれそうなので知らない方が楽しめる可能性もあります。
史実の物語なのでネタバレとまでは言いませんが内容に関わる話しはしているので以後は観覧後にご覧下さい。
戦場を離れたナポレオンは、ジョゼフィーヌの尻に敷かれた色ボケおやじ的な描かれ方。何をされても一緒に居たい程に彼女にベタ惚れだったのかも知れないけど、わたしが持っていたイメージ、戦争の天才・フランスの英雄には見えず、本当にこの人がヨーロッパを席巻する皇帝なのだろうかと思えてしまうようなキモおやじだったのが少し納得いかなかった。戦場ではカッコいいんだけどね。でもまあ個人的な勝手なイメージだし実際はどうだったのでしょうか。
ナポレオン最後の戦いであるワーテルローの戦いについては、最強の敵ウェリントン公が相手であるにも関わらず、日本人に馴染みの無いこの人物が急に出てくるため、このオッサン強いんか?となる観客が続出なのではないだろうかと心配。せっかくの大会戦の重要性にピンと来ていないまま観てしまったとしたらとても勿体無い。
私が思ってる以上に、日本人の多くはワーテルローの戦いくらい知ってるのかも知れません。
だとしたら前哨戦となるプロイセン軍との戦いや中央陣地の争奪戦であったりを省いた戦闘に不満を持つ人も多そうな印象を受けました。そもそもこの戦いのウェリントン側の陣地が表斜面に出来ていた事がおかしいし、そんな状況でナポレオン陣営の決定的な敗因が敵歩兵の方陣に対応出来ず援軍の到着を許してしまったということにされているのに納得がいかない。雨で開戦時間が遅れたのは描かれていましたが、まだ間に合うと思ったから実際の戦闘に入る決断を下したんだろうし、反斜面陣地に居ない密集した相手に砲弾撃ち込まないのはナポレオンじゃ無いだろとかなり不満を感じました。敵方陣の周りをクルクル回るだけの騎馬兵とか邪魔だから早く退却して来いとイライラしたが、退却して来ない無能な騎馬兵のせいで砲弾を撃ち込めないという言い訳も成り立つなと書きながら思いつきました。でも、ロシア遠征で有能な指揮官を失っていたとはいえ、ナポレオンの軍にいる指揮官がそこまで無能かなという疑問も感じる。結果、戦闘に納得感が無いという感想は変わらないです。
リドリースコット監督は絵作りには長けた能力があると感じましたが、戦術理解という点ではあまり気にして無いのかなと、別に戦闘マニアでもないわたしですが疑問に思ったところでした。
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