ナポレオンのレビュー・感想・評価
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時代が求め、時代に追われた英雄
のし上がり期、調子乗り期、落ち目期、そして終焉期と全てを網羅しながら、ナポレオンという英雄を1人の人間として描き上げる。リドスコ監督は、まだまだ衰えていないというか、全盛期なんじゃないの。
稀代の悪女と言われたジョセフィーヌは、ナポレオンにとってどういう女性だったのか。この点が自分にとっては興味深々。浮気したことを責めるナポレオンをうっちゃって、言い負かせてしまうシーンがめちゃくちゃ面白い。
バネッサ・カービーの目力と妖艶さにすっかりのまれて、ナポレオンは腰砕け。自分が必要だとナポレオンに言わせてしまう。
ナポレオンが起こした戦争で、フランス国民が300万人戦死したと言われているが、この作品を見てよくわかった。歩兵、騎兵を問わず、最前線は弾除け扱いで完全な消耗品だから、ほぼ死ぬ。
ワーテルローの戦いでは、方陣を組むイギリス歩兵と取り囲んで責めるフランス騎馬隊が、命を削りながら残った人数を競うような究極の消耗線。
歴史好きな自分には、とんでもなく満足の一品でございました。
長編ながら退屈さを感じさせない作品
つい先ほど観てきました。
ナポレオン・ボナパルトが24歳の頃からこの映画はスタートします。
冒頭のショッキングなシーンから一気に引き込まれてしまいました。
ひとつの戦の勝利から、数多の犠牲を出しながらも勝利を収め続け、ひとりの女を愛し、最終的に“島流し(流刑)“に処せられ居場所を失った彼の半生を観ることが出来ます。
本作は史実に基づいてはいますが、それとは異なる点、脚色した場面もあります。忠実な歴史を学びたいのなら、本作は適さないでしょう。歴史と同時に面白さや興奮を求めるなら本作はうってつけです!
(彼の奇妙な行動を含め)全編を通して中だるみなく観ることが出来ましたが、ナポレオンの妻、ジョセフィーヌは彼と出会った時30代で、ふたりの出産経験があった事が明確になっておらず、鑑賞後少しだけ不満を覚えました。序盤のナポレオンがどう見ても20代に見えないのは、まぁご愛嬌です(笑)
少なからず暴力的な描写や、セクシーなシーンや不可思議なシーン(笑)がありますが、興味深く観られると思います。ホアキン・フェニックス、ヴァネッサ・カーヴィーがとてもいい仕事をしているのでお勧めです。是非迫力のある映画館のスクリーンでどうぞ!
配信用があるなら…
ホアキン・フェニックスがナポレオンを演じ、リドリー・スコットがそれを撮るんだからそりゃ面白いですよ。
しかも本作が特徴的なのは、ナポレオンとジョセフィーヌの関係性にかなりフォーカスしてて、ジョセフィーヌを演じるのがヴァネッサ・カービー!ってこと。面白くないわけがない。
アップルTVの資金のお陰か会戦シーンは大迫力だし、衣装なども申し分なし。(英語を喋るけどね…ww)
ただ、政治的にもジョセフィーヌとの関係も何故か上手くいかなくなってからの方に時間を割いてる印象だったのは不思議。配信用のエクステンデッドバージョンがあるならばバランスがどう変わるのか観てみたい…
残念過ぎます。
結局、ナポレオンの生涯を描くには短すぎて、消化不良を起こした、と言う。上映時間は2時間半以上と長いのですが、戦闘シーンの連続と退屈な宮殿シーンの繰り返し。どこかに山場を決めて、もっとドラマを期待してました。
最近また発見された、ジョセフィーヌ宛の書簡からヒントを受けて、特異な夫婦関係に重きを置いた作品を意図したのは分かるが、人間ナポレオンを描くにしても、フランス大衆にあれ程愛される彼の魅力が(大衆性、革新性あるいは残虐性も)全然伝わりません。ジョセフィーヌが魅力的だったのが僅かな救い?
いくつか勉強になったのは、2人の間に実子がいなかった事、野心家のナポレオンの弟の存在、ワーテルローでのウェリントンの兵法など、を知ったくらいか?
某国営放送の歴史探偵やプロファイラーの方がもっと丁寧に人物や歴史的エピソードの裏側や違う角度の見方などを上手く取り上げてますよー!
いやぁ、映画の日だったのに。残念。
最強の男と最悪の女の組み合わせ
ナポレオンというコルシカの田舎者、家族愛が強い、睡眠時間が三時間というのが子供の頃に読んだ伝記で知ったけど、ハンサムではなく小太り、ずんぐりむっくりというのは年を取ってからのイメージなのかなと思ってしまったわ。
美人の奥さんを溺愛しているけど、結婚当初は報われないというのは彼女が年上で未亡人、恋愛に関して自由主義というか、奔放なところもあったから、そういうところではナポレオンとはちょっと相容れないところがあったのかなあと思ったわ。
戦うことに関しては最強の男、でも妻の前ではただの男というのが、映画ではひしひしと感じられたわ。
映画の出だしからアントワネットの処刑、微動だにしない表情がない表情は自分の運命を知っているみたいで、しかし、処刑台に上がる彼女の姿とは反対に熱狂する市民。
音楽が明るいというか、コメディ映画のようで、市民にとって、ギロチン処刑はあ鬱憤ばらしの祭りなんだなあと思ってしまったました。
ナポレオンは見た目、決して女性にモテるタイプで見えないけどジョゼフィーヌ、実在の彼女は陽気な未亡人と皆から人気があったみたいで、そういうところが彼の琴線に触れたのか。
戦いに行っても彼女から手紙が来ないことをすごく心配しているし、浮気されても離れないのは愛もだけど執着もあるのではないだろうか。
晩年というか、結婚後になって彼女もナポレオンのことを好きになったみたいだけど、そこは愛だけではないものも色々とあったと思うのだ。
彼女には子供もいたし、浪費家で贅沢が根っから身についているし、反対にナポレオンは若い愛人との間に子供を持っても本妻を捨てきれない。
それは愛ですとは簡単には言い切れないものが腹の中に渦巻いていたのではと思うのだ。
一人の男の人生が、この映画では描かれているけど、終わってみるとあっさりというか、軍神と呼ばれた男の人生が幸福だったのか、そうでなかったのかわからない。
戦いばかりで虚しくなかっただうろか。
家族愛が強いみたいでマザコンかなと思うようなところもあったり、そのせいで妻と自分の親戚の関係は良くなかったみたいだし。
栄誉と金はあった、戦うことに関しての才能もあった。
映画が終わった後、ナポレオンという男の姿が自分の中には残らなかったのが、不思議だった。
内容も戦って勝利して、でも最後には負けて何が残ったのか。
フランスも軍隊も妻も皆、彼を残してすり抜けていく。
市民、軍人の喝采も拍手も、過去のもの。
コルシカの若者が成り上がっていくというシーンから観ていれば、違った感情も抱いたかもしれないけど、出だしから相応の歳の男が勝っていく姿を見たので、人生はそんなにうまくいくのか。
疑問を抱くというより、感じてしまったわ。
名前負け
別映画で予告を見て、リドリー•スコット監督なのでアカンと思いつつも…ナポレオンってやっぱ
心揺さぶるんですよ。
昔は好きだったんです。リドリー•スコット
でも、やっぱりという感じ
うーん、ナポレオンをそれとなしに知ってる人なら映画館で観ないでいいし、
ナポレオンや歴史が好きな人には何か違う…という違和感だったり物足りなさ。
脚色するなら脚色する、史実に忠実にするなら徹底するとか、やっぱ素材が有名なだけにバランスは難しいとは思うが
中途半端オブ中途半端。
他の方のレビュー見て、あー英語!
そりゃ違うよなフランス語で日本語字幕とか吹き替えだよな、と。今気づいた。
まぁ、よくあるアレです。
表題の人物(など)とかの史実に近いものでなく、
表題の人物(など)をモチーフに恋愛ドラマとか別要素を乗っけてくるやつあるじゃないですか
タイタニックとか 笑
有名監督が有名素材つかえばソコソコには話題になるだろう的な浅はかな興行映画
あーゆうやつですね。
だんだんナポレオンらしくなるホアキンとド迫力の戦場シーンが見どころ
158分と尺は長めだが、ナポレオンの初期の活躍から彼の死まで網羅するとあって、物語はさくさく進む。
序盤の20代半ばのナポレオンを49歳のホアキン・フェニックスが演じるのを見て、NHK大河ドラマ序盤の若作り主人公を見るような気分になった。トゥーロンの戦いで見せた、どこか怯えるようなぎこちなさで若さを表現していることは伝わってきた。
戦の経験を積み歳を重ねるにつれ、徐々にホアキンがナポレオンに馴染んでくる。
全体的にはどちらかというと、ナポレオンの歴史上の功罪よりも彼とジョゼフィーヌの関係が物語の軸になっている。
シャギーなショートとしどけないドレス姿で登場するバネッサ・カービーが印象的だ。ナポレオンを自宅に呼び寄せ、ドレスの裾をたくし上げて誘惑するシーンには彼女の野心や蠱惑的な魅力を感じる。ナポレオンと再婚してすぐ若い男と浮気をするなど、よくも悪くも自由な女性だ。バネッサにこういう女性像はハマり役。
しかしそんな彼女も、子供が出来ない体と分かると離婚に応じざるを得なかった。皇帝となったナポレオンとの婚姻によって社会から課された世継ぎを産むという義務が、もはやふたりの間の愛情より優先されるべきものになっていた。
ナポレオンが、マリ・ルイーズとの間に生まれた子をジョゼフィーヌに見せる場面はとても残酷だ。理不尽な離縁に耐え、自分には産めないナポレオンの子供を見せられて心に傷を負った彼女からは、若い頃の奔放さはすっかり失われていた。フィクションなら彼女のようなキャラクターには終盤まで活発に行動する姿勢を貫いてもらったほうが面白いが、史実なので仕方ない。
一方のナポレオン。戦場で指揮をする姿は経験を積むにつれ威厳を増してゆくが、プライベートでの喜怒哀楽はいつまでも人間臭い。
筆まめな彼は生涯で75,000通もの手紙を書いたといい、そのほとんどがジョゼフィーヌ宛てだったそうだ。
(映画では最後にその手紙が盗まれているが、現在そのうち3通が現存しており、うち1通が2007年にクリスティーズで27万6千ポンド(当時のレートで約6800万円)で落札されている)
浮気を責め離婚を伝える手紙がイギリス軍に見つかってメディアに晒されたりと、ジョゼフィーヌに執着して恥ずかしい展開になったりするところ、共依存っぽくもある彼女との関係などは名指揮官、皇帝という立場からくる威厳あるイメージとはほど遠く、その一面だけ見ると自分の周りにもいそうなある種の身近さを感じる。
そんなナポレオンのプライベート描写以上のインパクトがあったのは、戦闘の描写だ。VFXも使っているとはいえ、どうやって撮ったんだ?と思ってしまう圧巻のシーンが目白押し。
序盤、マリー・アントワネットのギロチンシーンや大砲を撃ち込まれて血まみれになる群衆の様子など、先日公開された「首」を連想させるエグめの描写が散りばめられる。軍隊の戦闘も大勢の兵士が入り乱れる中、よく見ると出血や死体の描写までなかなか細かい。
パンフレットによると、大勢の歩兵を演じる俳優たちには軍事アドバイザーがナポレオン時代の歩兵や砲手としての訓練を施したそうだ。アウステルリッツの戦いのシーンでは、200〜300エーカー(東京ドーム17〜26個分)の野原を掘って広大な凍結湖をいちから作ったという。CG全盛時代にそこまでするとはすごい。
また、騎馬隊などお馬さんの活躍が素晴らしい本作。極力本物の馬を使っているそうだが、生身の馬では難しいシーンは「機械の馬」を使っている。
ナポレオンの騎乗する馬が大砲で撃たれる衝撃的なシーンは機械の馬、VFX、特殊効果などのハイブリッドで作り出された。氷結湖に沈む馬も機械の馬だそうだ。ご安心ください。
史実の描写がハイテンポで進む中、クライマックスのワーテルローの戦いは戦略面も含めて戦いの様子がじっくりと描かれ、歴史に詳しくなくても見応えがある。
騎馬隊が一斉に大地を駆ける時のこちらの胸まで震わせる地鳴り、2頭の馬を駆って敵陣の様子を知らせる斥候兵、隙間なく隊列を組んで前進し、方形に陣を組んでナポレオン軍を手こずらせるイギリス軍歩兵。このシーンだけでも映画館で観た甲斐を十二分に感じる贅沢な場面だった。
観終わって振り返ると、物語自体は駆け足で史実を追ったなあという後味しか残らないので、映像のスケールの割に若干物足りなさはある。
年齢的に無理目のルックスからだんだんナポレオンらしくなるホアキンと、騎馬たっぷりのド迫力戦闘シーンを楽しむ映画だろう。
余談
本作のように、非英語圏が舞台の物語を英語の台詞で描く映画は山ほどあるが、個人的にはあまり気にしないことにしている。アメリカは字幕が好まれない傾向にあり、それには移民が多いことに起因する観客の識字率の問題などの背景があるのだろう。
アメリカの観客を念頭に置いて、主に非フランス人俳優を使う(タハール・ラヒムはフランス人だが)映画を撮るのに、わざわざフランス語で喋らせて好まれない字幕を付ける、というこだわりへの需要は、アメリカでは少ないということだと推測する。
見応えある歴史劇。みる価値あります
スタンリーキューブリックが映画化を試みたが実現しなかったナポレオンを大御所リドリースコットが見事に映像化してくれました。
それも戦略家で野心家だけの偉人伝ではなく妻に苦しめられ苦悩する夫と権力闘争に執念を燃やす人間味がある将軍ナポレオンをホアキン・フェニックスが魅力的に演じています。
18世紀末のフランスの宮殿や街の再現度も戦争のスケール感もあり超大作の歴史劇になってます。
特に絵画で有名な戴冠式のシーンは重厚で素晴らしかったです。
お金を払って見る十分価値のある作品です。IMAXの大画面でぜひご覧ください
もちろん重厚な歴史大作だが、ナポレオンとジョジェフィーヌの関係を掘り下げたドラマでもある一作
ここまでナポレオン(ホアキン・フェニックス)とジョゼフィーヌ(バネッサ・カービー)に焦点を当てたドラマだとは、ちょっと予想外な作品でした。
もちろんリドリー・スコット監督なので、空撮も駆使した戦場の描写は迫力の一言。しかしある程度の長さのある上映時間の割には、戦闘はハイライトを抜き出したかのようで、意外にあっさりと場面転換を繰り返します。フランス皇帝にまで登り詰めるまでの過程すらも、少し拍子抜けするほどです。
スペクタクルシーンや史実描写のあっさり感には、もちろん、スコット監督の疾走感溢れる演出と編集が大きく貢献していることも間違いないですが、作品の主軸をナポレオンとその妻、ジョゼフィーヌの関係描写に置いていることがむしろ主因でしょう。天才的な戦術眼と卓越した政治的影響力を持っているにも関わらず、精神的にどこか破綻していて、ジョゼフィーヌに精神的に依存しているというナポレオン像は、ホアキン・フェニックスだからこそ強い説得力を持っています。
本作ではナポレオンの精神状態についての描写と、彼の軍歴をかなり密接に結びつけるという、スコット流の歴史描写も楽しめます。ナポレオンがジョゼフィーヌを溺愛していて、戦場からも毎日のように手紙を送っていた逸話は有名ですが、エジプト遠征もエルバ島からの帰還も、全部ジョゼフィーヌのため、という大胆さ。
もちろんスコット監督なので映像面でも隙はないのですが、本作は特に、窓から差し込む光やろうそくの灯りだけで描く室内描写が、『バリー・リンドン』(1975)を彷彿とさせる美しさです。
主人公二人に焦点を当てたドラマ構成になっているため、歴史上有名なフランス軍の将軍も本作ではほぼ書き割り扱い!本作が大胆に省略した、将軍たちの人となりと奮戦ぶりについては、『ワーテルロー』(1970)で詳細に描写しています。また絶対当時の兵士にはなりたくない!と思わせてくれる、小銃の隊列に自殺的に突撃していく兵士の戦い方もまた、『バリー・リンドン』が容赦なく描いています。本作を起点として、ナポレオンやヨーロッパ近代に関する、様々な過去作を観返すのも面白そうです。
英国人視点?
フランス
西ヨーロッパ最大の共和制国家
16世紀に成立したブルボン朝で
絶対王政は隆盛を極め近代にまで
続く植民地保有国家となったが
圧政に18世紀には啓蒙思想の普及から
フランス革命が起こり民主化へ
世界でも最初に「自由平等・国民主権」
といった民主主義政治を初めそれに
まつわる様々な問題を経験しながら
現代まで続いている国家である
フランス国歌はフランス革命の
キャンペーンソングなので
「やつらの不浄な血で大地を染め上げよ」
など国歌とは思えない過激な歌詞
なのである
今作はそんな民主化された
フランス創世記に皇帝の座に就いた
ナポレオン・ボナパルトの
生涯を巨匠リドリー・スコットが描いた
果たしてどうだったったか
ナポレオンは
フランス革命後の混乱に陥った
フランスの領土を周辺国家が
みんな狙ってる中で
軍師としての類まれなる才能で
バンバン勝って見せ
英雄のカリスマを確立した人
というイメージがありましたが
同時に恐ろしく冷徹な判断も
下せる人だったという部分も
ホアキン・フェニックスの
怪演とともに浮き彫りにした感じ
そして最初の妻ジョゼフィーヌ
への愛に飢えた男・・
なんですが160分近い尺にも
関わらず
戦って・妻に会って・戦って
の繰り返しに思ったほど
カタルシスを感じませんでした
あたかもナポレオンが戦いにしか
能がないかのような描き方に
首をかしげる部分もあります
司馬遼太郎が
軍神とまで言われた
乃木希典を「坂の上の雲」で
さんざディスったのを思い出して
しまいます
ナポレオンは確かに
戦いばっかしてロシア遠征の
大失敗とワーテルローの敗戦で
終わった人みたいに歴史では
残ってますが実は内政も優れた
人でフランス国内の産業保護
何よりナポレオン法典は
信教の自由や平等を保証
しておりその後の世界中の
民主主義国家の憲法などに
多大な影響を与えたと
言われています
全然戦争バカではなかったのです
その戦争に関しても
騎兵・歩兵・砲兵の役割分担や
ビン詰めの保存食の発明など
戦地における食料や物資の
流通「兵站」という概念を
変えたと言われています
普通に有能な人です
でもこの映画はそうした
部分はほぼ描かれません
英国人視点なんですかね
85歳の「サー」
リドリー・スコット
の作る映像的な迫力は凄まじく
序盤のナポレオンの馬が
砲丸に撃ち抜かれるシーンは
思わずうおっと
声が出てしまうほどだし
王党派の市民に平然と
大砲を放ちバラバラに
なっていく人間たちの
シーンは絶句します
(ブドウ弾という殺傷力を
高めた散弾を使ったらしいです)
そうした英雄か悪魔か
という部分に関しては
ホアキン・フェニックスの
不穏な緊張感は良かったです
案外アクション映画でよく見る
ヴァネッサ・カービーも
相変わらず美しい
ヘレン・ミレンみたいになって
いくんでしょうねぇ
160分あったけどトイレに行きたい
とは思うことはなかっただけの
映像ではありました
観終わって出てきてから
結局?うーん?という
感じでしょうか
最近北野武監督の「首」も
観たせいで
冒頭のギロチンにかけられた
マリー・アントワネットの
首が掲げられるところでは
またかいと思ってしまいましたが
この2本はテーマ的にも
セットで観てもいいかも
しれませんね(笑)
ナポレオン
君たちはどう生きるか の本で
戦いにやぶれ、ヨーロッパのどこにも身の置きどころがなく、いま長年の宿敵の手に捕えられて、その本国につれて来られていながら、ナポレオンは、みじめな意気沮喪した姿をさらしはしなかったのだ。とらわれの身となっても王者の誇りを失わず、自分の招いた運命を、男らしく引き受けてしっかりと立っていたのだ。
そして、その気魄が、数万の人々の心を打って、自然と頭を下げさせたのだ。
何という強い人格だろう。
というのを読んで、ナポレオンにとても魅力を感じました。
映画館で初めてナポレオンのポスターを見たときに
一瞬で惹き込まれ、ホアキンフェニックス×ナポレオンってだけでもう...
正直、歴史のことをあまり分かっていないので
ちゃんと知った上でもう一度観たいのですが、
それでも戦いのシーンの迫力...
なんというか...何万の兵と言われてもピンときませんが
1人1人1人が集まった何万もの兵 という画の迫力がもの凄く、
そこにナポレオンの冷酷さ、威圧感、時に情け無いような人間っぽさが相まって、わたしは一瞬もだれることが無かったです。
何よりもあれだけの兵がいてもホアキンフェニックス演じるナポレオンは一瞬でどれか分かる、
これがオーラなんだなとしみじみ思っていました。
転落したときこそ、潔く受け入れ堂々と振る舞う精神力(映画でも“わたしは負けを認める”と言っていたような...)
ああ...凄いなあ。
個人的に 首 と立て続けに観たので
戦いに生きた歴史に触れたとても有意義な1日になりました。
秀吉物との比較で観るナポレオン
ホアキン・フェニックス主演のナポレオンということで、大変楽しみにしていた本作。公開当日に観に行きました。
成り上がって天下人となったという意味で豊臣秀吉と並び称することが出来るナポレオンですが、北野武監督で秀吉を主役にした「首」がほぼ同時公開となっているのは、必然なのか偶然なのか。若干牽強付会気味ではありますが、両作品、ナポレオンと秀吉を比較しつつ感想を述べたいと思います。
日本人にとって秀吉の物語は、大河ドラマや映画などで何度も繰り返し観ている題材であり、どの俳優が、どのような秀吉像を表現するのかが大きな楽しみのひとつです。いろんな秀吉物を観ているせいで、次に何が起こるのかということを含めて、史実は概ね把握しているため、どこにスポットを当て、どのように描くかがそのドラマの評価に直結しています。
一方ナポレオンの場合、名前を知らない人はいないでしょうけど、かと言って秀吉の業績を知っているほど、ナポレオンが何をしたのかを把握している人は、日本では少数派じゃないかと思われます。少なくとも私はそんなに詳しく知らなかったクチですが、本作を観た後にざっとナポレオンの業績を調べてみると、(当たり前ですが)史実に添って創られたものであることは間違いのないところでした。ただナポレオンの描き方としては、どちらかと言うと「英雄」としての扱いではなく、小心で小柄の普通の男が、時流に乗って出世してしまったという感じに描かれていました。
特に、妻であったジョゼフィーヌとの関係性にスポットを当てており、ジョゼフィーヌをして「私がいなければ何も出来ない人」と言われるナポレオンに、哀れさを感じこそすれカッコ良さとかカリスマ性は全く感じませんでした。チラシには「英雄か、悪魔か」というキャプションがデカデカと踊っている訳ですが、良い意味での英雄的な部分も感じなかったばかりか、「首」で見せた秀吉の非情な部分も殆どありませんでした。唯一ヴァンデミエールの反乱を鎮圧する際に、王党派の市民に向けて市街地で大砲をぶっ放した場面は、まるで天安門事件だなと思いましたけど、この事件にもサッと触れた程度で、悪魔性が強調されていた訳ではありませんでした。むしろ、子供が出来ないジョゼフィーヌに三下り半を渡した後ですら、彼女との文通や交流を心の拠り所にしている人物として描かれていたのは意外でした。そう言えば秀吉の正妻のおねも子供が出来ず、それが秀吉の死後の豊臣政権の崩壊に繋がった訳ですが、世継ぎ問題というのは洋の東西を問わず権力者の悩みの種であったのは間違いのないところのようです。
いずれにしても、ナポレオンの実像が何処にあるのかを判別するのは中々難しいですが、本格的なナポレオンのドラマを初めて観た者としては、良し悪しは別としてナポレオンのデカさが実感できず、ちょっと残念でした。秀吉物にしても、正妻であるおねを心の拠り所としていた物語は数多あるのは同様ですが、あちこちで別の女に手を出す好色な秀吉像が同時に描かれることが多く、おねへの依存が秀吉の弱点であるような描き方をした作品は記憶にありません。
良し悪しに関わらずデカい人物であることが前提であるからこそ成り立つこともあると思うのですが、本作ではロシア遠征の失敗後、エルバ島に追放されたものの、捲土重来を期して本土に戻った際に、ナポレオン軍鎮圧のために向かってきたフランス正規軍を前に演説し、自分の配下にしてしまうシーンがありました。このシーンなど、それまで英雄的な描き方がされていないため、全く説得力がないものになってしまっていたように感じられました。
まあ別の角度から考えると、本作は、ナポレオン物が初見の者が観るには、ちょっとハードルが高い作品だったのかも知れません。
最後に良かった点を挙げるとすれば、合戦のシーンはスケールが大きく、壮大で素晴らしかったです。士官学校の砲兵科で学んだナポレオンが、大砲を用いてする用兵にはリアリティがあったし、自ら馬に乗って突撃していくシーンは、本作でナポレオンが唯一カッコいいと思える姿でした。
そんな訳で、こちらの知識レベル、経験レベルの問題は棚に上げて、本作の評価は★3とします。
ナポレオン役はもっと若い俳優がいい
18世紀末、マリーアントワネットのギロチンなど革命の興奮と混乱のフランスで、軍人ナポレオンはトゥーロン港でのイギリス・スペイン艦隊を撃破するなどの活躍をし、軍の総司令官に任命された。夫を亡くした年上のジョゼフィーヌを好きになり、結婚したが、奔放なジョゼフィーヌは他の男とも関係を持ち、ナポレオンをイライラさせた。一方、ナポレオンはオーストリアやイタリアなど各地で快進撃を続け、統領政府をクーデターで倒し、第一統領に就任、そしてフランス帝国の皇帝になった。皇后となったジョゼフィーヌとの間に世継ぎが出来ず、周囲の勧めで愛人を作り、子供が出来たが、その後、イギリスを始めとする対フランス連合軍に破れ、南大西洋のセントヘレナ島に送られ最期を迎えた、という話。
ナポレオンの名前は当然知っていたが、何をした人かよく知らず、本作は1800年前後のフランスを中心としたヨーロッパ状況について勉強になった。
戦いの場面は多くの人を使っていて迫力あった。
6歳年上の妻ジョゼフィーヌに惚れた経緯はイマイチピンと来なかったけど、バネッサ・カービーの巨乳や色っぽい仕草は魅力的だった。
ナポレオン役はもっと若くて、せめて30代のイケメン俳優を当てて欲しかった。。49歳のジョーカーが演じるのは無理がある。
合わなかった
映像はすごい!予算のすごさが分かる ほえ〜すげ〜とは思うけど物語としては山もオチも特になく というかどこが山でどこがオチなのか理解できなかった
たんたんと進む時間と誰の感情もよく分からない人物描写で私にはレベルが高すぎる映画でしたね、、
見る人の予備知識や人物や歴史等への関心度合いにすごく左右されると思う
見る前にナポレオンの歴史年表くらいは見て行った方が良さそう
ものすごいかすかな頷きで砲撃指示するとこ好きだった
きっとジョセフィーヌとナポレオンは女王様と奴隷の関係
真の天才は人を模倣することなく常にオリジナリティに溢れてる。でも『戦い方の天才』が必ずしも人として優れているとは限らない、それを観続ける映画。
映画の8割くらいはナポレオンがいかに承認欲求の塊で、モラハラ系でマザコン、ストーカー気質が強く、器の小さな男であったかが描かれている感じ。ま、ナポレオンも普通の人間でした、と言ってしまえばそれまでだけど😂
3時間弱をそう感じさせない点では評価できる。でも軍人としての側面よりもジョセフィーヌへの執着にフィチャーされた作品だったので、非常に中途半端な2時間38分に感じられた。そもそもジョセフィーヌへの執着の根幹が母親への愛情を重ねたからなのか、性の相性の良さなのか、何なのか描かれていない。そして初めこそ奔放に情夫との時間を楽しんでいたジョセフィーヌもいつ離婚を泣いて拒むほどナポレオンへの気持ちが変わったのかもよくわからない……。ジョセフィーヌ側のストーリーが加わった4時間半の『完全版(?)』が存在するみたいだし、それを観たらその辺の空白が埋まるのかしら??監督も4.5時間半版の放映を望んでいるみたいだし、いつか観てみたいな〜🍀
映画の日、公開初日、金夜でシアター満席の中、全員でサラサラっと進んでいくフランス革命以後の歴史のおさらいをした気分ww
ナポレオンからの手紙
終始心を奪われた妻に翻弄されるナポレオン、彼女の浮気を知って軍を放り出し遠征先から帰国。妻を責めるも結局はマウントをとられる始末。マザコン的な性格も垣間見える。
まるで盛りがついた犬のように交尾するナポレオン、ミイラとの対面に箱を台にするナポレオン、暴徒に追われて無様に階段を転げ落ちるナポレオン、自分をからかう新聞記事に切れまくるナポレオン、侍女たちにモスクワの焦土作戦は常識だと戒められるナポレオン、等々ここまでフランスの英雄をこき下ろして大丈夫ですか。また戦争起きたりして、起きないか。
ナポレオンの宿敵だったイギリス人のリドリー・スコットがその英雄をこき下ろした作品なのかと思ったが、監督のインタビューからもわかる通りその主題はナポレオンとその妻ジョセフィーヌとの愛憎劇に重きを置いたようだ。
現存するナポレオンの彼女にあてた手紙からも彼の愛情の深さを知ることができる。かたやジョセフィーヌの方はほとんど返事を返さず浮気に夢中。そんな彼女への当てつけでナポレオンも浮気をしまくり婚外子を作りまくる始末。
追っかけるナポレオン、その彼をいなしてはうまく立ち回るジョセフィーヌ。二人の愛憎劇はまるでドロドロした昼ドラのよう。
またさすがリドリースコット監督だけにスペクタクル感満載の戦闘シーンは圧巻。驚いたのは最初のトゥーロンの戦いでナポレオンの乗る馬が大砲の直撃を受けるシーン。今まで戦争映画で馬が血を吹いて倒れるシーンなんて見たことない。これだけの大御所なのにいまだにこんなフレッシュな映像表現が健在とは。
また史実通りデモ行進してる生身の人間に対して大砲を打ち込むなど残虐極まりないシーンや氷上に敵を誘い込んでの大砲一斉攻撃など見どころも盛り沢山。
でもやはりメインは二人の愛の物語、ナポレオンが幽閉されてる間に病でこの世を去ったジョセフィーヌ。彼女を失い失意のまま再度戦場で指揮するもかつての奇跡のような勝利をおさめることも出来ず、最後は流刑先でその生涯を終える。
ジョセフィーヌの言った通りナポレオンは彼女のもとへ旅立ったのだろう。二人が最後に残した言葉には互いの名前があったという。最後まで互いのことを思いこの世を去った二人。
結構歴史的事実が多く盛り込まれていて情報過多なイメージだけど、戦闘シーンと二人の愛情物語を楽しめばいい作品。
スコセッシに続いて、ベテラン監督の大作が観れてうれしい限り。
戦闘が凄かった、面白かった!
歴史ものが本当は苦手。しかも158分!ギョエ。でも1番人気なのでとりあえず鑑賞です。
予定通りスケール大きめ!!壮大作です。
ちょっとストーリーに難しい点もあったが、結構楽しめました。
1番はロシアとの戦い。見応えあり!
ストーリーは戦争ばかりじゃなく、ナポレオンの夫婦・子作り問題などもあって案外飽きずに観られます。
歴史好きなら尚更ウケ良さそうだなって思いました。
ナポレオンの野心と恋愛要素が中途半端
結構な長尺でナポレオンの半生を描いているが、何か物足りない。
ジョセフィーヌとのチグハグな関係は面白味があったし、戦闘シーンの迫力は素晴らしかった。
ただ、恋愛要素を絡めたせいか、ナポレオンの野心のようなものがボヤけたような気がする。
あまりに普通の人として描き過ぎてカリスマ性などはあまり感じなかった。
かっこいいナポレオンが観たい人には不向きかな…
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