ナポレオンのレビュー・感想・評価
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文句なし!切り口が幅広く見事!
文句なし素晴らしい作品だった。
リドリースコット監督は以前観たグラディエーター以来だったが、戦闘シーンはさすが。
ナポレオン役のホアキン・フェニックスの演技も素晴らしい。人間としてのナポレオンを見事に演じた。
ジョセフィーヌ役のヴァネッサ・ガービーの演技も見事。悪女ジョセフィーヌを見事に演技で示した。
ナポレオンは切り口が幅広い。戦闘シーン、ホアキン・フェニックスが演じたナポレオンの視点、ヴァネッサ・ガービーが演じたジョセフィーヌの視点と切り口が幅広い。
リドリースコット監督、ホアキン・フェニックスの底力を改めて感じた作品だった。
また、時間も鑑賞に問題ないし、チラシ、パンフレットもあり配給会社側の観客に観てもらいたい日本側スタッフの熱意も伝わった。
見事な作品だった。2023年ベスト映画ランキングに入れたい作品。
恋のウォータールー
「人生で最も難しいのは他人の失敗を許すことだ。失敗を許すな、成功をたたえろ」
本来ならばもっと早く観たかったが少し出遅れた。いやなに、地面が乾くのを待っていたのさ。さ、さっさと書き上げてしまおう。モタモタしているとプロイセン軍が着いてしまう。
世界史にその名を残すナポレオン・ボナパルト。フランス革命による王政崩壊と共に台頭し、皇帝にまで昇り詰めた男の栄枯盛衰を、彼の妻ジョゼフィーヌとの男女を超えた関係を織り交ぜながら描く一代記。
歴史にはたびたび「取り憑かれた男」が登場する。その神通力たるや凄まじく、たちまち世界を狂乱の渦に巻き込む。だが憑き物がとれた時、世界はとてつもないツケを払わされることになる。
ナポレオンもその一人だ。本来ならばコルシカ島の片田舎でひっそりと一生涯を過ごす名もなき人物だっただろうし、厳密に言えばそもそもフランス人ですらなく、出自を辿ればどちらかというとイタリア寄りの人間であるはずだった。だが、運命の悪戯は彼をたちまち表舞台へと押し上げた。本人ですら「自分はそんなにできた人間ではない」と思っていたに違いない。少なくとも本作序盤、トゥーロンでのナポレオンにはそのような素振りが見えた。そして出会うはずのなかった女性・ジョゼフィーヌを知ることで彼の人生はますます生き急ぐようになっていく。やがて出自のコンプレックスからくる野心はさらに熱を帯び、彼は人間離れした存在となっていった。その意気やよし、一方で彼に対してはジョゼフィーヌですら諫言できなくなってしまっていた。とはいえジョゼフィーヌもジョゼフィーヌで、結婚してしばらくはナポレオンのことを大して思っていなかったようで、別の将校と「きもちくしてくれてありがとう」などとうつつを抜かし、それがフランス国内の新聞にネタにされる始末。お互いがお互いを真に必要だと悟った時には、既に二人の距離は埋めようがなくなっていた。
上映時間は2時間38分だが、これでも駆け足でもっとじっくり観たい。なんなら旧ソ連版「戦争と平和」(1965)よろしく四部作でもいいくらい。
全編通してフランス語で観たかったという点と、皇帝自ら戦場でチャンバラをやっている描写はさすがに漫画チックでツッコみたくなったが、一人間としてのナポレオン・ボナパルトをホアキン・フェニックスが悲哀たっぷりに演じており概ね満足した。特にワーテルローの戦いのナポレオンの姿は素晴らしい。ジョゼフィーヌとの距離が離れていくにつれ、神通力にも翳りが見え始めるナポレオン。だが遠くなって初めてジョゼフィーヌの真に知ることができたその姿には、敗北ですら勝利の味がしたような恍惚さえ感じた。これが運命なのだ、年貢の納め時だとさえ言いたそうな表情がたまらなく哀しくそして美しい。
ところで皇帝陛下、あなたと気が合いそうな人が1名そちらの世界にいるような気がするのです。木下という男なのですが、こう呼びかけてみてください。
「つゆとおち つゆときえにし わがみかな なにはのことも ゆめのまたゆめ」
必ずや陛下のお気に召しましょう。
ここから約200年後、世界に再び「取り憑かれた男」が登場した。画家崩れのその男は瞬く間に頂点に昇り詰め、そして欧州どころか世界をも地獄に突き落とした。スウェーデンの歌謡曲にこんな一節がある;
「本棚の歴史書は語る。"歴史は繰り返す"」
ホアキン・フェニックス
朝、8:15の上映から行って来ました。
自転車で1時間前に出発。
寒いので、5枚着こんだら、暑くなり
朝から少し良い汗かきました。
20人程の入り。面白い事に真ん中列が
下から上まで埋まっている感じでした。
今回、鑑賞する理由が
大好きなグランツーリスモのヤン君が
次に何に出るのか、チェックしていたところ、
サルトバーンとボーはおそれている
でした。
サルトバーンは映画COMのチェックインが1番目でした👍
ボーはおそれているに、ホアキン・フェニックスが主演でふーんというぐらいでした。
つい最近、たまたまグラディエーターを観まして、これもホアキン・フェニックスだったので、ちょっとホアキン・フェニックスに興味が出て、ナポレオンを観た次第です。
感想としては、点数は少し辛めです。
ベルバラ世代なので、池田理代子先生のナポレオンを読んだぐらいの知識しかないです。
歴史背景がわかった方が理解できると思います。
私は、いまいちわからないので、
敵になったり、今度は味方❓️ちょっと難しかったです。
ただ、映像と音は素晴らしかったです。
血がちょっとでしたが。
最後、エンドロール中に帰る人が1人だったのもびっくりでした。
いつも心にジョゼフィーヌ。
1769年8月15日~1821年5月5日(51歳)を生きた新解釈のナポレオン・ボナパルトの話。
ある人の集まる食事会の時、夫を亡くしてるジョゼフィーヌと出会い、恋に落ち結婚したナポレオン・ボナパルトのストーリー。
歴史上人物にもナポレオンさんにも一切関心はないけど楽しめた!
戦争のやり合いの部分はスルーするけど、結婚したジョゼフィーヌがリアルは分からないけど作品上はナポレオンにとっては大きな存在ってのはよく分かった。
フランス帝国の皇帝まで上り詰め、政治、軍人のトップに立ち、男達の前では気を張り続けるなか、ジョゼフィーヌといる時だけは気を抜けて自分を出せる唯一の存在だったのかなと思いました。
氷上に大砲撃ち込むシーンは印象的!
上映時間は約160分位だったけど時間は感じず面白かったです。
焦点の定まらないストーリー
等身大のナポレオン
敵が居てこその英雄
かつてキューブリック監督が作ろうとしたことを今年の始めくらいに知り、どんな作品になったのだろうな〜
とぼんやりと思っていたらこの作品のことを知りました
もしもキューブリック監督のことを知らなければそれほど興味は湧かなかったと思います
彼は「英雄」として有名です、しかし戦争には勝ちも負けも無い
どちらが多く死んだかとかも関係ない、
防弾効果の殆どない装備で隊列を組んで敵へ進む様は勝利への行軍というよりも死の行軍に見えてなりません
今のようにロケット弾やミサイル無人ドローンなどを使った攻撃と生身の体を盾にして進むこの差は何なのだろう
誰のために兵士は盾になり何のために何十万もの『命』を落とさなければならないのか
ナポレオンと名もなき兵士達と何が違うのか
彼が愛したジョセフィーヌのような人が他の兵士にだって居ただろうに
そんなことを思いながら見ていたら胸が苦しくなってきたのでありました
◇ナポレオンは3時間しか眠らない
歴史上の人物を巨匠リドリー・スコット監督が名優ホアキン・フェニックスと組んで描き上げます。観る前からの期待値が高過ぎて、返って心配でもありましたが、スケールの大きさも細部の緻密さも起伏に富んだ物語性も全てにおいて完成度の高い作品でした。
物語はマリーアントワネットの断頭場面から始まります。処刑現場の観衆に掲げられる首、民衆の不満を鎮めるための恐ろしいショーです。そんなフランス革命後の混乱時に彗星の如く登場したのがナポレオンです。
1804-1814 第一帝政は、ヨーロッパ大陸をナポレオンの軍事力でフランスが牛耳った稀な時代です。私にとってのフランスという国のイメージは、斜に構えた頭でっかちな国民性です。洗練されていることが一義的で泥臭いことを嫌うような姿勢。
一方で、戦術家ナポレオンの姿は、あまりにも愚直で幼ささえ感じます。軍事力はあっても政治力に劣るような弱さ。それは女性の愛し方にも現れているようで、彼が女性に求めているのは母性のみのように感じました。戦いに疲れた自分を慰めてくれる母性と自分の子孫を残してくれる母性。彼の性格は単調過ぎる性行場面に、象徴的に表現されています。
ナポレオンの単純さを引き立てるのがジョセフィーヌです。前半は浮気妻として、後半は究極の母性🤱として、強かに生きる女性。永遠の少年ナポレオンの勝運を支えているように描かれています。
ナポレオンは3時間しか眠らなかったという逸話があります。ショートスリーパーには過大なストレスが伴うものとするならば、軍師としてのストレス以上にジョセフィーヌへの愛情の複雑さが彼の精神にさざなみを立てていたのかもしれません。壮大な歴史絵巻の裏側に、ロマンを追い求め続ける「男の単純さ」という普遍的なテーマが垣間見える物語でした。
映画館で観ればこそ
孤独な英雄
ある程度ナポレオンの経歴を知った上で鑑賞したこともあり、約2時間40分という長丁場も、知識の再確認といった感じで意外に短く感じられた。ただ、波乱万丈の人生を圧縮して見せたことでダイジェスト風な作りになってしまった感は否めない。戦いに明け暮れたナポレオンの足跡を辿る構成は戦史劇として上手くまとまっているが、若干駆け足気味という印象も持った。
サイレント時代に作られたアベル・ガンス監督の「ナポレオン」という作品がある。こちらは全12時間に及ぶ超大作だが、現在ソフト等で観られるのはそのうちの1/3、約4時間のみで自分はそちらを鑑賞したことがある。その中ではナポレオンの人生の半分も語られておらず、おそらく彼の人生をじっくりと描くのであれば、この尺でも全然足りないのだろう。
そんな本作であるが、ドラマ的な面白さを支えているのはジョゼフィーヌとの愛憎劇である。二人の出会いから別れ、その後の複雑な関係が丁寧に描かれていて面白く観れた。ナポレオンは戦地に赴くことが多く、その間は手紙でのやり取りになるのだが、これが二人の胸中を上手く表現していた。
そして、ナポレオンというと泰然自若なイメージがあるのだが、本作ではそのイメージとかけ離れた表情をジョゼフィーヌに対して見せる。ある時は我儘な子供のように、ある時は怯えた子羊のように。自分の中でのナポレオン像が見事に刷新された。
ホアキン・フェニックスの演技も味わい深い。やはりジョゼフィーヌとの絡みが一番面白く観れるのだが、良くも悪くも人間味溢れるナポレオン像が確立されていて良かったと思う。
監督は齢80を超えてなお精力的に活動し続ける巨匠リドリー・スコット。安定した演出は流石で、一つ一つの画が美麗、風格に溢れていて文句のつけようがない。また、ヴェルサイユ宮殿などのロケーションも世界観に厚みをもたらしていた。
迫力ある戦場シーンも見応えがあった。特に、アウステルリッツの戦い、ワーテルローの戦いは、そのスケール感に圧倒される。VFXの効果的な使い方に一日の長があるスコット監督だけに、このあたりも抜かりはない。
ナポレオンとジョゼフィーヌの話
ナポレオンも人間❗️の愛憎劇 最新の歴史スペクタクル❗️ただ歴史的叙事詩的な部分と 愛憎劇のバランスに悩む長時間作品。
ナポレオン・ボナパルト IMAX鑑賞は正解✅でした。是非迫力の画面音声で・・
1769〜1821 コルシカ島に生まれ、【コルシカの描写はありません】エルバ島に流されて、最後はアフリカのセントヘレナ島でお陀仏
1789フランス🇫🇷革命 ルイ16世 マリーアントワネット→ギロチン
皇帝として1804〜1814 1815の100日天下
アウステルリッツの3帝会戦→凱旋門 復活後ワーテルローでトドメ刺される
イギリス🇬🇧産業革命が苦手🆚重農主義 陸のフランスは海に弱い だけにとどまらず
ロシアのある意味焦土作戦にも弱く
ヒトラー同様 ロシアの冬将軍の恐ろしさ に自覚なしが致命傷に あとエジプト🇪🇬遠征は無理がありすぎ
おそらく、写真のない時代で 新聞があって確実に史実で追える最初の英雄
【ただ、ホロコースト除けばヒトラーとなんら違いがない気もする】
ただコレだけで述べることもできるけど 実際は膨大な情報があるヨーロッパ支配の英雄を 絵で観せる魅せる スペクタクル
見せ場は
①各 戦闘というか会戦というか 壮大な合戦劇スペクタクル
②6歳歳上で2人の連れ子ありのジョセフィーヌとの愛憎劇 無情
であり ダントンとか ロベスピエール【大学受験で世界史🌍回避 日本史 地理のためテキトーで間違ってたらごめんなさい】
政治的な動き 権力掌握 成り上がり の過程は短縮、駆け足。
①②のバランスがイイのか悪いのか よくわからないけど
やっぱり 英雄の人生 一生駆け足は厳しい 大河ドラマ的な連続ドラマの方が良いなぁ
正直言って
戦闘の描写も ジョセフィーヌとの愛憎劇最後は無情もイイけど
大物ホアキン・フェニックス 期待の新星女優 ヴァネッサ・カービーも大健闘
だけど 詰め込み感がデカくて 最後息切れ😮💨したよ。長い長い
あと、戦闘は 実写➕最新の映像技術 で素晴らしいけど
最初のあたりの 馬が🐴ヤられる 特殊効果が安っぽかった
コルシカ島出身の成り上がり田舎者の男には 洗練された上官の妻は 征服欲を満たすに十分だったのだろう
しかし最後は無情だな。
衣装代島人件費は莫大だろなぁ という贅沢な活劇
イギリス🇬🇧で多くを撮影との有料パンフ
ホアキンさん除き 俳優、制作陣は 大半をイギリスフランスが占める
フランス🇫🇷なのに わかりやすい英語【英検2級程度あれば 字幕と併せて相乗効果あり】の半分アメリカ🇺🇸映画
あっ、ちなみに 有料パンフに 歴史的勉強的な記述は少なく 映画制作の背景、熱気&ナポレオンの人間性
という独自パンフでしたので 興味のある方はどうぞ
当時の描写、絵的に面白い作品でしたが
チト駆け足で バランスイマイチ で疲れた😮💨
この掲示板にレビューを掲載されるような 連チャンで映画作品ハシゴの方には おススメできません。
本作1作で1日終わりが正解✅
最後 予定時間から逆算して エンドロールが長すぎで、残り5分で退出
なんか シーン🎬あったの、イヤないでしょ【東進 林先生風】❗️❓
ナポレオンも普通のおっさんである。 女に溺れ独占欲強くてわがままで...
映像や雰囲気は抜群に良い
多少は歴史を知らないと比較的わけわけめになるかもしれません、
私も浅学なので…史実を元にした映画ではありますが今作はジョゼフィーヌとの
話をピックアップした感じになっており史実では負けたり勝ったりナポレオン法典
等々実は内政も色々してたりしてるけど今作では書かれていないので映画のみの話で…
(息子さんは若くして病気で死んじゃうんですね史実もイケメンっぽいのに…)
戦に関して才能もカリスマもあるが内面も語られない為に晩年まで想ってた
ジョゼフィーヌと戦争以外の為政者としてのビジョンも無くモチベも崩壊して行く
男の話、人は一体何処から英雄では無くなるのか…
映像は抜群に良くて雰囲気は凄いですね氷水に落下する辺りは寒ささえ感じます
流石リドニースコット86歳ですがまだまだ頑張って欲しいものですね。
そしてつくづくキューブリック版も観てみたかったなぁと思いました
巨匠がどんなアプローチをしたのか気になりますよねぇ…
分厚いだけのナポレオン伝記本
出来具合に波のあるリドリー・スコット監督の歴史大作でナポレオンが題材ときたら期待半分不安半分だけど、結果としてはスペクタル画面以外はなんとも大味な作品でした。ナポレオンとジョゼフィーヌとの関係にポイントを置いてるのが新しい試みみたいだけど、子宝に恵まれない中年夫婦のドラマがダラダラ続くんで盛り上がりに欠けます。歴史物が得意なリドリーだけに、戴冠式での衣装やセットは豪華絢爛だし、戦争シーンも大迫力で色調を落とした硬質な画面もリアルです。ただ、映画の中であまり当時のヨーロッパの政治情勢などの説明がないので、戦争の背景も分かりにくいのが残念。役者では、ホアキン・フェニックスが感情を抑えたナポレオン役を好演、バネッサ・カービーも力強い瞳が印象的でした。
え?この既視感、レジェンド&バタフライ⁉️
ナポレオン。もちろん名前は知ってますが、予備的な知識はまるでなかったので、にわか勉強しました。
1789年 全国三部会から憲法制定国民議会(国王政府が承認)、バスティーユ襲撃、人権宣言
1793年 ルイ16世、マリー・アントワネット処刑、
ロベスピエールによる恐怖政治(この時のテロル=恐怖がテロリズムの語源)、ナポレオンによるトゥーロン奪回(ここから歴史の表舞台に‼️)
1796〜97年 イタリア遠征勝利
1798年 エジプト遠征(東地中海を押さえることでイギリスのインド経済との繋がりを断とうとした)
1801年 フランスに帰国、シェイエスが企画したクーデターに乗じて政府中央へ
1804年 国民投票の形で皇帝即位(古代ローマの共和制に倣うことで体制を正当化)
→これらの背景には、20世紀末まで存続した義務兵役法がある(祖国防衛のために20歳から5年間、独身男性または子どものいない寡夫の約3割を毎年徴兵)、また、銃砲の口径を統一して弾薬の準備を簡素化したり、兵站の合理化も進めた
1812年 ロシア侵攻するも冬将軍により撤退(この時、ロシア軍がナポレオンの入った町に火を放って食糧の現地調達をできなくした)
1814年 ナポレオン退位、ルイ18世による立憲王政
1815年 エルバ島脱出、ワーテルローの戦い
1821年 流刑地のセント・ヘレナで死亡
というわけで、私には勝手な思い込みと期待がありました。
どうやって時代の流れに上手く乗じ、どうやって軍制の整備を進めたのか、その駆け引きや部下たちへの説得力という人間力はどう発揮されたのか。
あと、ロゼッタストーンの発見はどのように成されたのか(このあたり、少し眠気に襲われていて見落としたかも😅)。
そういったものがワクワクするように描かれることを。
一応、それなりに描かれてはいたけれど、物語の中心は奥さまとの奇妙で強烈な愛憎関係でした。
個人的にはちょっとガッカリでした。
でも、戦場のスケールと迫力、臨場感に関しては、まったく文句はありません。
ナポレオンとジョセフィーヌの愛憎ラブストーリー
久々の超大作映画です。圧巻の人物・物量を惜しげもなく投入、爛熟たる歴史絵巻が正に動く様相に驚愕です。御年85歳とは信じがたいエネルギッシュ、もういい加減アカデミー監督賞を授かって当然のリドリー・スコット監督。彼の主義でとんでもない人員数のエキストラを起用した広大な合戦シーン、そして冒頭から首が跳ね飛ばされる様はまさに公開の重なった北野武の「首」と重なる。無論遠景などにSFXを多用しているでしょうが、リアルに痛い戦闘シーンの再現に心血注ぐのはどちらも共通してますね。無論、こちらの方がケタが違いますが。流石のアップル・コンピーターの潤沢な資金があってこそ。
誰もが知る歴史の偉人、しかし日本人にとって仔細までは学習してなく、でもフランス国民にとっては現在も圧倒的な英雄であり、関連するEU諸国にとっても、僅か200年前の事実である。と言う事は歴史を歪めることはご法度となってしまう。本作が「グラディエーター」のように脚色が許されない事実によって、圧巻の映像ではあるけれどクライマックスが存在せず、やや平板なエピソードの団子状態となってしまった。要するに息を詰める緊迫感も、エキサイトな面白みもないのは確かなのです。
しかしそれにしても監督の拘りは半端なく、忠実に歴史文献を遍くチェックし可能な限りの再現度はすさまじい。戦いの戦法から戴冠式に至っては絵画が動き出した如く。この再現が本作映画化の最初のポイントであり、もう一つがジョセフィーヌに首ったけ、完全に尻に敷かれたナポレオン像でしょう。前作「ハウス・オブ・グッチ」でのレディー・ガガ扮する嫁となにやら似ていますが。エジプト遠征の重大局面においてすら、一報を耳にした途端に部下に現場を任せ帰郷するほどに愛しぬいた。幾度となく手紙が交わされ、モノローグで思いのたけが語られる、狂おしい程の愛の映画です。もっと正確に言えば、激しい戦闘シーンが脇で、愛の混迷が主と言っても構わない。愛憎の経緯の間にアクションシーンを挟んだとも言えるのです。
ただ、その愛は相当に屈折しており、戦場での冷血完璧主義者とは完全に裏腹なところがミソでしょう。それ程に愛されるジョゼフィーヌ役にヴァネッサ・カービー程相応しい女優は現時点では見つからない、それ程の適役でしょう。「ザ・クラウン」での鮮烈な我儘女のイメージをそのまま背負い、奔放な女を少な目なセリフながら視線で表現する。貴族階級ゆえ囚われの身となり豊かな髪も無残に切り落とされた散切り頭で登場する。冒頭の断頭台でのマリー・アントワネットのボリューミーな髪との対比が活きる。ロベスピエール失脚によって釈放されたものの、夫を失い2人の子持ちで活きるすべを、自らに向けられた視線の先に飛びつくわけ。
主役のホアキン・フェニックスは屈折した狂気を孕んだ人物となれば、自家薬籠中で、少々歳がオーバーな点を除けば完璧です。何故世継ぎが出来ないのかの答えが出たあたりから、離婚が現実味を帯び、逆にそっけなかったジョゼフィーヌ側の思慕が募る皮肉。ただし、この愛憎の描写が完璧かと言えば少々疑問も残る辺りが惜しい。リドリー・スコットの不得手なところが露呈してしまったと言うほかない。
それにしても、トゥーロン城塞でナポレオンの馬が砲弾を直接浴び、馬の胸元が大きく抉れる衝撃シーン。ロベスピエールの自害ミスによる酷い損傷にもがくシーン。王政復古の民衆に向けての大砲による最前線の民衆の吹き飛ばされようも驚愕で。戦闘シーンでの兵士たちの仔細な死にざまも大画面に一挙に複数が展開するわけで。つくづくナポレオンが右手を下げれば、出陣するしかなく、それは兵士自らの死を確実に意味するわけで。ラストに明かされる300万人を超える人命がナポレオンの右手に委ねられていた恐ろしさ。溜息しか出ませんね。
特筆すべきは音楽で、土着の民族音楽と正当なクラシックを使い分けた本作音楽担当のマーティン·フィップスは素晴らしいと思います。一方で、ジョゼフィーヌのイケメン間男の描写は中途半端、獣のような愛のない交わりの必然も唐突で、これらについては2時間38分の映画版とは別の、APPLE+での4時間30分配信で描かれるのでしょうか。長ければいいってものじゃありませんよね、決められた時間で表現して欲しいものです。
予習おすすめ
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