「似たような設定の作品と少しの疑問」サウンド・オブ・フリーダム てつさんの映画レビュー(感想・評価)
似たような設定の作品と少しの疑問
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子どもの売買犯罪に対する救済活動を描いた作品としては、『闇の子どもたち』があり、その作品では、様々な葛藤が入り乱れていたが、本作ではそれは少なかったようである。ただ、露見しないように心配したのが潜入捜査という形態で、現在テレビドラマで放映中の『潜入兄妹』、あるいは映画では『土竜の唄』という感じであろうか。拘留者に対して、一旦許すような口ぶりをして気が緩んだところを逮捕したところはよくわからなかったが、さらに潜入を進めて大掛かりな成果を挙げながらも、当初の目的を果たせなかったので、さらに現地警察でさえ渋る潜入を進めた。ボートで行き来するのは、『地獄の黙示録』あるいは『とうもろこしの島』を思い出した。後者は、逃亡兵を敵から匿う話であった。忍び込みのやり方や、相手が国全体であるのと反政府勢力であるのという違いはあるけれど、『コロニア』の脱出劇も思い出した。
主人公が寡黙だったり、情況説明が乏しかったりしたのは、エンドロールの説明と関係があるのかもしれない。実際の場面の写真をみて、再現性が高いとも思えたが、実際の場面をそこまで撮影できる余裕があったのかどうかにも疑問の余地はある。QRコードで読み取ったサイトの英文にも、理解が容易くない。主人公の真似はそうそうできないけれど、別件での拉致被害者救済への努力として、それくらい払われて良いのかもしれない。
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