「こんな涙は初めて見ました」サウンド・オブ・フリーダム みる子さんの映画レビュー(感想・評価)
こんな涙は初めて見ました
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予備知識なく見に行きましたが、製作陣の静かな熱量を感じました。
主人公のティムが仕事を超越して使命に身を投じるきっかけになった小児性愛者の犯行ビデオを見たときの一筋の涙。観客は彼が見た映像ではなく、彼の涙を見て決意を知ります。
映画としての出来はともかく、恐るべき事態に基づく実話だという驚きが先立ち、メッセージを強力に伝える手段として映画を利用したことに共感しました。以前、邦画でも臓器密売のためにタイの子どもたちが犠牲になる話があり、主演も有名俳優だし、映画化の勇気に驚き、もっと話題にならないかと思ったことがありました。
今回はエンドロールで主演のカビーゼルがメッセージを伝えます。途中で止めたりできない劇場で観ることを勧めたいと。まさにそのとおり。報道で知るのと、2時間映画で体感するのとでは心に残るボリュームが違います。
実在の主人公ティムはもちろん、その背中を押した奥さんがいたことにも驚きます。自分にはできない。
ディズニーアニメもいいけれど、本来ならディズニーに夢中になる年頃の子どもが、夢の世界を知る前に、こんな悲惨な目に遭っていることを知らなければいけないと思うばかりでした。
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