「誇張抜きでわさドラ映画史上最も好きかも!」映画ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー) TAKEさんの映画レビュー(感想・評価)
誇張抜きでわさドラ映画史上最も好きかも!
今までありそうでなかった音楽がテーマの作品。ドラ映画は歌やBGMもものすごくよく、重要視されているのに盲点だった。小学生が現役の音楽家たちを差し置いて伝説の音楽家ヴィルトゥオーゾだと選ばれたり、少し伏線を張ったわりにはほぼ活躍しなかったミーナから預かった笛、退屈なシーンが一部続くという気になるところが多々ありましたが、そこは2時間しかない映画だからだと割り切ればあまり気になりません。
のび太のやらかしたから生まれた危機、のび太の“の”の音、ドラえもんの道具、タイトルや物語の中の伏線回収が見事!
ゲスト声優の吉川晃司さんも初挑戦とは思えないほど力強く、リーダーシップ溢れる存在感があり、厳しさよりも優しさが感じられる抜群の演技力でした。石丸幹二さんは流石というべきか、モデルになった作曲家の作品を感じさせる演技だったと思えました。
希望のある終わり方で、ここ最近の映画のような悲しい終わり方ではないのもいい!
何より音楽をテーマにしているだけあって、音楽を使って舞台となるファーレの殿堂を一つ一つ復活させていく流れと敵と対抗するというアイディアが素晴らしい。殿堂の新しい舞台とそこを管轄するロボットたちを復活させていく構図がゲームのRPGのようで面白い。
そして完全に復活させた殿堂で敵と対抗するラストバトルも熱い。荘厳な楽器によるオーケストラでも敵に敵わず、無音になったときは絶望感が漂いましたが、そこからおもちゃのピアノ、タンバリン、コントラバス、クラリネットが流れ、諦めないでみんなが演奏して、地球のあらゆる音がハーモニーを生み出して、あのフレーズが出てきて、そしてファーレが白鳥の姿になって大逆転したときは胸にジーンと…あ、違った。
『ピピっと響いた!』ww
はじめは完璧な音楽を駆使して敵のノイズを退こうとしたけど、そうじゃない。音楽とは完璧に演じることも大事だけど、楽しく演奏することが大事なのだと気付かされる。世界から音楽を消し去ることなんてできやしない。それを示すかのようなラストでした。
音響のいい映画館で観たかった!