映画ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー)のレビュー・感想・評価
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近年では珍しくあまり刺さらず「オリジナル版」の難しさを感じる。深く考えずに見るのが正解か?
例えばハリウッド映画では宇宙人も含めて英語で話すことも珍しくありません。
その点「ドラえもん」では「翻訳こんにゃく」などを用いることでキチンと不自然さが解消されたりと、意外とリアリティーのある設定になっています。
だからこそ、気になる点を減らすことが重要になってくるのですが、本作では不自然さが目立ったためか、それほど入り込めずに終わりました。
例えば、無記名の封筒が郵便受けに入っていて、それを偶然のび太やドラえもんが郵便受けから出して、それを開封して読む、というのは工夫がなさすぎるように感じます。
しかも、それがジャイアン、スネ夫、しずかの3名も含めて、となると…。
さらに、その怪しすぎる手紙により夜に自発的に全員が動くというのは、いろんな意味で厳しい設定です。
この事例が象徴的ですが、全体的に厳しさを感じてしまう展開が多く、近年ではあまり練られていない部類に入っているように感じました。
とは言え、音楽がテーマ。定番の「のび太の成長物語」は健在です。「映画」だからと肩ひじを張らずに、深くは考えずに物語に入り込むことができれば、定番の「映画ドラえもん」として成立しているのかもしれません。
音楽のように理屈抜きで感じて楽しむ異色の作品
平凡な小学生の男の子「のび太」と未来からやってきたロボット「ドラえもん」の交流を描く国民的アニメが原作のSFヒューマンドラマアニメ映画シリーズ。2024年公開。今回のお話は音楽の授業が苦手な主人公のび太が宇宙からやってきた宇宙人の少女とともに音楽で地球を救う話。
点数:4.5。お勧めします。すばらしい音楽を聴いた時のような、言葉では表現できない感動を味わえる。従来のドラえもん映画のように、ひみつ道具がまき起こす騒動のストーリーを論理的に理解して楽しむのではなく、ストーリー全体を音楽のように感じて楽しむ作品。宇宙人の女の子がドラミちゃんのような声の魅力をもっている。ストーリーはあってないようなものでありキャラクターの出す音やリズムや音楽を感じて楽しむ異色の作品となっている。
この作品の良い点はキャラクターに魅力があること。キャラクターのアニメーションの動きが丁寧に作られており見ているだけで楽しくなる。セリフの内容ではなくそれぞれのキャラクターの出す声や音を感性で楽しむことが求められる。この作品の良くない点は敵が怖くないのでカタルシスが低いこと。敵が音楽に弱い悪いエイリアンという設定だが敵に個性がなく脅威を感じない。敵の脅威が少ないのでストーリーがしまらない。
私はドラえもんの映画は何十年かぶりに観たがさすがに世界展開をしているコンテンツなだけあってかなりお金をかけて丁寧に作られていると感じた。とくに最初の30分は時間を忘れるくらいストーリーに引き込まれた。ストーリー全体でヒロインキャラクターに魅力があった。このドラえもん映画は素晴らしいと思った。ストーリーを細かく見ていくとキャラクターが音楽を出しているだけなので単純であるがこの映画はストーリーを音や音楽のように感じて楽しむものだと思った。体全体で感じて楽しむ。音楽というものはそういうものである。
私は西洋文明は日本人にとってのドラえもんであると思う。のび太とドラえもんの関係は文明開化後の日本人と西洋文明の関係である。明治時代の文明開化後の日本人はつぎつぎと海外からやってくる最新の西洋文明とともに仲良く暮らしてきた。夜を明るくする電灯や牛や馬の何百倍もすごい蒸気機関車など驚異の西洋テクノロジーとともに日本人は発展してきた。大戦の不幸もあったが日本人と西洋文明は現代まで仲良く暮らしてきたのであった。
かつていわゆる後進国と呼ばれたアジアやアフリカや南米や東欧などの国々の人たちにとって世界中に展開した自動車や電化製品などの日本製品は彼らにとってのドラえもんであったと思う。日本製品は異国である日本からやってきてその国の人たちの役に立っていた。文明開化後の日本人と、日本に上陸した西洋文明の関係が現在では切っても切り離せない友人以上の関係であるように、日本製品は海外の人々にとって友人以上の存在となっていたであろう。今日(こんにち)では外国人による問題が叫ばれてはいるが日本製品が海外の人たちにとってのドラえもんであったことを忘れずにいたいものである。「ドラえもん」は世界中の人たちにとって友人以上の存在であるのだから。
視聴:液晶テレビ(有料配信アニメタイムズ) 初視聴日:2025年7月17日 視聴回数:1(早送りあり) 視聴人員:1(一人で見た)
追記:
私はこの映画を見てアメリカの実写映画「グーニーズ(1985年)」を思い出した。「グーニーズ(1985年)」は少年少女たちが海賊の秘密基地の遺跡を探して財宝を見つけようとする話だが、音楽が重要な要素になっている。昔の海賊たちが侵入者を防ぐために設置した罠を解除するためにはピアノが弾けないといけないのだが少年少女のなかでピアノが得意なものはおらず死の危険が迫るピアノの罠に少年少女たちは悪戦苦闘する。このドラえもんとグーニーズは関係が深いと思った。ファミコンのゲームソフトもドラえもんとグーニーズは同時期に発売されていたと思う。映画を題材にしたファミコンのゲーム「グーニーズ」も「ドラえもん」も両方とも名作である。ドラえもんの映画が40年以上も続いているのは驚きである。
追記2:
私はこの映画を見てアメリカの実写映画「マーズ・アタック!(1996年)」も思い出した。「マーズ・アタック!(1996年)」は火星からやってきたエイリアンとUFOが地球を武力で侵略しようとする話だが火星から来たこのエイリアンたちは音楽に弱かった。火星から来たこのエイリアンたちは音楽を聴くと脳が破裂して死んでしまう。火星から来たこのエイリアンたちは文明レベルも高く好戦的なのに風貌がユニークで行動もコミカルなのだが彼らが怖さとおかしさを両方もっているので物語に味わいがあった。しかしドラえもん地球交響楽の映画のエイリアンはコミカルな部分が全然ないのでいまいちであった。「マーズ・アタック!(1996年)」は映画の敵役には人間味やコミカルな部分があるといいといういい例であろう。
追記3:
地球を侵略してくるエイリアンを音楽で撃退する話はまだある。日本のSFロボットアニメ映画「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか(1984年)」である。この映画の内容は巨人型エイリアン「ゼントラーディ宇宙人」の大艦隊が地球に攻めてくるのだがある地球のアイドルが歌を歌ってエイリアンたちを改心させる荒唐無稽な話である。宇宙空間で歌を歌っても音が伝わらないので意味がないと思う。しかしドラえもん地球交響楽の映画はその点ではよくできていると思った。宇宙空間では空気がないので音楽が伝わらないが、ドラえもんのひみつ道具でその問題をクリアする。その方法はのび太の家の風呂場をスケールを大きくして地球とその周りの空間につくりだすのである。これで宇宙空間でも音がよく伝わるようになった。
追記4:
ドラえもんのひみつ道具は万能のようであって万能ではない。人の使い方次第で道具は有益にも害にもなるという人類への教訓がこのアニメには込められている。音楽を奏でる楽器も道具のひとつである。音楽が苦手なのび太がリコーダーを吹いて出す音は「ドレミファソラシド」のどれにも属さない「の」の音であるがこれが本作の伝えたいメッセージであろう。下手でもよいので自分だけのオリジナルの音を勇気を出して出してみようということであろう。つまり、人間社会においてのび太のような不器用な人間も欠かせない存在であるということをこの映画は言っている。
追記5:
この映画はのび太、スネ夫、ジャイアン、しずか、(ドラえもん)だけで冒険するので大人が関係せず子供たちだけで冒険する雰囲気が良い。仲の良い子供たちだけで知らない土地を冒険するのは誰しもワクワクした記憶があると思う。私も幼少のころの記憶がよみがえった。昔のわくわく感を思い出させてくれるドラえもん映画は大人が見ても良い映画である。良い冒険映画といえばアメリカのテレビ映画の古いほうの「IT イット(1990年)」の前編であろう。この映画は子供たちだけでピエロの姿をした恐怖の存在と戦うホラー映画なのだが子供たちの冒険映画として見てもかなり良いと思った。子供たちの集団で何かをするのが面白いのは子供は親に怒られはしないかいつも気にしているのでそれが自由と解放感となってあらわれるのであろう。開放感の味わえる映画といえば「ショーシャンクの空に(1995年)」である。無実の罪で終身刑となった元銀行員の主人公が過酷な刑務所を脱獄する話だが、ラストで脱獄に成功した際に感じる解放感がとてつもなかった。子供の冒険映画でも親や教師に管理されながらの家や学校といういわば「刑務所」からの解放感を味わえるのであろうか。と思う。
追記6:
映画ドラえもんシリーズ
1980年 のび太の恐竜
1981年 のび太の宇宙開拓史
1982年 のび太の大魔境
1983年 のび太の海底鬼岩城
1984年 のび太の魔界大冒険
1985年 のび太の宇宙小戦争
1986年 のび太と鉄人兵団
1987年 のび太と竜の騎士
1988年 のび太のパラレル西遊記
1989年 のび太の日本誕生
1990年 のび太とアニマル惑星
1991年 のび太のドラビアンナイト
1992年 のび太と雲の王国
1993年 のび太とブリキの迷宮
1994年 のび太と夢幻三剣士
1995年 のび太の創世日記
1996年 のび太と銀河超特急
1997年 のび太のねじ巻き都市冒険記
1998年 のび太の南海大冒険
1999年 のび太の宇宙漂流記
2000年 のび太の太陽王伝説
2001年 のび太と翼の勇者たち
2002年 のび太とロボット王国
2003年 のび太とふしぎ風使い
2004年 のび太のワンニャン時空伝
2005年 (なし)
2006年 のび太の恐竜2006
2007年 のび太の新魔界大冒険 ~7人の魔法使い~
2008年 のび太と緑の巨人伝
2009年 新・のび太の宇宙開拓史
2010年 のび太の人魚大海戦
2011年 新・のび太と鉄人兵団 ~はばたけ天使たち~
2012年 のび太と奇跡の島 ~アニマル アドベンチャー~
2013年 のび太のひみつ道具博物館
2014年 新・のび太の大魔境 ~ペコと5人の探検隊~
2015年 のび太の宇宙英雄記
2016年 新・のび太の日本誕生
2017年 のび太の南極カチコチ大冒険
2018年 のび太の宝島
2019年 のび太の月面探査記
2020年 のび太の新恐竜
2021年 (なし)
2022年 のび太の宇宙小戦争2021
2023年 のび太と空の理想郷
2024年 のび太の宇宙交響楽
2025年 のび太の絵世界物語
2025年時点で全44作。ほかにも大長編以外の短編ドラえもん映画作品が全21作ある。
大長編映画は2005年と2021年以外は毎年公開されている。のび太の恐竜は3作品もある。
3DCGアニメ-ション版のドラえもん映画シリーズ
2014年 STAND BY ME ドラえもん
2020年 STAND BY ME ドラえもん2
2025年時点で全2作ある。
言われてるほど酷くなかった
評価が低い人が多くて驚きました。
のび太が自発的に「上手になりたい」と努力する姿が描かれていて、とても印象的でした。ドラえもんのために演奏しようとするシーンや、終盤の場面は、胸に込み上げてくるものがありました。
また、物語の中で張られた伏線が最後にしっかりと回収されていて、「あれかー!」と思わず納得してしまいました。
ミッケがキャラデザも声もとても素敵で始終かわいいです。
芳根京子かわいい
誇張抜きでわさドラ映画史上最も好きかも!
今までありそうでなかった音楽がテーマの作品。ドラ映画は歌やBGMもものすごくよく、重要視されているのに盲点だった。小学生が現役の音楽家たちを差し置いて伝説の音楽家ヴィルトゥオーゾだと選ばれたり、少し伏線を張ったわりにはほぼ活躍しなかったミーナから預かった笛、退屈なシーンが一部続くという気になるところが多々ありましたが、そこは2時間しかない映画だからだと割り切ればあまり気になりません。
のび太のやらかしたから生まれた危機、のび太の“の”の音、ドラえもんの道具、タイトルや物語の中の伏線回収が見事!
ゲスト声優の吉川晃司さんも初挑戦とは思えないほど力強く、リーダーシップ溢れる存在感があり、厳しさよりも優しさが感じられる抜群の演技力でした。石丸幹二さんは流石というべきか、モデルになった作曲家の作品を感じさせる演技だったと思えました。
希望のある終わり方で、ここ最近の映画のような悲しい終わり方ではないのもいい!
何より音楽をテーマにしているだけあって、音楽を使って舞台となるファーレの殿堂を一つ一つ復活させていく流れと敵と対抗するというアイディアが素晴らしい。殿堂の新しい舞台とそこを管轄するロボットたちを復活させていく構図がゲームのRPGのようで面白い。
そして完全に復活させた殿堂で敵と対抗するラストバトルも熱い。荘厳な楽器によるオーケストラでも敵に敵わず、無音になったときは絶望感が漂いましたが、そこからおもちゃのピアノ、タンバリン、コントラバス、クラリネットが流れ、諦めないでみんなが演奏して、地球のあらゆる音がハーモニーを生み出して、あのフレーズが出てきて、そしてファーレが白鳥の姿になって大逆転したときは胸にジーンと…あ、違った。
『ピピっと響いた!』ww
はじめは完璧な音楽を駆使して敵のノイズを退こうとしたけど、そうじゃない。音楽とは完璧に演じることも大事だけど、楽しく演奏することが大事なのだと気付かされる。世界から音楽を消し去ることなんてできやしない。それを示すかのようなラストでした。
音響のいい映画館で観たかった!
音楽が好きな人は見やすい映画
最後半まで暇だが、最後半の盛り上がりが凄かった
正直、ストーリーはイマイチでした。
何かどこかで既視感があったんですよね。
そもそもストーリーがなんか最近のソシャゲみたいで、クエストをクリアするごとにランクが上がっていく。
音楽で昔失った何かを色々と復活させる・・・なんかやっぱり既視感。なんだこの違和感と思ったら、DEEMOですよ!!!
演奏して失ったものを復活させるってDEEMO2やノスタルジアにとっても似ていました。
更に登場したお人形にくるみ割り人形に犬(DEEMOでは猫ですが)。完全にDEEMOの映画じゃないですか。
ただ、タイトルに書いた通り、最後の大演奏や伏線回収は非常に良かったと思います。
最後半まで暇だが、最後半の盛り上がりが凄かった
とある懐かしい曲をドラえもん達が演奏してくれるのですが、旧ドラファンとしてはドラえもんのうたが良かったかな・・・でもそんな曲最近の子供達は知らないだろうし、結果的にはあの曲で正解だったと思います。
あとはまぁ、製作者の旧ドラえもんスタッフに対する敬意は非常に感じられました。
特に藤子先生に対する敬意とメッセージは感じました。
皆さんも是非探してみて下さい。答え合わせはYouTubeの「ゆっくりドラちゃんねる」さんが同じ意見を感じていらっしゃったので、そちらでお願します。
「【映画パロディ⑤】ドラえもんの映画パロディ!ワサドラ編Part4!」で検索すれば出てきます。
それと、ミッカがとっても可愛い
「よつばと!」のよつば❤
勿論、雑音と音楽は違うもの。
僕はアルバート・アイラーの「サマー・タイム」と言う曲が好きでよく聞いていた。
魂が揺り動かされる位強烈な音楽である。しかし、我が母は「鶏の首を締める時の鳴き声見たいな曲ね」と言っていた。
例えが良くないか。
だから、例えばサマー・タイムでも「ジャニス・ジョプリン」とガーシュウィンのオリジナル」では全然違うと思う。
つまり、音楽とは聞く側の感性の違いもあると思う。勿論、感性に高さは存在する訳ではない。我が母の感性が僕よりも低いと言う訳ではない。違うと言うだけである。
このアニメはその点を除けば、大変に素晴らしくファンタジーである。
僕の感性ではこのアニメはドラえもんシリーズで一番良いと思った、
髪の毛の色が「緑」って「よつば」❤
それと東京国立博物館へ行ってそれを見てこようと思う。時をかける少女の古代の絵はフィクションだったけど、白鳥の笛は精巧に作られたレプリカらしい。四万年前ってネアンデルタール人が滅んだ頃の事である。その話は知らなかった。
ロマンがあるね。
つまらない。
子供達度映画館で観ました。私も世代で昔からドラえもんは馴染みがあって楽しみにしてましたが、ストーリーが単調なのと音楽が常に流れていて、、途中眠ってしまったくらい。子ども達も面白くないのか集中しなくなってきて、、という感じでした。普通にテレビで観るアニメのドラえもんが面白いですよ。
序盤まで☆0.5だったのが、クライマックスで☆5.0へ
映画がスタート、導入は音楽の歴史を辿っているようなオープニングから始まった。正直、この時点では、期待値は最高潮に達していた。なんだこれ!?めちゃくちゃ面白そうじゃん!と。
開始から15分、まあまあ普通の映画かと思い始めるも、まだ少し期待していた。
開始から30分、あれ?全然進まないな、大丈夫か?これと思いだす。
開始から1時間、あぁ、もうダメだ。見てられない。眠くなってきた。
と、今年のドラえもんは終わりか…と思っていた矢先。
開始から1時間20分、ついに物語はクライマックスシーンへ、オーケストラの演奏が始まった瞬間、もう終わりか、そう思った次の瞬間、悪役?災害?が、それを跳ね除け、再襲来!これまで、楽器の演奏で音が鳴り響いてた映画館内が、一瞬にして静寂に包まれた。この瞬間、私は鳥肌がたった。怖い、そういう感情が凄まじい勢いで浮かび上がった。そこから、怒涛の伏線回収。あの絶望感から、一気に勝ちムーブへ。
そして、まさかのあのメロディーが。
これは昔からドラえもんを見て育ってきた私にとっては、最高のサプライズだった。他のレビューを見ると、やはり終盤は褒めている人が多いが、あまりにも前半が退屈すぎた。
しかし、私はそのサプライズを見れただけで、もう満点を差し上げよう。そう思った。
Vaundyの楽曲もとても良かった。
是非、皆さんも一度はご覧ください。
音楽の楽しさが伝わる素敵な映画
小難しいことを言う悪役や、難解な設定が無く、子どもが楽しめる映画として満点だと思った。クライマックスで、のび太一行が練習した楽器とともに、全員で交響曲を奏でる所は、鳥肌が立つほど素敵だった。
近くにいた子供が、映画の音に乗って、楽しそうに揺れていたことが印象的で、それだけで素敵な映画だと思った。
音楽って楽しいんだ、ということが存分に伝わる良い映画だった。
意外にも評価が低く書かれているのを見て、今更ながら感想を書きました。記憶がかなり曖昧なのであまり信用はならないですが、今なお素敵な映画だったなぁという気持ちがあるという事をお伝えできれば…!
なんという駄作
今まで私が見たドラえもん作品の中で最悪の出来でした。大きく2つポイントを挙げるとするなら
①粗というか、色々と突っ込み所が(音楽室のシーンや音楽家達に酷似しているロボット、ミッカとの演奏での「の」の音、最後のお風呂の所)が多すぎる。
全部書くと長くなるのでここでは書きませんが、雑な演出や不要な設定が多すぎます。1つ上げるならあのロボット達。有名な音楽家にする必要、あります?特に滝廉太郎似のロボットが泣いているシーン。偉人をバカにしている気がしてなりません。
② ストーリーが単純に面白くない。
今回は明確な敵がいない、それがつまらない原因という事を良く聞きますが、個人的には別に居なくても良いんですよ。ストーリーが面白ければ。ですが、ストーリーがつまらない。本当につまらない。のび太達が音楽を演奏して終わる。ほぼほぼそれだけです。勿論、最終決戦に至るまでののび太達の成長の描写や音楽の素晴らしさを制作陣は伝えたかったのかもしれませんが、説教臭い。確かに子供が見る映画ですから中身スカスカよりはある程度のメッセージ性があった方が良いでしょう。ですが子供たちをはじめとするファンが求めているのはのび太やドラえもん達が様々な場所を冒険するワクワク感です。それを損なってしまってはドラえもん映画失格なんですよ。オーケストラ好きの方には刺さるのかもしれませんが。「音楽」というテーマや敵の存在など色々奇を衒ったつもりなのかもしれないですが、完全に裏目に出てますね。もう制作側もネタ切れなのかもしれません。そもそも、そんなに音楽の素晴らしさを伝えたいなら映画館で上映するのではなくて学校の音楽の教材にでもしたらいいんじゃないんですかね。空の理想郷の時もかなり説教臭さはありましたが、素晴らしいストーリー(様々な時代を冒険、22世紀の要素が多い理想郷、雲の王国はあるものの以外と少ない空というテーマ等々)だったので、良作だと思いましたが、今回はストーリーが終わっていたので駄作としました。
評価できる所といえば作画ですかね。やはり過去作と比べてかなり良くなってます。あと、流石に音楽メインなので、音楽もかなり力が入ってますね。まあ、ドラえもん映画でオーケストラをやる意味は微塵も無いと思いますが。
来年はリメイクっぽいですが、再来年の新作が今回と同じ出来だとドラえもん映画はもう駄目かもしれないですね。ネームバリューだけで面白さの欠片もないの粗や雑演出だらけのただの教育映画と化すでしょう。制作陣はドラえもん映画の意義をもう一度見直してから制作した方が良いと思いますね。
もっと奏でて、ドラえもん
映画ドラえもん43作目。
今回の題材はドラえもん映画初の“音楽”。40年40作以上やってきて、まだやってない題材あったとは意外。
ドラえもんも音楽とは切り離せない。誰もが歌える“ドラえもんのうた”や“ぼくドラえもん”。昔は武田鉄矢、最近は人気アーティスト。毎回毎回の映画の主題歌も話題。Vaundy担当の今回の主題歌もなかなかいい。
ジャイアンは歌うのが大好きだし、しずかちゃんはヴァイオリンやピアノを習っている。その実力の程は超有名だけど。
しかし、いつもながらのび太は…。音楽もダメダメ。
音楽の授業でリコーダーをまともに吹けやしない。“の”の音なんか出したり。
ひみつ道具“あらかじめ日記”で一日だけ、音楽の授業を無くす。でもこの時間違って、その日一日世界中から音楽が無くなって…。(←後にこれ、危機の伏線)
ある日、不思議な女の子と出会う。外国の子…? 美しい声の持ち主で、のび太のリコーダーとハーモニー。
翌日再会し、今度は皆のリコーダーとドラえもんの道具による楽団と一緒に。
この“音楽”が、今回の出会いと冒険の始まり…。
さて今回のドラえもん映画、設定や用語が小面倒臭い。
少女はミッカ。惑星ムシーカ生まれ。
お世話ロボットのチャペックと共に、地球に来たのはある目的が。
“ファーレ”の達人、ヴィルトゥオーゾを探す。ファーレとは、ムシーカで音楽を指す言葉。
のび太たちを“ファーレの殿堂”に招く。地球外に浮遊する都市型宇宙船。
ファーレの殿堂はファーレがエネルギー源。それを動かし、眠っている多くのロボットや機能を起こせるのはヴィルトゥオーゾが奏でるファーレだけ。皆で奏でたのが決め手となって、のび太たちが選ばれたのだ。
人は一人も居ない…? 惑星ムシーカは4万年前に滅んだ。ミッカは唯一の生き残り。
コールドスリープから目覚め、遂に見つけたのだ。ファーレの殿堂を、ファーレに溢れていたかつてのムシーカのようにする為に。
設定や用語が小面倒臭いだけで、要は音楽の力で亡き母星を再現しようとする、話自体はシンプル。
ひみつ道具“運命の赤い糸”と“音楽家ライセンス”で各々担当楽器が決まり、練習しながら上達し、ファーレの殿堂も少しずつ目覚めていく。
しかしのび太は…。リコーダー担当で、やっぱり上達しない。
目覚めた音楽家ロボットたちとの触れ合い。
ミッカとチャペックも度々地球を訪れ、地球の音楽に触れる。チャペックは作曲家ロボットでもあり、創作意欲が湧く。
ドラえもん映画お馴染みの新たな友達との出会いと交流。
勿論、敵も…。
謎の黒い液状の物体。それはファーレの殿堂だけじゃなく、地球にも。
それが触れると、音がノイズのように掻き消える。
“ノイズ”と呼ばれるそれは、星を食べる生命体。
ムシーカを滅ぼしたのも、このノイズだった…。
地球にいたのはノイズの胞子。何故地球に…?
のび太の間違いで、世界から音楽が消えたあの時。ノイズの弱点は音楽。
勢力を増したノイズは、ファーレの殿堂そして地球に迫る。
音楽の力で食い止めろ! さあ今こそ、皆の音楽と心が一緒になった“地球交響楽”を奏でる時…!
世界中に身の回りも…。音や音楽に溢れている。
人気アーティストの歌やライブ。街中の喧騒。鼻歌を歌い、生活音。
音や音楽の無い世界なんて考えられない。
音や音楽があるからこそ、私たちの生活や心も満たされる。
その必要性や大切さを説く。
音楽はポンと簡単に出来るもんじゃない。苦心の果てに奏でられる。
練習に継ぐ練習。その過程の成長や友情。
新しい題材でも、王道のドラえもん。
…しかし今回、ちと王道過ぎた。いや、平凡というべきか。
他の星の友達、地球の危機、4万年の時を経て…。一見スケールは大きいが、話は今一つ薄い。キャラも魅力不足。新たなひみつ道具も何だか…。
4万年前の白鳥の笛、人気アーティストのミーナ、世界から音楽が消えた日…。伏線は張ってあるものの、鮮やかさにも欠ける。
ミッカとミーナの意外な関係。無理矢理な唐突な展開で、ならもっと序盤にでもミーナの存在を強調すべきだった。わざわざ芳根京子を配しておきながら…。
クライマックスの大合奏は見せ場。服部隆之の腕の見せ所。が、音楽で敵に立ち向かうなら、同じアニメなら、『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』の圧倒的高揚感に及ばない。
で、その敵も…。ノイズって、何のメタファー…? ドラえもん映画は敵キャラも魅力の一つなのに…。
王道なのに、所々何か物足りなく…。近年では一番ビミョーだった『南極カチコチ大冒険』を彷彿させた。
今年は藤子・F・不二雄生誕90年。その記念作。
つまらなくはなかったけど、それにしては…。
もし、氏が今も生きていたら…。携わっていたあの頃は…。
あの頃のようなワクワク冒険、ハラハラドキドキ、時々ちょっぴりの怖さ、そして感動…。
ついつい、そんな事を思ってしまった。
さて、気を取り直して次を奏でよう。いや、描こうもしくは魔法をかけよう…?
次の題材は“絵”? “魔法”?
ED後次回予告映像に魔法使い姿のドラえもんが登場して、ネットでは『夢幻三銃士』のリメイクなんて噂も…。でも、ちょっと違う…?
続報求ム!
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