「悪夢のような世界」ヒンターラント コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
悪夢のような世界
ブルーバック撮影の使い方が面白かった。
色と背景美術が緻密に計算され、独特な世界を構成していて。
最近は日本でも大河ドラマやスーパー戦隊でも使われ、CGの背景と合成することで奥行きを出す撮影に使われ、それはいかに合成感をなくすように努力しているのですが(まだ試行錯誤してる感じですよね)。
本作はわざと合成感を残し、人物が手前に浮いてくるようにしていました。
場面によっては背景画像に極端なパースをつけて、あきらかな作り物、描いた背景なのがわかる。
それによって主人公が、異世界または地獄、悪夢の世界にいるような違和感を醸し出していました。
舞台は第一次世界大戦後のオーストリア。
国のために兵士として戦場に行き、帰ってきたら帝政が崩壊して違う国になり、奥さん子供が行方不明で、自分たち帰還兵は厄介者扱いになってた、といえば悪夢そのもので、その心情を表すにはぴったりの映像でした。
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