「自分が被害者になるということを考えて観てほしい映画」月 ここちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
自分が被害者になるということを考えて観てほしい映画
私は学生の時からボランティアで重度障がい者の方の介護をしており、
毎日一緒に過ごしただけでなく、学校から帰ってからも近所の重度障がい者の方のお世話をしたり、
大人になってからも老人ホームや病院の介護の仕事に関わったこともあります。
要介護になると喋れなく手足口と全身硬直の利用者さんで食事排泄諸々全て手伝わなければいけません。
水分は全てとろみをつけておかずは全て細かく刻んで火傷をしないようにフーフーして、ゆっくりあげます。
力が強い方だと何度も殴られたり噛まれたりしましたが、
なりたくて障がいになったのでは無いし、
私はやり返したりしませんでした。
なのでその人達を殴ったりする人がいるというのを見た事が無かったので、そういう人もいるのだとびっくりしました。
障害者という属性を理由にした殺人は、憎悪犯罪です。
そういう属性を持っている人は誰でも対象にするという酷い犯罪であり、
殺人はいけないけど、考え方は分からなくもない」とネット上で平気で言う人々もいたり、障害者団体などが「誰の命も大切だ」と意見を公表すると冷笑する人たちがいたり、植松被告に同調するような人が見られるのは
理由があれば人を殺して良いと考えている人が多いということであり、その事実が一番恐ろしいです。
植松死刑囚は
世の中に役に立たないと思った人を狙った。
つまり、今障害を持つ人だけじゃなくて、
私たちがこれから交通事故に遭って動けなくなったり、
年を取って寝たきりになったりしたら
全員殺害すべきだという主張です。
限られた人を狙ったものじゃなくて、
「誰でも役に立たなくなったら殺害すべきだ」というのが植松死刑囚の考え方なのです。
「考え方は分かる」と言う人は、自分が被害者になるということを考えていないから、言えるのだと思うのです。
神奈川県相模原市の障害者施設に元職員の男が侵入して45人を殺傷した「津久井やまゆり園事件」
を元にした映画