「澱のように心に残り続ける」月 ピートさんの映画レビュー(感想・評価)
澱のように心に残り続ける
宮沢りえの丁寧な演技に引き込まれ、悲しみを共有しつつ観た。登場人物それぞれが抱える問題がそのまま反映したような暗い職場、決して綺麗事ではなくそれでいて誇示することもなく淡々と描かれる日常。皆それぞれにより良く生きたいだけなのにその方法が見つからなかったり間違っていたり。誰一人正しいとかではないのがリアルで共感できる。そんな中で夫婦の思いやりのある愛情(オダギリジョー演じる夫の表現が凄くいい)に少し救われる。いつまでも心に燻って残るような映画だった。
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