「アンテナの矢印は、自分に向けたい。」月 のりたまちびさんの映画レビュー(感想・評価)
アンテナの矢印は、自分に向けたい。
宮沢りえさん、オダギリジョーさん、磯村勇斗さん、二階堂ふみさん、すごかったです。
ものすごく重苦しくて、出口ないのか!?と息苦しくなる映画でした。
この4人のラストは、不安の中でも光を求めて生きていくしかないというメッセージなのかな。
優生思想は、私も持っています。
出生前検査はしませんでしたが、出産時、彼らの身体に欠損がないかを一番に見たし、1歳半検診、3歳時検診では先生の診断結果にドキドキしました。
育児書や母子手帳の標準値も気になりました。
子どもたちが成人した今も、彼らが健康でいてくれていることを我がことよりも祈っています。
だから、宮沢りえさん扮する洋子さんの想いには、胸がつぶれそうなほど共感しました。
磯村勇斗さん扮するさとくんは、きっと心に深い闇を抱えていると感じました。
知り合いに、つらい過去がフラッシュバックすると刺青をいれる人がいました。
彼は、ほぼ全身に刺青が入っていました。
さとくんの背中にある大きな刺青を観たとき、この知り合いのことを思い出しました。
さとくんにとって、自分と繋がる方法は痛みなのかもしれないと思いました。
「世界には、そこで生きる人全員が幸せになれるだけのものがある。
それをその時その時必要なものだけ皆が使えば、誰もが何不自由なく満たされるんだよ。
自分がまず幸せになることを怖がらないで。」
というお話を、小さい頃絵本で読んだことがあります。
この時、私は、自分の幸せが他人の不幸に繋がらないと知って、すごくホッとしたことを覚えています。
周りの人がたとえ不幸そうに見えても、まず自分を満たしていいと、私は思います。
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