劇場公開日 2023年10月13日

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「期待度○鑑賞後の満足度◎ 久しぶりに男前なオダギリジョー。キャリア最高とも言える宮沢りえの名演。しかし本作のテーマは月(人間・社会)の裏側(見えない面)を描いて深く重い。」月 もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0期待度○鑑賞後の満足度◎ 久しぶりに男前なオダギリジョー。キャリア最高とも言える宮沢りえの名演。しかし本作のテーマは月(人間・社会)の裏側(見えない面)を描いて深く重い。

2023年10月27日
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鑑賞方法:映画館

①まだ記憶に生々しい事件を想起させる映画をこんなに早く作っていいのか、特に被害者の遺族の人は観ていて堪らないだろうなぁ、とは思った(『PLAN75』の冒頭シーンの時も心配したけど)。しかし映画としては画面から目が離せない力作。
②テーマは分裂している(一方は、現実から目をそらす・向き合わない、臭いものには蓋をする、キレイなものだけでうわべを繕う、本心を隠して嘘をつく、本心は違うのに自分を正当化するために自分の心にも嘘をつく等々の人間の心が持つ暗い面ーでも敢えて汚いことは隠すことも必要な時もあると思うけど…、でもう一方は、人とは何か、「心」とは何か、生まれて来なかった方が良かった人間などいるのか、障害者の人達は本当に可哀想な人達なのか、そう思う人の方が可哀想な人なのではないか等々の障害者を含めた人間が生きる意味)ようにも思うが、それを繋ぐ立ち位置に宮沢りえ扮するヒロインがいる。
③障害者殺人というジャーナリスティックな側面ばかり見ていると見落としてしまうテーマを持った作品だと思う。
どうしても其方に目が行くのは判るが。
④ただし、「さとくん」の発想はあまりにも短絡的・近視眼的・自分勝手で到底赦しがたいし、同情の余地はない。まあ、テロリストや銃乱射犯人の思考も似たり寄ったりだろうけど。
また、ヒロインに“貴女も同じ考えでしょう。だから仲間です”と言ったり、“誰かがやりなさいと言っている”と言ったり狂信的な点も垣間見得る。
耳が聞こえない恋人に(聞こえないのをいいことに?或いは聞こえないからこそ?)殺人の意思を告げたり、二階堂ふみ扮する同僚を無理矢理巻き込んだり、この男も結局自分で思うほど意志が強くなかったようだ。
⑤非難を覚悟で言うと、本作を観て実際の事件や事実もこんなだったと思うのは想像力が欠如していると言わざるを得ない。
悪人を演じたからといってその役者を悪人と思うのと同じこと。

もーさん