劇場公開日 2023年10月6日

  • 予告編を見る

「(便宜上のフルスコア)見る方を極端に制約するので要注意」ラ・ボエーム ニューヨーク愛の歌 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0(便宜上のフルスコア)見る方を極端に制約するので要注意

2023年10月8日
PCから投稿

今年346本目(合計996本目/今月(2023年10月度)11本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))

 この映画は「映画なの?」というのも微妙だったりします。一応映倫を通しているので映画ということなのでしょうが、実質的にミュージカルです(今日は同じ映画館で宝塚か何かのライブかをやっていたので、お手洗いなど行くとシアターどこだっけと迷ったりした…)。かつ、「イタリア語」です(英語は5%ほどは出ます)。

 私は原作のミュージカルを知らずに見に行ったのですが、それでも良かったかなというところです。ミュージカルって、例えば宝塚さんや劇団四季さんほかでも数か月前から予約しないと取れない席があったりしますからね。

 一方で極端に見る方を制限するという部分もあり、「とにかくミュージカルな映画「だけ」である」という点(何らかの映画性は本当に存在しない)のほか、「妙に甲高い声を連発して寝かせてもくれない」(まぁ、映画館は寝るところではないですが…)と、見る方は予告編ほか要チェックで、「事前チェックをしていない」と「なんじゃこりゃ」になりかねないので要注意です(ストーリーがどうこう以前に「映画館で」流される作品としては特殊すぎる)。客席は3割ほど埋まりで高齢者の方が多かったのが印象的だったところです。

 本映画を見て原作に触れようという「逆の方向」に私はなってしまいますが、それもまた良いのかな、といったところです。一応、原作をもとに現在のコロナ事情等の論点が足されており(「コロナ」という語は出ないが、マスクシーンや咳をするシーンほか存在する)、この「新解釈版」ともいえるのも良かったです。

 ただ、「映画館で」みる作品としては「???」な部分も多く、過去に例がないためどのような評価をするのかという「過去の例」がまるでなくどうしたものか…といったところですが、とりあえす評価なしにはできないので便宜上のフルスコアにしています。原作が存在するため、ある程度の「新解釈」はあっても極端に変えられないという事情もありますし。

 また、ここでは「登場人物」の「役者」の扱いでなんと日本人男性の方まで出てきますが、「イタリア語ができる」かつ、「ミュージカルにも対応できる」という方は少ないように思え、最近のいわゆる「多人種志向」を考慮したものと思います。および、「新解釈版」といえるこちらの作品では中華街かどこかにいくシーンもありますが、そこも日本語から類推がきく範囲であるので字幕なしです(そもそも、中華街に何が書いてあろうがそもそも関係がない)。

 (減点なし/参考/女性主人公の方のミミ)

 この女性、最初に本名がルチア(ルキアだっけ?)だという話は出てきますが、そのあとその話に一切飛ばないのは原作側の展開に沿ったものと思います(後半にかけてまたその話をしそうな部分もありますが結局出てこない。イタリアではよくある愛称なのかな?)

yukispica