変な家のレビュー・感想・評価
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入りはいいねんけどな…
たまたまやってたから観ただけですが…
何を見るでもなくテレビを点けていたら始まったこの映画。そのまま何の気なしに鑑賞し、作品に正対していた訳でもないのにこんな事を言うのもなんですが、うん、まぁ普通?という感じでした。
一見普通に見えるが、よく見ると奇妙な違和感を覚える家の間取り。その違和感の正体を追っていくうちにその裏に隠された恐ろしい真実に辿り着くという物語なのですが、その違和感の正体や隠された謎を追う過程が淡白過ぎる感じがします。
映画の序盤、主人公たちが間取りの謎について推理していく展開がある訳ですが、それが「何故そうなる?」というような、いくらか強引で突飛な印象を受けます。ところが結局その突飛な推理が物語上では正解であり、「あっ、そうなんだ…、へー」という感じで物語はどんどん進んでいきます。
途中出てくる謎めいた登場人物の素性も、不可解な言動をする人物のその意図も割とあっさり明かされていき、中盤以降は「誰々さんの知り合い」みたいな感じで芋づる式に次々と重要な証言者が現れ、その証言者の証言に沿って次の目的地へ移動していけば、事の核心へ迫っていけるため、「コレそういう事だったのかぁ!」というような謎が解き明かされた時の快感もえらく薄いです。それと途中、主人公が2回くらい気絶しますが、これも目が覚めたら絶体絶命‼の様な状況になっている事もなく、なんともストレスフリーな映画なのです。
なのでスイスイ見られてしまうというのはその通りなのですが、それ故にこちらの予想を大きく覆してくる展開もなく、「なんで1人で行くの?」「なんでここに居るの?」「なんで今それ言うの?」というツッコミどころが悪目立ちする結果になってしまった感じがします。
これらのツッコミどころは大抵のホラー映画にあるものなのですが、面白いホラー映画というのはツッコミどころもご愛敬という感じで映画の評価を下げる要因には余りならないと思うのです。ツッコミどころのマイナス要因を、恐怖のシチュエーションであったり、人の情念の描写であったり、おばけや怪物の設定や造形であったりという何かしらの秀でたプラス要因で上回り、ホラー映画特有のご都合主義展開をフォローしているのだと思うのですが、残念ながら私には本作からマイナスを上回るプラス要因を見出す事はできませんでした。
この映画が公開されるより前の事なのですが、普段YouTubeを見る習慣のない私が、その時はたまたまYouTubeでモキュメンタリー系のホラー動画を漁っていたのです。
その際にこの映画の原作者である雨穴(うけつ)さんの動画に出会いました。最初に見た動画は『恋愛シュミレーションゲーム「おせちプリンセス」』です。
黒い全身タイツに白いお面という出立で、先ず人なのか?人ならざる者なのか?とにかくどういう存在であるのかまったく謎な雨穴さん自身が、おせちと恋愛するゲームを淡々とプレイしながらコメントを呟くという筆舌に尽くしがたい世界観に興味を惹かれ、雨穴さんがあげている動画を見て回ったのです。
オリジナル楽曲やグロテスクな自作オブジェなどどれも薄気味の悪い動画ばかりなのですが、その中にホラーミステリー動画があります。
雨穴さんの元に寄せられる奇妙な事象の相談事。雨穴さんは持ち前の調査力と洞察力でその奇妙な事象の裏に隠された真実を紐解いてゆくという内容のホラーミステリー動画は雨穴さんのYouTubeチャンネルの人気コンテンツです。
いくぶんくたびれた感じの小部屋で、小さなちゃぶ台の上に時代錯誤なブラウン管モニターのPCを置き、片手に固定電話の受話器を、もう片方の手にペンを握ってメモを取る雨穴さん。動画の大半はこの絵面で占められていますし、物語や謎解きについては映画同様(原作者なのだから当たり前ですが)いくらか強引で突飛な印象を抱くものも多いのですが、個人製作で出演者も実質1人という超限定的な条件の中で、見始めたらついつい最後まで見入ってしまう物語を紡いでみせるその手腕に感心させられます。
そして見た目の不気味さんに反して妙に丁寧な物腰 や ほんわかした雰囲気を醸しだす雨穴さんに親しみを覚えてしまうのです。つまり雨穴さんの動画の面白さの大半は雨穴さん自身の魅力によるものだと思うのです。
ならば雨穴さんの動画をそのまま映画として公開すればいいのか?というと多分それも違うのでしょう。YouTubeにあげられた無料公開の個人製作の動画と劇場公開の映画作品とではやはり求められるものが違うのだと思うのです。その違いはもしかしたらそれぞれの媒体に対する私の勝手な固定観念でしかないのかもしれませんが、映画化に際してはやはり映画に最適化する作業が必要だと思うのです。そうして映画化した事で映画ならではの面白さが加味されたのなら良かったのでしょうが、なんとも平凡な出来に落ち着いてしまっています。
実際にどれほどの予算で作られた映画かは知りませんが本作からは別に安く作った印象は受けません。出演陣も有名どころで固めています。しかし本作からはホラー映画に何より必要だと思う、作り手側のアイディアと情熱(ホラー映画に限らずか?)を感じることが出来ませんでした。
この映画からはある程度の集客は固いだろうという醒めてはいるが商業的に的確な判断の企画と、全体をソツなく仕上げた面白みのないプロの無難な仕事があるだけだったと感じ、鑑賞後に少し虚しい気持ちになる映画でした。
これが大ヒットしたの?
どこかおかしい…
驚異の再生回数
この映画版もテレ東の何かおかしいも雨穴さんのオリジナルYouTube動画に劣る。
つまり一介のウェブライターである雨穴さんがつくった映像作品のほうが映画よりもドラマよりも面白い。
オリジナルYouTube動画は2,354万回再生である。(2024/10現在の『【不動産ミステリー】変な家』の再生回数)
とうぜんながら映画には雨穴さんの動画にある、あのまがまがしい気配はない。
なんと言ったらいいのか、因習ある村の土蔵でなにかの死骸を見つけた、みたいな・・・雨穴動画には、模倣できないオリジナリティがあると思う。
さらに雨穴動画には、さいしょはバラバラに見えた事象がじょじょに重なって、最終的にみごとに合わさる筋立てがあるし、栗原さんとのやりとりでちょっと笑いもとったりするが、映画版にそれらはなかった。
映画版は長くてダレる。間宮祥太郎はふつうで川栄李奈は地味な役だったこともあるが精彩を欠いていた。栗原さん役の佐藤二朗のちょっと豆柴シリーズ風の演技だけはよかった。
失敗のポイントはおそらくドキュメンタリー調でつくらなかったこと。
もともと雨穴動画は疑似ドキュメンタリーだが映画はドラマ展開になっている。疑似ドキュメンタリーとはノロイ(2005)や残穢(2015)のように役者がドキュメンタリーの振る舞いをしながらすすむ構成。ナレーションによって進むことと、関係者への取材のようすが描かれるスタイルで(白石晃士のほかの作品はともかく)ノロイは個人的には日本映画50選に入る名画だと思う。
残穢も中村義洋監督の確かな演出力に裏打ちされた怪談だった。ちなみに『劇場版 ほんとにあった!呪いのビデオ100』(2023)は中村義洋監督が演出していて、呪いのビデオ──なんていう旧弊な素材でも中村義洋が演出するとちがうことがよくわかる。unextで見られます。
残穢での竹内結子の落ち着きあるアルトのナレーションを覚えている人は多いと思う。
疑似ドキュメンタリーではナレーターがもたらす恐怖感が大きい。同様に変声がほどこされた甲高い雨穴氏の声は雨穴動画の怖い雰囲気を担っているところが大きい。
ただし映画版では、雨穴動画がもっているそれらの人気の因子・魅惑の要素がことごとく欠けており、特徴のないホラーになっていた。おぞましい顔つきのお面をつかって怖がらせるのも興醒めだった。
雨穴さんはバイラルになったから映画やテレビへ展開したわけだが、雨穴さんがもっている感性が映画やテレビへ巧く変換できなかった、とも言える。
いびつで不気味でグロテスクで、だけどなんか可笑しさもあり、ストーリーだけでなく超ヘンなMVや爪あつめや寄生マトリョーシカや皮膚おりがみのような異形物体の解説動画も繰り返し見たくなる怖さとキモさと面白さがある。あれらはYouTubeだから成立しえた、というのはあるかもしれない。
これぞ佐藤二朗の真骨頂
水回りが分散している、2階中央の子供部屋にトイレがあるなど、全体的に動線のつくりが悪い家だとは思いましたけれども。
事前にフライヤーを見ていた段階から。
人間は、ある程度は長く生きてきた人で、悔悟とか、後悔とかの情念を、一つも抱えていない人って、いるんだろうか。
その悔悟、後悔の苦しみから逃(のが)れようとして、怪しげな呪術にのめり込んてしまうことを、理解できないこともないと思います。
評論子は。
(もちろん、それが何らかの犯罪行為に該当するのであれば、そのことは厳しく訴追されなければならないことは、別論。)
別作品『さがす』で、その演技に新境地を開いたと評されている佐藤二朗ですけれども。
むしろ、本作の方が、評価に価するのではないかと思いました。評論子としては。
介添え的な役柄ながら、佐藤二朗が演じた建築設計の専門家=建築士?=という役回りがあって、初めて本作のストーリーが活きていたように思うからです。
あまり顔には表さず、感情を封じ込めたかのような、持ち前のキャラクターが最大限に活かされたような佐藤二朗の演技は、いかにも専門家らしい、落ち着いた、揺るぎのないものだったと思われました。
ほんの数年間ではありますが、モノホンの建築士と一緒に仕事をし、彼らの仕事ぶりを備(つぶさ)に見ていた評論子としては。
以上をひっくるめて、良作としての評価としておきたいと思います。
(追記)
一映画ファンとしていうなら、原作はともかく、映画化に「なまじっかのホラー映画的な要素」の味付けは、評論子的には要らなかったのではないかと思いました。佐藤二朗で、充二分に観せて(魅せて)もらった本作としては。
(追記)
落しが横溝正史がかりで「金田一耕助が、いつ出てきてもおかしくない」という趣旨の、少なからぬレビュアーの意見には、評論子も、まったくを以て同感です。
(別作品『犬神家の一族』で金田一耕助役を怪演した石坂浩二は、別な役回りで出ていたようです)
怖いもの見たさで…見に行ったが…
封切りから1カ月半以上たち、GW明け平日昼間の映画館に、100席ほどのところに客は10人ちょっと。案外と入っているといえようか。
最終場面まで来て、ようやくパニック的な脅かしシーンが出てくるが、それまでは間取りがどうたらこうたら、変な家とは…みたいなしまりのない説明が多く、見る者の恐怖心をがっちりつかむような場面はなかった。
タイトルから期待して見ると、がっかり、失敗した、と感じさせる映画である。
ホラー映画の金字塔「悪魔のいけにえ」(1974年)をはじめ、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」(1999年)、さらには石坂浩二まで起用しての金田一耕助シリーズのような、過去の恐怖映画のつまみ食いがあり、それがパロディーにもなりきらない中途半端さ。
笑いも、恐怖も及第点に達しない。
「原作」がどういうものか知らないが、それが最初からつまらないのか、企画・脚本段階でどうにもつまらなくなったのか。最初から、怖さもひねった物語性もないものだったんじゃないか、と思ってしまう駄作だ。
ふざけるならふざける、徹底してシリアスに恐怖に落とし込む…といった内容ではないのだ。
いろいろな仕掛けの部分や、設定その他でも突込みどころ満載で、見ていても共感も、恐怖世界への没入もあり得ないレベル。
石坂浩二や高嶋政伸なんかがよく出演したなー、と思う。
ポイントがたまっていたので、ただで見たが、これをシニア料金1300円払って見たとしたら、カネも時間も返してほしい、と思ったと思う。
金田一少年の事件簿
ホラーかと思ったらミステリー
えー…
原作無視の変な家と言うより変な村
レビューで聞いてはいたけどちょっと酷い。原作者のファンだったので見てみたけどそもそも家の間取りの件入りが強引すぎるし、変な家の間取りとニュースネットに上げちゃダメでしょ笑住所特定容易すぎる。
片桐柚希(家に同行してる女の子)が原作と違い陰鬱な怖い人になってるしそして初対面の人家にあげるわその後襲われる展開とかねぇし仮面何あれ…そんなのありません。大体1回襲われかけた相手家にもっかいあげます?服貸しますか?洗脳とか出てきたら途端に嘘っぽくなってきたし。
本家に行くところとかあんな一家総出だったっけ?普通にびっくりシーンあったし、ようちゃんの下り大事だったのに無いし謎の左手供養始まるし。いつから村総出になったんwチェンソーは笑ったわ笑笑
殺されそうになるわ原作だと死んでなかった人が死んだ扱いになるわ。ラストはまぁ良かったけども。なんかちょいちょいゲ謎パクったような…なんとも因習村というか…
とにかく原作無視が酷かった。後半とか原作だとフル無視だし。雨穴さん可哀想
息子は楽しんでたのでOK!
ゲームとサメ映画ぐらいしか興味示さない息子が珍しく観たいというので観に行った。クラスで話題というのが理由らしい。
で結論から言うと、なんじゃこりゃ、な映画だった。元々の原作が人気というのは何となく知ってたけど、原作が面白いのかどうかはともかく、多分これ、原作とは全然違うんだろうな、というは分かった。
間取りが云々という幕開けから無理矢理に殺人家族の推察、闇の一族の存在へと繋げていく物語は、どう考えても(多分)原作の間取りを使った考察ミステリだけでは映画にならないから何とか映画っぽいストーリーに仕立てないといけないという苦肉の策の結果だと思われるのだが、それが使命感すら感じさせる強引さで、酷い物語なんだけど涙ぐましいと勝手に思えてしまった。実はこれが原作通りなのだったとしたら、逆にびっくりするけど。
ちゃんと映画にしようという気概は他にも要所要所で感じられて、ホラー的場面はちゃんとJホラーの流儀を感じるし、物語最後の舞台へ移動する際にいかにもな空撮になっちゃうのも、コレは映画なんだよーっと訴えているようだった。
とは言え、物語の辻褄合わせのテキトーさを筆頭に、悪役たちが自分達は悪いことやってるとは思っていない筈なのに全員悪そうなマスク被ってたり、編集が雑過ぎたりして、真面目にちゃんとした映画にしようと思っているのかは疑問。なにより今の若年層に流行ってる原作の映画化なのに、映画自体は昭和な田舎ホラーのクリシェをやっていて、鬼面被った田舎者がワイワイやってる場面とかは作り手もギャグでやってるだろうとしか思えなかった(実際笑ってしまった)。石坂浩二のキャスティングも横溝正史リスペクトというよりはギャグかな、という感じだったし。
なので、無理矢理な原作改変(多分)、それでも映画としての筋を通したい、と思いきや雑な田舎ホラーテイスト、という組み合わせで謎の作品が出来上がっていて、個人的には「何じゃこりゃ感」で楽しめたんだけど、原作ファンとか原作本の評判から観にきた客は果たして許容出来るのかは心配になった(余計なお世話)。しかし息子は、あんまり怖くなかったけど面白かったと言ってたので、まあいいのかな。
あと主演の間宮祥太朗はかっこよかった。佐藤二朗の演技は辛かった。それとせっかく斉藤由貴出すんなら、実は潜入デカで最後悪い奴を一網打尽、ぐらいやってくれればよかったのにね、とは思った。
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