「市井の女性のリアリティ」ロスト・キング 500年越しの運命 La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)
市井の女性のリアリティ
シェイクスピアによって悪の王として描かれ、背骨の変形故に人格も歪んだかの様な偏見を持たれていたリチャード3世(1452~1485)は、遺体を川に投げ捨てられたと伝えられて来ました。そんな伝承に疑問を持った歴史好きの一介の主婦が、死後500年経ってリチャード3世の遺体を現在の駐車場の地下で発見した実話に基づく物語です。
「こんな事本当にあったのか。事実は小説より奇なりだなぁ」の驚きに映画らしいファンタジーを交えたお話に引き込まれます。また、そうした成功譚だけでなく、この歴史的偉業を大学のアカデミズムが自分たちの成果として掠め取ろうとする経緯が描かれている事にもゾワゾワする真実性がありました。
そして、サリー・ホーキングは、市井の女性を演じた時のリアリティを失わない魅力がいつもながら抜群でした。凄い女優さんだな。
2023/12/5 鑑賞
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