「BBCが作る良作」ロスト・キング 500年越しの運命 ニコラスさんの映画レビュー(感想・評価)
BBCが作る良作
歴史的な発見にスポットを当て、国営放送局が制作した今作品ですが、登場する誰かに肩入れすることなく客観的なドラマへと仕立て上げたように思います。
ですから主人公は発見者であるフィリッパ(サリー・ホーキンス)であっても、偉業は評価されこそすれど、英雄とした扱いではありませんね。
誰しも善き処、悪しき処はあるものだ。そんなスタンスで忖度することなく描き出されたことが観終えた時の爽快感に繋がったような気がします。
一緒に観たパートナーの感想は「フィリッパって、ヤバい人だよね」でした。
確かに思い込みの激しさ、そして自らの病気をも前面に打ち出して戦う姿やのめり込んだら家庭も顧みない一点集中、確かに一般人としてのわきまえからは逸脱しているかもしれません。でも、古の時から、そういった突き抜けた人たちの情熱で偉大な発見に繋がったものって沢山ありますよね(ワタシが思い当たるのはシュリーマンの「トロイの木馬」くらいですが)。
家庭人としては難しくて、周りが振り回されても漲る情熱がいずれは周囲を協力者にさせてしまう、力で圧倒されてしまう人の生きざまに感服させられた良い作品でした。
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