「どっちでもよかったマエストロ」ふたりのマエストロ norinoriさんの映画レビュー(感想・評価)
どっちでもよかったマエストロ
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高級アパルトマンでの優雅な生活。クラシックの名曲が作品の一部として溶け込んでいる。さすがマエストロが主役の映画だ。目と耳の保養にはなる。役者もそれぞれ魅力的だった。
しかしこの作品、主役をマエストロに設定したがゆえに三流映画になってしまったようだ。2人の指揮者が同じ舞台で同時にタクトを振るという結末はありえないにもほどがある。現実にそういうことがあるとかないとかいう問題ではなく、トップ芸術家父子の葛藤の解決として、あれはないだろう。もっともあの2人が芸術家としてどう違うのか納得のいく描写がないので、そもそもスカラ座の音楽監督は間違えたままお父さんの方でもよかったのではないか。
安易な予定調和に落胆しきり。いっそ同じ配役で街角のパン屋でリメイクしたらもう少し共感できる話になったと思う。
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