「やべぇヤツ来た…」イノセンツ TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)
やべぇヤツ来た…
元々、なくすほどの語彙力がない私。こういう映画を観ると、巧く評せない自分が残念で仕方ありません。
何となく「1日(ファーストデイ)」は混むだろうと、一日遅らせて水曜のサービスデイにTOHO日本橋へ。小さい箱(シアター2)でしたが、18:20の回はまぁまぁの客入り。相変わらず情報シャットダウンして挑む私としては期待が高まります。
そして始まって早々、まだ状況を呑み込めないうちからもう何となく意地悪く、嫌な気持ちになります。更に、そんな気分を助長させる劇伴が輪を掛けます。最初に言っておきますがこの映画、ずーっとこの調子です。観ていて逃げ出したい気持ちを抑えつつも、「この展開だとこれが次にこれが起こるんじゃないの?でも起きたら嫌だな、、、わー来る、来る、来る、ギャーッ!」(ホンと語彙力無くてすみません。。。)兎に角、何なのこの「お約束展開」と思いつつ、これだけ容赦がなく嫌ぁーな気持ちにしてくれる映画に感服です。
中でも特にえげつないのが「音」演出ですね。気に障る音で嫌悪感を生ませ、起こることを否が応でも想像させる具体的な音で恐怖を煽り、極め付きはまさにそれが起こった時の「音」。特に何度か聴かされる「アレが砕ける音」はトラウマもので要注意です。
そして、キャスティングがまた絶妙。メインキャラクターの4名がいずれも表情、仕草、間合いなどトータルで素晴らしく、展開における組み合わせや、さっきまでとは明らかに異なる関係性の変化など、状況の悪化を説明不要に感じさせてくれることで、観ている我々に逃げ場を与えません。
ギミックとしては特に新しくもないのに、ありそうでなかったアイディアで終始楽しめます。とは言え、万人受けタイプからは程遠く、不気味が好きならちょっと覗いてみてもらい、出来たらひっそり共感したいような作品です。個人的には結構好き。素敵です。