「最高の膝エンターティメント」劇場版 僕とロボコ じろさんの映画レビュー(感想・評価)
最高の膝エンターティメント
実に楽しい。劇場映画とは思えない65分という長さも思い切りが良い。笑い倒して一気に観終わってしまった。諸所に隠した罠(?)のような仕掛けに驚き、そして笑い飛ばせる。他有名作品のオマージュであろうギャグは、ドラえもん以外ちんぷんかんぷんだったが、とにかく笑えた。主人公の女性ロボット「ロボコ」が、小ズルく執拗で妬みやすいのが良い。人間よりも遥かに人間らしい。年をとって、瑣末なプライドによって、自分がかつて背中に隠してしまった小さい自分を見透かされているような、包み隠さぬロボコの言動に心を揺さぶられる。良い部分悪い部分も隠さず堂々と表現する純粋な台詞に、胸が締め付けられる。自分をさらけ出し前へ進む者の生き様は、なんと勇敢で滑稽なのだろう。こんなに日本の映画館で大声で笑っていいのだ、と目から鱗が落ち、心が洗われた。孫がクライマックスでロボコと一緒に必殺技を叫んでいた。私も自然と声を出していた。こんな映画体験は、若かった家内と35年前に一緒に観たニュー・シネマ・パラダイス以来である。名作に会えた。
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