名探偵ポアロ ベネチアの亡霊のレビュー・感想・評価
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ポアロも亡霊を見たのか?
ベネチアが舞台ってことは、お洒落な街並みとサスペンスがうまく絡んで、美しい映像が…なんて期待したのだが、あら、ジメジメとした暗い街という印象にしか映らなかったのが残念。亡霊、が題材なので仕方ないのか。相変わらず人とは違う視点で細かい事に気が付くポワロの謎解きはさすがだが、今回はキャストの迫力がちょっと不足していたかなあ。ケネス・ブラナーならやっぱり期待が大きくなるので、もう少しダイナミックな展開が欲しかったかな。
ジュード・ヒルの演技力にビックリ!!
よくできたミステリーで文句なしの面白さ
ポアロを主人公にした、ホラー仕立てのオリジナルストーリー?
個人的には残念
とうとうクリスティの作品が改変されましたね。
ゴシック・ミステリーの王道
アガサ・クリスティーのミステリー『名探偵ポワロ シリーズ』を、ケネス・ブラナーが主演のポワロを演じ、それだけでなく監督や製作の三役をこなしてきた第3弾。
これまでの『オリエント急行殺人事件』や『ナイル殺人事件』は、原作も読んだし、過去の映画もリアル・タイムで観ていたため、物語の流れや犯人も分かって鑑賞したが、今回は自分としても全くお初の作品。犯人は誰か?どんな結末が待っているのか、楽しみに鑑賞した。
舞台は、水の都ベネチアに佇む、嘗て多くの子どもがそこで命を落とし、その亡霊が現れると噂される、謎めいたホーンテッド・マンションの様な古い館。そこに住む若い娘が、命を絶ったことで開かれた、嵐の夜のダークな降霊会。そして、そこで起きる、不可解な連続の殺人事件。ゴシック・ホラーとミステリーの王道の舞台が整ったところに、名探偵ポワロが登場❣
女流作家と共に、降霊会に参加することになったポワロだったが、元々、霊媒などは信じないポワロは、その霊媒者のインチキに気づき、早々と気づき種明かしをしてみせる。しかしその後、自分自身も命を狙われ、連続殺人が起きる中で、ポワロ自身も疑心暗鬼に包まれながらも、真相究明へと推理を巡らす。
今回も、殺意を持ち、犯人と思しき者が何人も登場し、ポワロが聞き込みをしていく中で、犯人に辿り着いていくのだが、そのシーンは、映画というより舞台の会話劇の様な印象。ポワロの隙が無く、人々に反論の余地も与えない、突き詰めた長い台詞の喋りは、ブラナーが、ポワロらしさを見事に引き出して演じている。
但し、犯人は途中から何となく読めて、結果、案の定だった。アガサ・ミステリ―らしい結末とも言えるし、こうした結末は、横溝ミステリーでもよく見られ、これもまたミステリーの王道と言える結末の作品だった。
疑心暗鬼。1回観て全てを把握するのは難しいかも。
ガバガバセキュリティ
「オリエント急行殺人事件」「ナイル殺人事件」と来て、「名探偵ポアロ ベネチアの亡霊」ですか。配給会社も相当頭を悩ませたでしょうな。どうやったらこれまでの観客が戻ってくるかと。それはそうと、シリーズ3部作の最終章(?)に当たる本作。そこそこ期待していましたが、それなりに期待に応えてくれたって感じで、まぁまぁな出来でした。
はっきり言って、アガサ・クリスティの原作小説はかなり前のものなので、現代に実写映画化するとなるとそれほど新鮮味もないし、驚きもない。アガサ・クリスティの小説を元に、様々なミステリーが描かれてきただろうし、今更そのタネで騙されないかな。別にありがちだし。中盤の推理パートは画面が暗すぎるのもあって、めちゃくちゃ睡魔に襲われる。一緒に謎を解いているというよりも、ポアロの推理を見せられている感が強い。
お初にお目にかかりますなキャストばかりだったんだけど、キャラの描きが薄いながらにみんないい演技していた。しかしながら、そんな中で一際目立っているのはミシェル・ヨー。2023アカデミー賞主演女優賞を勝ち取っただけあって、その実力はホンモノ。あの映画はとことん好きになれなかったのであまり注目していなかったけど、この手の映画となるとまた別格。ケネス・ブラナーとの相性も良く、1人だけオーラが違いました。
ミステリーとしてみるとスッキリしない部分が多いけど、ベネチアの街並みはやはり美しく、全貌を舐め回すようなカメラワークは思わず酔いしれてしまった。ケーキを食べているだけで最高のショットになるんだから、この街が持つパワーは凄まじい。エンドロール前も過去最高に気持ちよかったし、結局は満足。推理してやろうと勢い込まず、旅行気分で楽しましょう。
平日にも関わらず、かなりの集客。
カッコ良さを犠牲にして名探偵ポアロと付けたかいがあったのかな。個人的にはナイル殺人事件が1番のお気に入り。といっても、このシリーズはどれもパンチが無くてあまり印象に残らないんだよな〜。そういう面では、本作が最も脳裏に焼き付きました。
追記
男の子、ベルファストの子だったんだ。通りで見覚えがあったわけだ。すごい俳優になりそう。やっぱり上手かったです。
ホラーとミステリーの狭間
シリーズ3作目は、私好み。1作目が良くて、2作目は期待外れ。ポワロの濃いキャラが立っているかどうか、そうした余韻が残るかどうかに、満足度の分かれ目があるように思います。
ハロウィンの夜、嵐の中、お化け屋敷に閉じ込められ、というホラー的な舞台で、お化けなど信じない名探偵ポワロが事件の謎解きに挑むという、典型的な密室ミステリーです。
事件自体は合理的な推理で解決されるので、ポワロの活躍に目を奪われるのですが、冷静にストーリーを辿れば、神秘的な未解決問題が残されたことに気づきます。前2作を観ていれば分かるポワロの切ない背景事情も関係しており、隠し味のように余韻を醸し出しています。
そういう訳で、4作目はどんな展開になるのか楽しみです。
アガサ・クリスティ原作のハロウィン・パーティを大胆にホラーアレンジした作品。
その変なチョビ髭を取れ
ベースとなっているのはクリスティの「ハロウィンパーティー」。ただしハロウィンが題材なのとポアロが友人の女性作家と同行し事件に巻き込まれることくらいが一緒で役名をそのまま使っていてもお話は全く異なる。ミシェル・ヨーの演じる霊媒師ジョイス・レイノルズは原作では殺人事件を目撃する13歳の少女の名前だったりする。
そもそも原作の舞台はロンドン郊外の邸宅なのでベネチアに移した時点で換骨奪胎、ほとんどオリジナル脚本みたいなものです。アメリカ資本の映画だけど制作陣はケネス・ブラナーもリドリー・スコットも英国人。グランドツアーじゃないけど英国人のDNAには大陸への憧れみたいなものがあるのだろうね。オリエント急行、ナイル殺人事件に引き続き英国以外に話をもっていった。
ただ、非常に良くできた脚本で、謎解きに全くの矛盾や不合理を感じさせません。ベネチアの風物や怪奇趣味をとても上手く織り込み十分楽しめる内容になってます。オリエントやナイルのようなビッグネームに頼らなくてもシリーズとして見応えのある映画をつくることができることを証明したので是非この路線で次作もお願いしたいところです。
一つだけ、ケネス・ブラナーのチョビ髭はやはりアルバート・フィニーやデヴィッド・スーシェのポアロを観てきた我々にはなんか前例をなぞっているというかコスプレみたいに見えてしまいます。ケネス・ブラナーは身のこなしがとても英国人的というか、今までのポアロ像からはどうしても異なる部分は隠せません。でも、演技の厚み、オーラのレベルが違っており堂々たるポアロを演じていると思います。だったら別に変なチョビ髭をつけることなく外見的にも新しいポアロを創り出したらいいんじゃないかと思いますが。
自撮りの探偵?
S(すごく)F(ふつう)
今回は完全密室劇
オリエント急行、ナイルに続くケネス・ブラナー版ポワロの第3弾。今回は完全密室劇である本格ミステリー。ポワロも前作と違って探偵らしい活躍。
舞台は第2次大戦直後のベネチア。
ナイルの事件後に引退し優雅に暮らしていたポワロのもとに知人のミステリー作家オリヴァが訪ねてくる。ハロウィーンに行われる降霊会に参加しないかという誘いだった。
霊媒のインチキを暴きたい好奇心からポワロは参加することになるが、その会場となった屋敷は嵐のため孤立。
次々に起こる霊による?ミステリアスな出来事。翻弄されながらもポワロの脳細胞は回転し始めるのだった。
原作はアガサ・クリスティの晩年の「ハロウィーン・パーティー」
前2作のような大作ではないが、ホラー要素のある推理ミステリーの佳作です。
地味だが上映時間も103分で手ごろに鑑賞できます。
B級カルト系ホラーっぽい
幻想的というか、子ども向きなスリラーというか、少なくとも本格ミステリじゃなかった。
ケネス・ブラナーの美学が炸裂していて、もはやポアロでもなんでもなかった。
解決に至っては、思い切り他人の協力あってのものだったし。
ラストに至っては『シックスセンス』っぽい。
個人的にはミシェル・ヨーの怪しさが最高だったし、面白いとは思ったけれど、B級カルト系ホラーっぽくて一般にはおすすめはしにくいかな。
へ?
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