名探偵ポアロ ベネチアの亡霊のレビュー・感想・評価
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すごい評価低いけど
予告見た時からポアロでベネチアが舞台の話なんてあったかなと思ってた...
ハーヒュー(私の感嘆の声)
程よいホラー的な味付けが良かった
ケネス・ブラナー監督・主演のポアロシリーズの第3弾でした。ポアロと言えばデヴィッド・スーシェ、デヴィッド・スーシェと言えばポアロと言うほどに人口に膾炙しているポアロのテレビシリーズに"挑戦"するケネス・ポアロですが、第1弾の「オリエント急行の殺人事件」はオーバーアクションじゃねと思ったものの、第2弾の「ナイル殺人事件」では慣れてきたせいもあってか、結構嵌ってきた感じでした。
そして迎えた本作ですが、原作の「ハロウィーン・パーティ」の本筋を踏襲しつつも、舞台をベネチアに移したことを始め、登場人物やシナリオを大幅に変えており、全く新しい物語として楽しめました。特にホラー的な味付けはデヴィッド・スーシェ版にはなかった(というか原作の小説にもなかった)ものであり、この方向性と程よいバランスは非常に良かったと思います。
また、舞台となった水の都・ベネチアの風景が美しくもあり不気味でもあり、この辺りの映像美も見所のひとつだったと感じました。
そう言えば「オリエント急行の殺人事件」は東ヨーロッパ、「ナイル殺人事件」はエジプト、そして本作がベネチアと、ケネス・ブラナーのポアロシリーズはいずれもロンドンを離れた場所での事件であり、またオリエント急行は雪の白、ナイルは砂漠と太陽の黄、そして本作は水の都の青と、作品ごとにこだわった色調があるようで、仮に第4弾があるのであれば、舞台がオランダでチューリップの赤がイメージカラーになるのかなと想像したりしたところです。
俳優陣ですが、ケネス・ブラナー以外で注目したのはミシェル・ヨー。「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」で本年の米国アカデミー賞主演女優賞を受賞した彼女が、不気味な霊媒師を怪演しており、個人的にはエブエブより良かったんじゃないかとすら思いました。
過去二作を上回る
ベネチアに行きたい
悪くは無いが・・・
観る人が???なポアロ解説
ポアロのヤル気スイッチがオンに。ウダウダくすぶってたポアロの再生はやはり謎解きだった。
最初のほうで、ポアロが、知り合いの作家女史に、「世界で1番頭がいい自分でも、降霊会のトリックを見破れなかった。だけど、もし世界で2番目に頭がいいあんたに謎解き出来るならやってみなさいよ」みたいな感じで上手くのせられた場面が面白かった。
その少し前に、「あんたの作品は全部面白いけど、ここ最近の3作は駄作ネ」とか言ってコキ下ろされていたし、自分が2番目と言われたことに内心カチンと来てて、負けじ魂に火が着いたのかもしれない。
後になって作家女史とポアロのボディーガードが最初からグルであったことにポアロも気付く。だけどこの時点では、(どうも最近やる気がないし、作品もイマイチらしい)ポアロは彼女にヤル気スイッチを押されたのじゃないかと思う。
さて、心霊現象は全て幻影だったのか?ポアロが話したドアに半分隠れた少女や聞いた歌声は幻だったのか? それらをどう解釈するかは見る人によって様々だろうが、娘を殺した母親が海に引き込まれていくシーンは示唆的だ。
事件解決後、ポアロは今までの心霊現象も全て幻覚だったと断じる。しかし聡明なポアロのことだから、この世には科学や自分の知性だけでは解明できない謎(心霊現象だけでなく)が存在するかもしれないと0.01%ぐらいは感じていると思う。
この作品がミステリーとして優れてるかどうかは分からないが、ポアロが最後にポンポン謎解きしていく様は小気味良かった。
戦争で心を病んだ父親と、それを暖かく見守る早熟な男の子の親子関係が良かった。今で言うヤングケアラーっぽい。部屋に外から鍵をかけられ殺人フラグが立ったときには、この子の父親を殺すのだけはだけは勘弁してくれーと絶望的な気持ちになった。終盤、この男の子にかけるポアロの暖かい思いやりにウルっと来た。
生き残った人達はそれぞれ新しい一歩を踏み出す形で去っていく。聡明な男の子が新しい家族のもとで幸せになってほしいと願わずにはいられない。ポアロも復活である。
スクリーンで観る、最高に贅沢なクリスティーンの舞台劇
体感するミステリー
今回も自分のアップ多め
安定感のあるシリーズ
終始淡々として派手さはないのね
格調高く上質なミステリー
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