「もの悲しい余韻」名探偵ポアロ ベネチアの亡霊 ココヤシさんの映画レビュー(感想・評価)
もの悲しい余韻
ヴェネチアで引退生活を送っていた名探偵エルキュール・ポワロ(ケネス・ブラナー)が、旧知の推理作家アリアドニ・オリヴァ(ティナ・フェイ)の誘いで、ハロウィンに大物歌手ロウィーナ・ドレイク(ケリー・ライリー)が開く降霊会に参加する。ロウィーナの娘はマキシム・ジェラード(カイル・アレン)に一方的に婚約を解消されたショックで自殺しており、ロウィーナは娘の霊と会話したがっていた。ところが、降霊会で霊媒師ジョイス・レイノルズ(ミシェル・ヨー)が、娘の自殺は殺人だったと言い出す。「続きは明日」と言いおいて帰ろうとするが、バルコニーから何者かに突き落とされて死亡してしまう。嵐で孤立した邸宅で、怪奇現象に悩まされながら、ポワロは取り調べを開始し――といったストーリー。
自分はポワロといえばすぐにTVシリーズのデヴィッド・スーシェを思い出すので、髪の毛ふさふさのポワロには違和感があるが、ブラナーは彼なりに役作りをしている。
舞台はヴェネチアだが、事件は邸内で進行するので、全編に美景が展開されるわけではない。
ホラー・テイストのある作品だが、その謎はクライマックスで解決される。ラストにもの悲しい余韻が残されて、佳作となっている。
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