「ポワロものにする必要あったのかな?」名探偵ポアロ ベネチアの亡霊 sunbeams72さんの映画レビュー(感想・評価)
ポワロものにする必要あったのかな?
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映画の撮影地、雰囲気、セット、映像、俳優の演技等は素晴らしく、一つの探偵映画として良い作品だと思います。
原作の「ハロウィーン・パーティ」を読み、デヴィッド・スーシェ主演のHallowe'en Partyを見てから、違いを楽しむべく映画館へと行きました。
ここからは、ネタバレとなります。
原作とあまりにも内容が違っていたので、なんでポワロものにしたんだろうと、正直思いました。
原作ではのどかな田舎町でハロウィーンをきっかけに、子供達が殺されていく。
目的のためなら、子供を殺すのも厭わない犯人がのどかな町で殺人を繰り返す恐ろしくも魅力的な作品です。
本作では、非現実的なオカルトの世界の中での殺人を扱っています。
舞台が一つの建物に限定され、一晩で人が殺されていきます。
登場人物と設定が原作と違っている点があるので、殺されるのも違う人、殺す動機も違うし、殺し方も違います。オリバ婦人ともあんな関係になっちゃうし、原作との乖離がすごいです。
ハロウィーン・パーティに強い影響を受けて作った新作品といった感じです。
だからタイトルもハロウィーン・パーティではないのでしょう。
探偵はポワロである必要はなく、普通の探偵映画で良かったんじゃないかと私は思いました。
ポワロもある事がきっかけで、灰色の脳細胞がうまく作動せず、オカルトにも惑わされ、
らしくない姿を晒します。最終的には、いつものポワロに戻りますが。
クリスティファンからすると、賛否両論の映画になると思います。
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