劇場公開日 2024年5月3日

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「音楽シーンを通して描く、今風の青春メモリー」バジーノイズ 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0音楽シーンを通して描く、今風の青春メモリー

2024年9月25日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

人と付き合いに疲れて、マンションの管理人をする若い音楽家、が、
彼の上の階に住む可愛い溌剌とした女性の応援で、
一人前の音楽家に成長する様子を若々しいセンスで描いた
好感度の高い映画。
個人的にはDIMの作曲の過程に興味が持てました。
DIM(ディスクトップ・ミュージック)をやるために必要なアイテムとか調べると、
♪パソコン
♪OAWソフト(DIMをする際に使用する音楽ソフトのこと)
♪オーディオインターフェース(マイクや楽器をPCに繋ぐ機材)
♪MIDIキーボード(作曲ソフトを入力するためのコントローラー)
♪スピーカー&ヘッドフォン&マイク

電子音楽のパイオニアとして思い浮かぶのは
冨田勲と喜多郎。
冨田勲は壮大なスケールで大河ドラマのオープニング曲など多数。
喜多郎はグラミー賞とゴールデングローブ賞を受賞したアーチストで、
雰囲気は和のテイストで東洋的で無国籍、かな。
喜多郎は楽譜が全く読めないそうです(本人談)
(多分、絶対音感と楽曲記憶能力及びコピーりょくの持ち主)

この映画の主人公の清澄(川西匠海)コミュ障傾向にある。
ちょっと世話焼きの潮(うしお=桜田ひより) のサポート
(YouTubeの撮影して拡散)がなければ成功はあり得なかった。
(かも知れない…………)
才能を大物と音楽プロデューサーに認められる。
スタジオに缶詰になり創作活動を強制される・・・
その結果、清澄は精神的に変調を起こすかと思ったけど、
そんなこともなく。
潮ももうやることはやったから、と潔く自分から身をひく感じでした。
清澄は潮の去った寂しさで壊れるかなぁ・・・
とも思ったがそれも杞憂でした。

桜田ひよりと清澄のデートシーン。
海辺の青と砂の白のコントラスト。
潮のショートパンツが絶妙に青春してましたね。

清澄がラストであんなに歌うのなら、最初から歌えば!!
・・・とも思ったし、
あと夜中に音をだすなら、ヘッドフォンの範囲で演奏すれば?
問題なかっただろう、とか。
も、思った。
あと、蛇足ですが、
米津玄師と藤井風はコンピューター機材を駆使する能力も
凄いが、それ以前に、コンピューター内蔵の頭脳と絶対音感、
楽器を複数使いこなすスゲー天才だと改めて納得するのだった。

琥珀糖