「好きなものいっこ!」バジーノイズ Moiさんの映画レビュー(感想・評価)
好きなものいっこ!
感想
人との関わり合いを諦め、深くコミュニケートする事が無くなってしまった男。DTMを趣味とし、その世界観は個人的なまま、そこで全てを完結させて生きてきた人間に視点を当て、
ただ諦めて受け入れるだけが人生では無い事。
人は人を観ているという事。
人生の中で自分で選択し、進んでいく道は、時に誤る事がある。その誤りを救ってくれるのも人という事。
人との関わり合いを通じて、音楽が好きでやり続けると、自分の世界観も、そして人生観も変わり、広がっていくという事!
世界は自分が思い知っている以上に広く、多様である。多様な世界で、様々な経験をしていく事が人間性の幅を広げ、人の個性を創り上げる。
時には人生の道を誤る事もある。誤ってしまったら、反省も必要だが、それ以上にまた別の、新しい道を探して行けばいい。
人生は辛い事もある。辛いときは楽しい、好きなことをしたり考えたらいい。
人は他人同士いろいろな事がある。だけど、いろいろな人がいるから、たがら、人生は、世の中は面白いし、楽しいんだよ。
そんな表面上で当たり前に思う事を、あらためて強く再認識させてくれる作品。
この映画を観れて良かったと感じる。
昭和の『若大将シリーズ』に始まり、最近では平成の『BECK』『サヨナラまでの30分』等の音楽をテーマにした、若者の生き様を描いた作品を観てきて音楽と青春は斬っても切れないモノで、大好きなジャンルなのだか、今回、令和にしてまた素晴らしい作品が出来上がったな。と映画が始まってすぐに確信した。
原作◎大変失礼ながら存じ上げず。テーマが原作者の身近な問題であったからか、ある視点としてとても秀逸な導入と展開で良かった。
音楽・脚本・演出◎
この物語に出てくる音を全てが納得する形で創造し、音楽として出来上がるまでのプロセスと登場人物の人間性が、きちんとオーバーラップされた脚本構成となっていたところが素晴らしい。坂本さんをはじめとする音楽家の皆さんの創造力の高さと、風間監督の演出力の賜物であると感じる。映像、アングル的にも人そのものが中心に落ち着いてよく捉えられており、映画の印象を強くしている。全体的によく纏め上げられていた。DTMの魅力全開で、誰でも新しい音楽世界の創造
が可能である事を感じさせる。
出演者◎若手中心であるが、全員が配役をよく理解した丁寧な演技で素晴らしい。柳さん、円井さん、奥野さん、他若手ミュージシャン役の方々。本当にプロミュージシャンなのですね。と感じる程、歌い方含めて技法が出来ていて素晴らしいと感じる。演技する上での苦労があったのだなと同時に感じた。
主演の清澄役の川西さんは主人公の内面にある沸々と燃えるエネルギーを静かに印象的に演じていた。桜田さんの潮役はとても印象的で良かった。演技的にもスキルが上がり、成長した姿を見る事が出来た。寅さんからの推しが続いている。これからが楽しみな俳優さんである。航太郎役の井之脇さんは着実にキャリアを積んでいる、とても安定した演技。青春モノには欠かせない俳優さんになってほしい。
⭐️4.5
共感ありがとうございます。
この作品はラストの三角ライブでオーバーグラウンドに出て行く人たち、もっと言うなら消耗品になるのを怖れない人たちなんだろうと思いました。売れなくなっても古参ファンにとっては消耗品ではない、この境目は在るのか?無いのか?
Moiさん、コメントとフォローありがとうございます。・_・
この作品を観てから原作(全5巻)読んだのですが
色々と変更されていたのが分かりました。
映画のストーリーが頭に入った状態で原作を読んだので
「あ、原作はこうなんだ」
と思う場面もしばしば。・-・
ラストの描き方も微妙に違っていて、面白かったです。
どちらが好きかは、その人次第かと。
原作読まれていなければ、時間のある時にでも。
既に読まれていたなら余計なお世話でゴメンなさいです・_・;