さよなら ほやマン

劇場公開日:

さよなら ほやマン

解説

宮城県石巻市の離島を舞台に、漁師の兄弟と東京から来た漫画家の奇妙な共同生活と家族の再生を描いたヒューマンドラマ。

豊かな海に囲まれた美しい島で一人前の漁師を目指すアキラと、生まれつき障がいを抱える弟のシゲル。両親は行方不明で莫大な借金を抱えているが、島の人々に助けられながら、どうにか暮らしている。そんな彼らの前に、都会からやって来た訳ありの女性漫画家・美晴が現れる。美晴は兄弟に彼らの家を売ってほしいと言い出し、3人はなぜか一緒に暮らすことになるが……。

2人組バンド「MOROHA」のMCアフロがアキラ役で映画初主演を務め、NHK連続テレビ小説「まんぷく」の呉城久美が美晴、NHK連続テレビ小説「ブギウギ」の黒崎煌代がシゲルを演じる。本作が長編デビューとなる庄司輝秋監督が、自身の故郷である石巻でオールロケを敢行した。

2023年製作/106分/G/日本
配給:シグロ、ロングライド
劇場公開日:2023年11月3日

スタッフ・キャスト

監督
脚本
庄司輝秋
企画
山上徹二郎
押田興将
製作プロデューサー
山上徹二郎
押田興将
小田桐団
波多野文郎
アソシエイトプロデューサー
新井真理子
キャスティングプロデューサー
鈴木俊明
ラインプロデューサー
山上賢治
撮影
辻智彦
照明
辻智彦
録音
小川武
整音
小川武
美術
澤野五月
装飾
澤野五月
衣装
宮本茉莉
ヘアメイク
櫻井安里紗
アニメーション
Carine Khalife
カラリスト
鯉渕幹生
VFX
竹内一歩
編集
鯉渕幹生
音響効果
中村佳央
音楽
大友良英
エンディングテーマ
BO GUMBOS
助監督
高野佳子
演出応援
七字幸久
野本史生
撮影応援
古屋幸一
漫画作画
山田菜都美
制作担当
柳橋啓子
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(C)2023 SIGLO/OFFICE SHIROUS/Rooftop/LONGRIDE

映画レビュー

4.5苦しくても進め!吐き出せ! Don't be like "Hoya"!

2024年1月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

感情が怒涛のように溢れ出す。奇跡のような傑作!
登場人物なんて、兄弟2人とイカれた漫画家の女と叔母と叔父のほぼ5人だけ。
しかしそれぞれがイイ。春子ちゃんなんてむっちゃいい味してた。箒で叩くところ、かっちょイイ。弟くんはブギウギの弟くん(六郎)そのまんまで笑ったけど、やっぱイイ。漫画家の女は「こういうむちゃくちゃな人でないとこの兄弟の現状を変えられなかっただろうな。」と思わせるに十分な迫真の演技でイイ。最後のシーンで船の上でアキラを抱きしめた叔父もイイ。
そしてなんといってもアフロMOROHA。彼だからこそ出せる少しコミカルな中の切なさ。やさしさ。溢れ出る気持ち。咆哮!アキラの想いがビンビンこちらに伝わってくる。彼がいなかったらこの奇跡はなかった。俳優ではない彼をアサインした監督の慧眼がすごい。

「昔、島を出たいと相談してきたアキラの父親を“あんただけずるい。”と引き留めた。」という春子ちゃんの言葉が刺さる。
悲しい過去や苦しいしがらみを超えて、人が一歩ひねり出す瞬間を体感した。

大波をアニメで表現。斬新。実写じゃなくアニメにしていても恐怖感が。(震災経験者の中には観れない人多いのではないか。)

“ほや”は住む場所を決めると背骨と脳がなくなって、あと何も考えずに一生を終えるらしい。諦めて考えるのを止めて現状に留まる人たちとオーバーラップ。苦しくてもホヤになってはいけない!ホヤとはさよなら!

こんな凄い映画を作りきった監督・脚本・カメラ・音声・スタッフ陣と俳優たち。
これはやり切った感あるだろう。羨ましくなった。

✴︎漫画家の女は昔アキラの父母にお世話にでもなったのかなあと思ったが、特になんもなかったのね。
✴︎アフロMOROHAが歌う歌や詩を私はよく知っていただけに(それが観に行った理由のひとつ)まったく知らない人が彼の演技をどう感じたかは聞いてみたい。きっと、関係なく響いたはず。
*美晴は最後、なぜ彼らの家ではなく、彼らの船を買ったのだろうか。ここはいろんな考察がありそうでレビュー読むのが楽しみ。

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共感した! 5件)
momokichi

1.0うーむ

2024年7月10日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

日本映画批評家賞受賞作品の一つとして鑑賞しました。
時間が長く感じた。私にとっては刺さらない作品でしたq

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共感した! 0件)
鯉の季節

4.0【今作には、人間として大切にしなければいけない多くのモノが詰まっている。今作は、大震災後にそのあまりに大きい呪縛に囚われつつ、必死に生きる兄弟の王道の喪失と再生の物語なのである。】

2024年4月14日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 2件)
共感した! 1件)
NOBU

5.0石巻の離島、漁師の兄弟生活、両親は3.11で行方不明のまま、生活困...

2024年4月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

石巻の離島、漁師の兄弟生活、両親は3.11で行方不明のまま、生活困窮…。
そこに、通りすがりの女性漫画家が、半ばムリヤリ居座って暮らすことになり。

摩擦を起こしながら、徐々に心が近くなってゆく様子。

主演のアフロさんは、普段は役者ではなくラップ歌手だとのこと。
だからでしょうか、武骨で泥臭く、
映像での見え方が "演じている" のではなく "本気の全力" に煮えてしまい。
その姿がささりました。

三陸で、震災も背景にありつつ (それが主題ではないにしても)
兄弟、家族、近所などの、絆を見直す物語でした。

田端のチュプキさんならでは、イヤフォン音声ガイドが、今回とくに傑作でした。
呉城久美さん、役では漫画家の美晴さん、ご本人の演者目線での解説。
"これがあたし" "さえない兄弟" など、あえて口調をやさぐれトーンにして。
映像の重さと、音声の調子、そのギャップが癖になりそうでした。
よそでは得難い体験。
上映中に再びいかねばです。

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woodstock