劇場公開日 2023年10月20日

「生ぬるい超豪華SF」ザ・クリエイター 創造者 kozukaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0生ぬるい超豪華SF

2023年12月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ギャレス・エドワーズの「ローグ・ワン」は比較的好きなので、SF映画として期待して観たのだが、AIとの共生は可能なのかという比較的重いテーマの割に結果メロドラマという、生ぬるい映画で残念。
AIの暴走でロサンゼルスで核爆発が起きた。
アメリカはAIを排除したが、「ニューアジア」ではAIを使い続けており、高度なAI兵器を作り出す「クリエイター」がいる。
その暗殺をミッションにニューアジアに潜入したジョシュア(ジョン・デヴィッド・ワシントン)の前に現れたのはAIの幼い少女アルフィーだった。
この辺りの設定はどこか大友克洋のAKIRAを想起し既視感がある。
任務に背き、アルフィーを守るジョシュア。
ストーリーはハードなサスペンスにも出来たと思うが、根幹は潜入捜査中に恋人になったマヤ(ジェンマ・チャン)の行方を探す展開。
誰もが共感しやすいようにラブストーリーを軸にした展開はハードなSFを期待した人には生ぬるいファンタジーに感じるだろう。
未来において高度化したAIとの共存は可能か、というテーマも結局ははっきりしない。
ただILMによるVFXはSF超大作として見応えあるし、ハンス・ジマーの音楽もいい。
ストーリーは別としてSFファンは、それだけでも観る価値はある。

kozuka