「馬鹿っぽい失笑コント風味に驚いた。」ザ・クリエイター 創造者 idwebさんの映画レビュー(感想・評価)
馬鹿っぽい失笑コント風味に驚いた。
以下ネタバレ
X(旧Twitter)のタイムラインでたまに見かける
田園的な湿地帯にメカニカルな物体がいるSF的なイラストを
実写映画の映像として見れたのはフレッシュな体験でした。
広い自然空間に、
人工的なマシンのシルエットが佇むビジュアルは
妙な期待感を喚起させてくれました。
しかし、
メカのいる風景の雰囲気はいいけれど、
リアルなメカの稼働状況を考えると、
水や湿気対策をしていなさげな
動力部分むき出しのハイテクメカが
水たまりに入って行く様は
雰囲気を優先した雑なメカ設定だなと思ってしまい、
そこが鑑賞ノイズとなりました。
また、
AIがアジアエリアで
人間と共存できている理由の説明がほぼなく、
武装したAIの「POLICE」表記警察ロボが大量にいる
アジアエリアのシーンを見せながら、
アメリカ兵に「AIたちは優しいのよ」と
説明する中年女性の台詞は強引だなとも思いました。
2回見せられることになる、
アメリカ兵のバックパックに「時限爆弾」を使用するシーン、
浮遊技術があるのに、
同じく2回見せられることになる、
「時限爆弾」ロボのランニングシーンは、
馬鹿っぽい失笑コント風味で、
AIとの共存をテーマにしたシリアスな作品ではなく、
AI子供との珍道中の作品にしたかったのかな・・・ギャレスさん・・・
と思いつつ鑑賞しました。
また、ノマドと呼ばれる空中要塞が
成層圏ギリギリから青い光でスキャニングする様子は
フレッシュな映像ではありましたが、
大げさなスキャニング作業で得たデータで実行するのが
「ミサイルの照準あわせ」という失笑計測で
10年かけて建造した空中要塞と紹介され、
雰囲気だけの馬鹿マシンだなと思いました。
さらに
地上とのアングルに収まるよう
空中要塞ノマドが高度を下げてくる様子は、
画面のレイアウトもご都合主義かと失笑しました。
終盤の
不時着するミサイルや、
ふりそそぐ空中要塞ノマドの破片に駆け寄る群衆も
雰囲気だけの馬鹿な景色だなと思いました。
吹替版のケン・ワタナベは
ケン・ワタナベではない声優の人が声をあてており、
違和感がありました。
また、ケン・ワタナベをはじめとした
ロボヘッドの筒みたいな空洞は
雰囲気だけのデザインで、
軽量化?を目的にしてるのかしらと思いつつ鑑賞しました。
ケン・ワタナベ電源OFFシーンや
ケン・ワタナベ水分補給シーン
を見て、
ギャレスさんに意見言える人がいなかったのかなと
イエスマン体制のゆがみを感じる映画でもありました。
人間が外見を寄付するという謎キャンペーンが
ときどき本編中に紹介され、
掃除機ルンバっぽい頭部ユニットのロボが
ケン・ワタナベ的な人間っぽいロボになる理由も
よくわからない雰囲気だけの設定だなとも思いました。
主役の潜入捜査官デンゼルワシントンジュニアの
行き当たりばったりの探索道中も、
訪れる先々にアメリカ兵を連れてくるだけの作劇でしたので
感情移入などできるはずもなく、
子供AIとの触れ合いも、
終盤に唐突に親密度アップさせて、
雰囲気だけ演出だなと思いました。
子供AIが二コリと笑ったときに見せる歯並びは
野性味があったので
もう少し、
CG使って綺麗な歯並びの映像にした方がいいのでは
とも思いました。
潜入捜査官デンゼルワシントンジュニアが
マーベルのエターナルズで見たことのある女優を
割と早めに寺院でスイッチオフにして見捨てたのに、
記憶メモリ的なもので再設定した
マーベルのエターナルズで見たことのある女優に似た
ロボ女性とキスしてるシーンを見せられても、
「何ソレ?」と思いつつ、
これって観客を泣かせようとしてるのですか
ギャレス・エドワーズさんと思ってしまった作品でした。