「2065年のA愛」ザ・クリエイター 創造者 赤ヒゲさんの映画レビュー(感想・評価)
2065年のA愛
古今東西、様々なAI映画がある中で、なかなか斬新な物語という印象でした。昨秋、登場するやいなや世界中を席巻しているチャットGPTにより、一気にAIが社会に浸透してきた昨今だからこそ、とても身近な切羽詰まった感覚で観ることになった気がします。最大の魅力は、主人公である6歳のAI少女・アルフィー(マデリン・ユナ・ヴォイルズ)のキャラクター・デザインでしょうか。無機質なロボット感と高度な知能や感情表現をもった部分とがうまく融合していて、しかも、まるで天使のように愛らしくて、とても魅力的でした。ギャレス・エドワーズ監督は、今作を作るにあたりインスピレーションを受けた映画として、「バラカ」(92)、「ブレードランナー」(82)、「AKIRA」(88)、「地獄の黙示録」(79)を挙げていました(映画パンフレットより)。確かにそういう部分も多々感じられましたが、見終えたとき最初に浮かんだのは、「レオン」(94)と「アバター」(09)でした。大切なものを命懸けで守ることや、諸々の境界が混在する世界の危機が描かれていて、心を鷲づかみにされました。AIと人類、アメリカとニューアジアという設定は、今まさに世界が直面している現実そのものなので、2065年の絵空事とは思えず、臨場感たっぷりに楽しめました。渡辺謙さんが剣道の胴みたいなのを着けてたり、日本的、アジア的な雰囲気にも親近感が感じられました。
U様
コメントいただきまして、ありがとうございます。
赤ちゃんは違い、例えば母乳のわずかな風味を敏感に感じとる力があるるのに、大人になるに連れてそういう能力が薄れて似ている部分の方が気になるようになるというような話を何かで読んだことがあります。私もまさにそれで、「あ、この映画は●●と似ている!」とかすぐ考えてしまいます(汗;)。「レオン」は大好きな作品なのでつい引用してしまいました。
赤ヒゲでした。
共感有り難うございます。
なるほど「レオン」の主人公が少女のために命を捧げた、あの優し過ぎるとしか言えないような切なさが確かにありましたね。
そして「諸々の境界が混在する世界」の訪れを予感させる、物語の展開も観る者を引っ張っていったのですね。