怪物の木こりのレビュー・感想・評価
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スリラー/ミステリー/SFが高次元で融合
俺好みの役者が出ているわけでもないが、予告編の不気味さにちょっとだけ惹かれて観賞。
【物語】
二宮彰(亀梨和也)は表の顔は優秀な弁護士。しかし、裏の顔は目的のためには医師杉谷(染谷将太)と共に全く人の命を省みない凶行に及ぶサイコパスだった。
あるとき、世間では絵本「怪物の木こり」に登場する怪物の仮面をかぶり、おので頭を割って脳を奪い去る連続猟奇殺人事件が発生。警視庁では重大事件として大捜査網を引く。プロファイラー・戸城嵐子(菜々緒)は犯人像をあぶり出そうと被害者の出自を含めてあらゆる情報を必死に収集していた。
そんなとき、二宮が「怪物の木こり」に襲われる。2人がと激しくもみ合っている間に別の人が通りかかったことで二宮は一命を取り留めるが、格闘している間に頭を強打し病院に搬送される。二宮は病院で目が覚めると、診断した医師から自分の知らなかったある事実を知らされる。
二宮と警察はそれぞれの思惑で「怪物の木こり」を突き止めようと彼を追う。また、戸城(菜々緒)は捜査の最中に出会った二宮にも言い知れぬ違和感を覚えていた。
【感想】
本作はサイコパス達が、好き勝手に暴れ回るスリラー&サスペンスであり、不気味かつ得体の知れない謎の‟木こりの怪物”の正体を突き止めるミステリーでもある。 さらにもう1つ、予告では知らされないSF要素があった。
この3つ(スリラー&ミステリー&SF)が結構バランス良く合わさっている。邦画ではこういうのは結構珍しい。 3つの要素を持つ作品は珍しくないかも知れないが、SF設定がちんけだったり、ミステリー的展開がお粗末だったり、大抵まともに揃わない。その点本作はどの要素もそこそこ高いレベルに行っていることに拍手を送りたい。
興行成績はともかく、作品的に成功しているのは監督、キャスティングがこの作品を制作するのにあたり適材適所だからだと思う。
三池崇史は俺的にはあまり好きな監督ではない。あまり文芸作品的な作品を撮らないし、感動した作品も記憶に無い。しかし、こういうちょっとおぞましい作品の雰囲気創出は得意だと思う。主演の亀梨もこのサイコパスにハマっていた。 脇を固める染谷将太、中村獅童、菜々緒も的確なキャスティングだ。中でも中村獅童の暴れっぷりは身震いするほど凄かった。中村獅童は気弱な男や、ニヒルな男もやれるし、今回のような社会の底辺を這っているような男も完璧にこなす。凄い役者だと改めて思った。
ということで、本作のMVPはプロデューサーと言っておきたい。
サイコパスは悪ですか?
行動しなければ思う分には自由。
とかそういう話ではなかったが、ラストの流れは想像通り着地してしまった‥‥
つまらないわけではないが、ストーリーの手口こそショッキングだが具体的なシーンもないし、マイルドめで意外な展開もなかったかな。
もし本当にあの絵本があるのであれば、怪物はサイコパスの事ではなく、マイノリティ的な存在を否定して、自分の思想やルールを強要して徒党を組む、声のデカいリーダー気取りの皆の周りにもいる「アイツ」らを反面教師にする内容と自分なら捉えるかな
怪物の木こり このミステリー映画は凄いで賞 間違いなし
サイコパス対猟奇的殺人鬼 血生臭いバイオレンス映画を想像していたら、終始ハラハラゾクゾクさせられるストーリー展開の中に、まさか胸打つヒューマンドラマが描かれているとは。愛する人に殺されるなんてロマンチックじゃないか…主人公二宮のセリフが繋ぐラストシーン。その言葉の真意に気付いたとき心が、体が震えた。エンディングに、天才的かと思うセカイノオワリの深海魚が流れ出し、歌詞に音楽に、もう涙腺琴線大崩壊した。回を重ねて観るごとに、怪物が木こりになっていく様、心情の変容に気付かされ、感動でさらに胸が震える。是非、劇場で体感してほしい傑作。
感情を知らない怪物の木こりは…
亀梨和也が以前出演した作品なら、“早く人間になりた~い!”。
本作は、“普通の人間になりたくな~い!”。
二宮彰。表向きはエリート弁護士。本当の顔は、サイコパス。
自分の邪魔になる者を冷酷無比に殺す。
弁護士としての恩師であり、婚約者・映美の父親を自殺に見せかけてビル屋上から突き落として殺した。
何も知らぬ映美と婚約関係を続けるその神経…。
サイコパスの心情など理解出来るものじゃないし、そもそも“心”などあるのか…?
亀梨和也が新境地の冷演。
そんなサイコパスに、類は友を呼ぶ。
医師の杉谷。彼もまたサイコパス。実は二宮よりイッちゃってるような染谷将太の雰囲気がマジヤベェ…。
そしてある日二宮の前に現れたのは…
不気味な“怪物マスク”を被った何者か。
突然襲撃され、負傷する。
命は助かり、誓う。ぜってぇー殺してやる…!
巷を脅かす連続猟奇殺人事件。
被害者は頭を割られ、脳を持ち去る事から“脳泥棒”。えげつない…。
その犯人と目されているのが、『怪物の木こり』という絵本に出てくる不気味な怪物マスクの殺人鬼。
ただの快楽殺人か…? それとも何か繋がりが…?
警視庁のプロファイラー・戸城のプロファイリングで、被害者たちにある共通点が見つかる。
皆、養護施設育ち。性格に問題あり。
もし同一犯ならば、二宮が襲撃された理由は…?
彼も養護施設育ち。性格は言わずもがな。
入院中の頭部レントゲンで、脳にチップが埋め込まれている事を知る。
本人に記憶ナシ。一体これは…?
警察の捜査線上に、二宮も浮かび上がる。何かしらの重要参考人。それとも犯人…?
二宮の前に“怪物の木こり”が執拗に姿を現し…。
サイコパス主人公vs警察ならよくある構図だが、本作はサイコパス主人公vs警察vs連続猟奇殺人鬼。
TVドラマの悪女役などで女優として花開いた菜々緒が、今回は正義感あるプロファイラーを熱演。
問題行動で飛ばれた刑事・乾。渋川清彦十八番のやさぐれ感。
その乾と因縁ある過去の殺人事件の容疑者・剣持。『首』とは真逆の中村獅童の恐演。
各々の人物像や関わった事件なども話に絡み、二転三転していく。
被害者たち全員にも脳チップが埋め込まれている事が分かった。
被害者たちと二宮の関連性、“怪物の木こり”に狙われる理由がこれで繋がった。
では、その脳チップは一体…?
30年前、多くの子供が誘拐。警察がようやく辿り着いた犯人は、サイコパスの医師夫婦。
警察が踏み込んだ時、一人の子供に何かの手術を終えた後。
唯一の成功。失敗した子供たちは皆…。
夫婦の研究目的は、脳にチップを埋め込み、サイコパスを作り出す。
生存者はその子供一人かと思われたが、脳にチップを埋め込まれた子供は何人か養子として。被害者たちや二宮はその子供たち。
彼らが狙われる理由は…?
警察が踏み込んだ時いた子供は今…?
“怪物の木こり”の正体は…?
二宮の復讐は…? そんな彼に異変が起きる。
二宮が人を殺せなくなった。
原因は、“怪物の木こり”と揉み合った時、頭部に受けた負傷。チップが壊れた。
今まで人を殺す事やそれ以外でも何も感じていなかったのに…、何だ、この感情は…? 何だ、この込み上げてくるものは…?
と同時に、罪の意識。恋人の父親を殺した自責の念。
人は犯した罪の重さに耐えられない。
サイコパスがサイコパスじゃなくなった時…
それは“もう一人”いた。
映美が“怪物の木こり”に捕まった。今は廃屋のサイコパス夫婦の屋敷跡へ。
いよいよ“怪物の木こり”の正体。
衝撃!…ほどではなかったな。剣持。これが吉岡里帆だったら驚きだったんだけど…。(吉岡里帆の役、あんま目立ってなかったような…)
剣持もサイコパス夫婦によってサイコパスにされた。あの時の子供。
かつて乾と揉み合った時、頭部に衝撃を受けてチップが壊れた。
罪の意識がのしかかる。彼の場合、妻を殺した事…。
サイコパスにされた自分たちの苦しみを止める。
ちと動機が弱い気もするが、これが事件の真相。
もっと三池節炸裂かと思ったら、グロもバイオレンスもそこまでではなく。血の噴出は勢いあったが、『首』の方がグロかった。
思ってたよりドラマ重視。当たり外れの多い三池作品の中で、個人的には当たりの方。
サイコパスにされた者たちの苦しみと哀しみ。彼らも誘拐されなければ…。
幼き頃の思い出。友達が欲しかった。
復讐されたのは自分のせい。それでも愛した人を守りたかった。
サイコパスがサイコパスじゃなくなった時…
本当は普通の人間になりたかったのかもしれない。
想像していたものとは全く違っていた(いい意味で)。 物語の展開、キ...
想像していたものとは全く違っていた(いい意味で)。
物語の展開、キャスト全員の演技、まさかのラスト、全てに文句なし。
全員が上手い演者さんという奇跡に感謝。特に変化していく様を目だけで表現していた亀梨さんの演技は鳥肌モノ。個人的には染谷さんになんともいえない恐怖を感じた。丁寧に作られた作品。是非沢山の人に見て欲しい。
意外な展開が面白かった。サイコパス=精神異常犯罪者という描き方で大丈夫?
意外な展開が面白かったです。
サイコパス=精神異常犯罪者という描き方ですが、良かったのでしょうか?
最初か最後にテロップで、サイコパスとは精神的な状態?病名?のことで、本作はフィクションであり、いかなる偏見を冗長するものではありません。とか、注意書きがなくても大丈夫かと心配になりました。
パンフレットに、監修の中野信子さんのコメントが欲しかったです。
それはさておき、「サイコパス」であっても過剰な、おかしい演技をしない、普通の人間であるという方針は正しいと思いますが、本当にちょっと変なだけで、とんでもなく冷酷で非情な殺人犯という異常性が感じられない。
それはそれで物足りないと感じました。
そして、最後の展開も落としどころが途中から読めてしまう。
さらに大事なカットが予告編にあってネタバレしてる!
ほんとに勘弁してほしい。
結局いい人にしたいのかっていうのも残念…。
ちなみに不愛想で超美形プロファイラーでが、所轄の一刑事を相棒に、ずけずけと現場の中心に踏み込んでいくという昔の刑事ドラマのような展開は、正常な「沙粧妙子」のようで大好物です。
猫はどうなる?
中盤までは面白いが終盤なんだか怪しい展開、おいおい結局お涙ちょうだいか?
で、あのラスト、そうだろこうならなくっちゃ。
しかし、あのサイコ弁護士の本業の仕事ぶりが見たかった。
そして残った染谷将太と猫が気になる。
おぞましく異様なサスペンス
平気で人を殺すサイコパスの弁護士と、被害者の頭を割って脳を取り出す連続殺人鬼に、美人プロファイラー刑事がからむプロット。異様な事件の真相が、次第に明らかになっていく展開はかなり面白かった。
ただし、犯人判明後、ダラダラと台詞で説明する部分は興ざめ。見る前から覚悟していた通り、後味はよくない。
中途半端でスリル不足
原作小説を映画化したミステリースリラー。怪物の仮面を被った犯人を謎解きしていくストーリーですがズリル不足で残虐性も無く全体的に中途半端な印象で面白みに欠ける。
2023-195
また観たい!
最初からストーリー引き込まれテンポ良くドキドキハラハラ、そしてラストは切なく涙があふれてきて奥深く考えさせられる素敵な作品でした。特に亀梨くんは役にピッタリで表情、目の演技が素晴らしかったです。
ファン目線で観に行きましたけど、内容に引き込まれて、想像してなかっ...
ファン目線で観に行きましたけど、内容に引き込まれて、想像してなかったラストで帰り道は引きずってしまいました。2回観ましたけどもう一度観に行きます!
怪物が生きる意味を知る物語
予告や宣伝の惹句からイメージされる過激さや残忍さは前半で片がつき、後半では「人格は何によって決まるのか」という人間の本質に迫るドラマティックな展開になります。2度目の鑑賞では新たな発見があり怪物たちの出した答えが深く心に刺さりました。沢山の方たちにエンドロールSEKAI NO OWARI『深海魚』を聴きながら深い余韻に浸っていただきたいです。
見て感動!
サイコパス物は少し敬遠してきたが、友人の誘いで鑑賞しました。
話しのすすめ方に少し強引さはあるが久しぶりにラストシーンまでダレる事無く一気に見れた。
二宮役の亀梨和也さんの演技力で最後まで一気にいった感だが…ラストシーンは泣ける!
私的にはヒューマン版で良作!
キカイダー?
良い意味で三池監督らしくない、久しぶりのちゃんとした映画だった。
エラそうに言うことではないけどね。
脳チップというアイデアが肝心。
チップによって人格を変える手術がなされる訳だけど、最初はサイコパスを抑えるのかと思ったら、普通の人をサイコパスを変える方だった。
つまりは良心回路を、プロフェッサー・ギルにとめられて怪人(サイコパス)にさせられたのが、亀梨演ずるアキラということになる。
怪物の木こりはこの怪人を処分するキカイダー(良心回路が壊れている)みたいなものかなあ。
それにしても、真正のサイコパスは染谷将太だ、カメはちょっと感情的すぎるように思う。
時間の関係かサイコパス化した怪人についてほとんど触れない(剣持こと中村獅童くらいかな)
だから、木こりの感情がよく分からない。
血が多く流れるので残酷だけど、肝心なところで穏当。
菜々緒演ずるプロファイラー、渋川清彦演ずる乾刑事。ピースとして絶対的では無いのが残念。
染谷将太のみがハマっていて、他が思いつかないところがよかった。
同時期上映の「首」同様、中村獅童が美味しい役をやっていて、良かったです。
怪物にされた少年達の未来は
娯楽作品としてはとても満足度が高かったです。最後は泣きました!俳優さん達の演技が素晴らしすぎて。
その分、諸悪の根源である夫婦について監督の解釈で掘り下げて欲しいと感じました。夫婦の人間像に深みがあれば少年達の悲哀も深みを増したのでは。
フランケンシュタインの哀しみ。
感情を取り戻した怪物フランケンシュタインの哀しみ。
あまり期待してなかったからか、意外と面白かった。
菜々緒さん演じる戸城プロファイラーと渋川清彦さんが演じる乾刑事のコンビでスピンオフ作ってシリーズ化してほしいくらい。
最近の歌舞伎役者さんは素行だけじゃなくて人相も悪いから、昔だと考えられない役が回ってくる。「首」に続いて中村獅童さんが実に良い(悪い)役ハマってます。(獅童さんは素行悪くないです)
亀梨くんが阿部サダヲに見えるのは私だけでしょうか。
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