「良心は生まれつき埋め込まれているもの?」怪物の木こり かばこさんの映画レビュー(感想・評価)
良心は生まれつき埋め込まれているもの?
原作を読んでいませんが、「脳泥棒」と言われる異常な連続殺人犯を追う過程、脳チップ、からの、作られたサイコパスというのが新鮮味があり、途中までハナシの先が読めず謎解きしつつ観られて面白かった。養護施設の先生など、本人に落ち度無いが二宮に個人的に不都合そうな関係者たちが惨殺されないかどきどきしました。
展開がスピーディーで、次々判明する事実も取ってつけたようではなく現実味があってよかったと思う。(ただし、オチは物足りない、ありきたりです。)
登場人物のキャラが立っており、それぞれのキャスティングが合っている。
亀梨と菜々緒はそのものだし、某TVシリーズの二択刑事の渋川清彦さん、すっかり「顔見れば刑事」な感じになっちゃって。
一番怖くて嫌なやつは染谷将太の杉谷ですが、あの後猫がどうなったのか心配。
吉岡里帆はキャスティング云々以前にキャラ自体がちょっと鬱陶しい。
コワモテの荒んだおっさんの感じがホンモノみたいな中村獅童はとても良いけど、大物なので後々化ける役だろう予想がついてしまう。
「良心回路」が復活したら、今までサイコパスとして行ってきた非道な行為の数々が、「良心の呵責」により耐えられなくなったという皮肉さを強調する設定は分かるが、「良心」って回路が復活したからといって、いきなり完璧に発揮されるものなのだろうか。
人間の「良心」は、どう備わるのだろう、生まれつき持っているという類のものではなく、人として生きていく過程で受容する、社会的な刺激で育まれるもののような気がする。
幼児の頃に閉じられて以来馴染みのない感覚なので、人造サイコパスたちは「良心」の存在を感覚として知るところから始め、人や社会との関わりの中で時間をかけて徐々に獲得していくもので、脳チップという障害がなくなったからと言って即座に発揮できるものでは無いような気がします。
コメントありがとうございます。かばこさんが仰る、人間の「良心」は〜からのくだりが、とても興味深かったです!
なるほどふむふむ!
(๑╹ω╹๑ )
個人的に「キャラクター」でサイコっぷりが素晴らしかったFukase君がエンディング曲を担当しているのがツボでしたw
脳チップ。。私も劣化してるかもですw
かばこさん、共感&コメントありがとうございます😊
オチはありきたり、確かにその通りだと思います。主演が亀梨くんだから?いろいろ忖度があったのかもしれないですね。そんな忖度など気にせず、全力投球の三池作品が観てみたいです。
中村獅童さん、首に続いて良い(おいしい)役でした。
以前、大村崑さんの講演を聴く機会がありました。大村崑さんは昭和天皇が大好きで、いつか演じてみたいと所作や話し方をものすごく研究したそうです。(実際、そっくりでした)でも、天皇陛下の役は、喜劇役者には絶対回ってこない。天皇やお公家さんの役は、上手い下手関係なく、歌舞伎俳優さんにもっていかれる、と嘆いていました。