「怪物だーれだ」怪物の木こり サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
怪物だーれだ
試写会にて鑑賞。
三池崇史監督最新作。最近とことん振るわないから今度こそVシネ時代の勢い頼むぞ!と期待していたけど、やっぱり悪い所でちゃった感じ。作風は結構好みだったし、割と飽きずに見ることは出来たんだけど、どうも安っぽい。三池監督とワーナーの組み合わせが悪いのかな。相変わらずの血しぶきで、妖怪大戦争からの汚名挽回とならず、な作品でした。
ん、怪物いたっけ?って思っちゃうほど、なんちゃってホラーテイスト。亀梨も染谷将太もサイコ感はすごく出せていて、やっぱり演技上手いなぁとは思うんだけど、演出にどうも納得いかない。菅田将暉主演の「キャラクター」みたいなのを想像していたけど、本作はやること全て軽く見えてしまう。結局、ラストになっても怪物の木こりというタイトルの意味が理解できなかったし、原作見ないことには何も言えないけど、絵本との関連性も分からなければ、恐ろしいなと思うこともなかった。
バイオレンス映画を撮るのはあんなに上手いのに、なんでヤクザが絡まないとなればこんなにアクションのヒリつきが無くなってしまうのだろうか、三池崇史映画は。予告でも若干危惧していたことではあったけど、どうみてもお遊戯会のようにしか映らないんだよなぁ。別にリアリティを求めてるわけじゃないんだけど、「死刑にいたる病」みたいに振り切れているわけでもないから、とてもじゃないけど好きにはなれない。
それでも、刑事パートはすごく面白かった。
特に、渋川清彦。そこまで活躍するシーンは無かったけど、表現力が秀でているからか、彼にだけドラマが感じられてずっと見ていたいと思える人物だった。菜々緒も好きになれるようなキャラでは無いけど、これまでの役柄とはガラリと変えてなかなか良かった。緊張感は感じられないけど、後半になるにつれて面白さは増していき、ストーリー自体は結構好きでした。
色々と言いたいことはあるけど、亀梨のファンだったら絶対楽しめるし、何より主題歌のセカオワがビックリするほど作中に合っていてカッコイイから、内容は置いといて、好きな人は絶対に見るべき作品ではあると思う。でも、1映画ファンとしては、また「初恋」のような三池崇史映画がみたいな〜と思う気持ちでいっぱいでした笑