劇場公開日 2024年6月7日

「人はそもそも違国の住人」違国日記 ジョーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 人はそもそも違国の住人

2025年12月15日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

知的

姉の死で、姪っ子朝を引き取ることになった人見知りの小説家の槇生。
生前の姉のことが大嫌いで、朝ともうまくいく自信はない。
でも、朝が高校の軽音学部で、作詞を考えていた時、槇生の出番が回ってくる。
「こだま」について二人でしりとりゲームのごとく連想するシーンがいい。
少女っぽい無邪気な発想と、小説家の熟練技の発想が響き合い、とても素敵な時間が流れていく。
もうひとつは、槇生の友人の奈々の存在。ふたりのそれぞれの事情を、敏感に察知しながらの笑顔と空気を読む絶妙な間合いがたまらない。こんな友人がいれば、槇生も朝も救われる。
いつの世もムードメーカーは必要不可欠だ。

人と人って、程良い距離感が大切で、みんなひそかにアウトボクシングに徹したいと思っている。
槇生も朝も、死んだ姉でなり母親と距離感を縮めすぎたんだと思う。でも、それはけっして悪いことじゃない。
距離感を縮めないと見えてこない世界もある。
人はそもそも違国の住人なのだから。

ジョー
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