「穏やかな雰囲気のいい映画(原作既読)」違国日記 にくじゃがさんの映画レビュー(感想・評価)
穏やかな雰囲気のいい映画(原作既読)
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葬儀のシーンでの、周囲の言葉を言葉として拾わないように分解し、音の塊になり、おおってくるような描写…それを打ち破るマキオちゃんの声……実写ならではのいい描写で凄くゾワゾワした。あと、同シーンで、キャパオーバーしてるんだろうなぁってわかるアサ役の俳優さんの狼狽える表情もかなりよかった。
しかし、マキオちゃんがなぜ、アサに「あなたの母親のことが嫌いだった」と伝えたのかが描写されてなかった気がするので、そこは少し気になった。マキオちゃんが親が亡くなってしまったアサに追い打ちをかけるような言葉をかける不躾な人に見えてしまいそうだ。
だが、マキオちゃんの周りのナナちゃんやカサマチくんとの会話は、あー彼らは長く関係を続けてくることができた代えがたい人達なんだろうなぁというのが垣間見えるようないい距離感だった。
題材を転々と詰め込みすぎでエミリの恋愛の描写や学年首位の女の子の描写は必要だったのだろうかと思わなくはないけど、全体的に穏やかでいい雰囲気の映画だった気はする。ドラマでの実写化のほうが合ってたのでは?とは思うが。
最後に、アサの歌のままエンディングではなく、そのあと数シーン挟んでからのエンディングだったのが、この作品らしい終わり方な気がしてとても良かったと思う。
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