「【”朝が来た。”人付き合いの苦手な小説家が大嫌いな姉が急死した事で性格の違う姪と同居する中で人としての優しさをほのぼのと滲ませていく様が気持ち良き作品。登場する人達のキャラ立ちも良き作品でもある。】」違国日記 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”朝が来た。”人付き合いの苦手な小説家が大嫌いな姉が急死した事で性格の違う姪と同居する中で人としての優しさをほのぼのと滲ませていく様が気持ち良き作品。登場する人達のキャラ立ちも良き作品でもある。】
■槙生(新垣由衣)は、大嫌いだった姉(中村優子)とその夫が交通事故で急死した葬式の場で、親戚達の”可哀想に。あの子、親戚を盥回しにされるんじゃない。”と言うひそひそ声を聞き、決然と“貴女を愛せるかどうかは分からない。でも私は決して貴女を踏みにじらない!”と言い姉の娘、朝(早瀬憩い)を自宅マンションに引き取る。
◆感想
・冒頭の事故のシーンからの、上記葬儀場での槙生の決然とした世間の表面的な常識に抗うか如くの言葉に、一気に映画に引き込まれる。
・朝は、布団と簡単な身の回り品だけ持って槙生のマンションに来るが、家の中は本だらけで雑然としている。売れっ子小説家である槙生が、整理整頓が苦手な性格であり、一方朝は母に似ているのか、整理整頓を苦もなくやる姿を見て、鑑賞側は二人の気質が可なり違う事が分かるのである。
・槙生は傷ついた朝を抱きしめる訳でもなく、素っ気ないが、大切な存在として見ている。そして、元カレの笠町(瀬戸康史)を頼り、法的な問題などの対処方法を教えて貰うのである。
ー この、槙生と笠町の元カレ、今は友達という不思議な関係性も心地よい趣を作品に与えているのである。ー
・又、槙生の親友である明るい奈々(夏帆)の存在が、槙生と朝の関係のクッション材のようになっている所も、好きである。
- 三人で、一緒に餃子を作ったり、散歩をしたり・・。-
・朝の中学からの親友、えみり(小宮山莉渚)や進学した高校の友人達、)や頭の良い森本(伊礼姫奈)達のキャラも立っている。えみりは女子が好きと告白し、森本は理不尽な留学制度に対し、先生に猛抗議をする姿。
- 一方、自分が確立していない朝はそんな友人達に触発されて行き、自我を徐々に発露していくのである。ー
■槙生が母(銀粉蝶)から預かった、姉が朝に残した日記。
槙生はそれが、朝が高校を卒業した時に読ませたかったモノと分かった瞬間、その日記を閉じ机の引き出しに仕舞うのである。
が、その事が発覚した時に、朝は怒るがその態度に対し、槙生は素直に謝るのである。
更に、その日記に綴られていた亡き母が遺した朝を想う優しい言葉に、朝は癒され少し大人になるのである。
<今作は、年齢も性格も違う槙生と朝が、相手を思いやりつつも喧嘩したりしながら、周囲の心優しき人たちに影響され、少しづつ成長していく様と共に、二人の心が徐々に近づいて行く様を優しい視点で描いた、観ていて心がほんわりとする気持ちの良い作品なのである。>
共感ありがとうございます。
やはり漫画原作は良質なんだなぁと感じます。あとは映画側のアプローチなんでしょうね、「からかい上手・・」は失敗でしたが、今作は上手く料理出来てたんだろうなと思いました(原作未読)。