「Shadow Monster」ブギーマン ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Shadow Monster
ブギーマン自体初見な人です。「ZOOM」だったり「DASHCAM」だったりとロブ・サベッジ監督の日本公開済みの作品は観ているので、その雰囲気のテイストなのかなーと思い鑑賞。
母親を亡くした一家がそれぞれ心の悩みを抱えて葛藤している中、父のカウンセリングに来た男性が自殺してしまい、妹のソーヤーが黒い何かを見たことにより不思議な言動を発し出し、セイディもその黒い何かを目撃し、姉妹でこの事態を解決するために動くが、黒い何かがどこからともなく近づいてくる…みたいな感じのあらすじです。
予告の感じでいくとスプラッターものなのかなと思ったんですが、ジワジワっと気味の悪いシーンをチラ見せしては心の葛藤を見せて、油断したところに爆音でブギーマンが現れるが続くので、音にもブギーマンにも慣れてくると怖さは感じず、どの辺で来るのかなーとソワソワして待っていました。この時点で怖さとかはそこまで重要じゃないなと思いました。
説明が欲しいところをポンっと飛び越えて次のシーンに進んだり、爆音を鳴らしたりで誤魔化すので、そこはもう少し詰めて欲しかったなと思いました。
カメラアングルはなんだか穏やかではない撮り方で、監督の前2作は固定カメラだったりしたのでその点は気にしてなかったんですが、こういう見せ方もできる監督なんだなと感心しました。
ブギーマンの造形は程よいキモさで良かったです。この手のエイリアンは予算によってはとんでもないゲテモノが出てきてしまうものなのですが、しっかりとしたCGで殺しも脅かしもポンポン繰り出してくるので、その点での満足度は高かったです。光と火にもろやられる割にはそれらに突っ込んでいくので、コイツはバカかなと半笑いで見ていました。
セイディを演じたソフィー・サッチャーさん、ソーヤーを演じたビビアン・ライラ・ブレアさんが好演していました。姉妹が怪物に立ち向かう構図を今年はよく見ますが、その点では今作はトップクラスに良かったなと思います。
全体的なテーマはしっかりとしたもので、母親を亡くした過去にしがみつくよりも、その先の未来を見ようといった感じで、過去を振り返ることをし続けていた一家をブギーマンは狙っていましたし、自殺した男性の奥さんもその過去にしがみついていたが故にあんな結末になってしまいましたし、ラストシーンの扉を開かずに閉めたシーンも過去を振り返るのを辞めるというある種の決意表明的なものなのかなと思いました。
ホラーとしての怖さは感じませんでしたが、ロブ・サベッジ監督作の色は出ていたなと思いました。ジャンプスケアをくどく見せないのは好印象でした。次回作以降も期待したいです。
鑑賞日 8/24
鑑賞時間 12:30〜14:20
座席 E-11