「映画賛歌と罪滅ぼしと」クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男 山の手ロックさんの映画レビュー(感想・評価)
映画賛歌と罪滅ぼしと
タランティーノの映画づくり遍歴を、出演者やスタッフの証言で辿っていく。コミカルなアニメも交えながら、時系列に紹介していくので、小難しいことは一切なく、とても見やすい。
明らかになるのは、タランティーノがいかに映画づくりが好きで、そうした彼の姿がキャストやスタッフにいかに愛されているかということ。まさしく映画賛歌というもので、映画好きにはたまらない。
タランティーノの作品といえば、どうしても過去の映像作品の「引用」とか「オマージュ」とかで語られがちだが、そうではなくて、「良い映画を作るために参照している」のであり、「そうしたことは文学や絵画でも同じ」ということには、目を見開かされた。
一方で、ワインスタインの問題も、避けて通れないものとして描かれている。このドキュメンタリーの制作意図ではないだろうが、タランティーノがいかに女性の活躍する姿を描いてきたかを強調するほどに、罪滅ぼしのように感じてしまうのは、うがった見方か。ユマ・サーマンとの関係についても…
とにもかくにも、「トゥルー・ロマンス」をはじめ、タランティーノ作品をもう一度最初から見直したくなる。
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