「安藤さくらがハマっていた!」BAD LANDS バッド・ランズ 三輪さんの映画レビュー(感想・評価)
安藤さくらがハマっていた!
昭和のヤクザ映画のような印象が濃い作品でした。でありながら、どういうわけか安藤サクラを応援したくなるのは何故なのでしょう。悪に加担したくはないのですが、何故か応援したくなってしまうのは、ひとえに役者たちの演技がハマっているとしか思えません。3次元の世界では彼らは間違いなく悪党です。しかし4次元5次元の世界になると、善も悪もなくただその現象があって、それを良い悪いと判断するのはひとえに観る人次第であるような気にさせられてしまうほど、物語は魅力に満ちていました。安藤サクラが持つ不思議な虚無感のようなものが、色濃く反映された作品のような気がします。彼女が、いつも月曜日にランニングしている女性の姿に変装して、アジトから脱出する時の爽快な走りと顔の表情は忘れられません。犯罪者ではありますが、過去にあったトラウマを全て振り切ったような喜びの走りに愛おしささえ感じました。劇中においても大阪府警に追われる立場ですが、「捕まらないで」、「逃げろ」とか心の中で思ってしまうのは私だけではないでしょう。人間味あふれる演技に脱帽です。作品での会話のテンポは、かなり早いので聞き取れないところもあります(これがリアリテイさを表現しているのかもしれません)。しかし、特殊詐欺の現場や、組織だった犯罪の構造が良くわかるという意味では、作り方が丁寧だと思いました。弟役の山田涼介も最後には姉をいじめた実業家を倒すために戦いますが、その愛情の深さに心打たれました。
追記 どんな状況に追い込まれようと腹の座った安藤サクラに惚れます笑
共感ありがとうございます。
弟くんの尻拭いをする!と決意したのか、終盤は信条を超えて悪事を働いていました。それまでは全て冷静に、しっかり目を配って「仕事」していてこれは有能! と思いました。