「バッドランズ」BAD LANDS バッド・ランズ tyshiさんの映画レビュー(感想・評価)
バッドランズ
新宿の東宝レイトショーにて鑑賞。
実は、原田眞人監督の作品は初めてだったのだが、久しぶりにかなり痺れた。
まず最初の空気感で、聞き取りにくいセリフ、テンポの悪い編集で悪い予感が来て「これはちょっとミスったかな…」と思ったのだが、この映画はセリフを聞き取るような映画ではないのだと思ったのと同時に、怒涛の詐欺プロセスが始まりカッコ良すぎる演出、リアル感に圧倒された。
新世界ノワールという一つのジャンルを産んだ最高傑作。
①『生の感情』はあったか
どちらかというとそうでもない気がする。どう感情移入すればいいのかわからなかったという人もいたし。ただやはり立場の弱い人間や社会的に不利な人間がどうにか足掻いている姿はとても美しい。この作品はどちらかというとエンタメ性が強い映画だった。
「人間の弱いところがあったか」
②「緊張感」があったか
さいっこうにどきどきした。この映画はここが肝だと思う。完璧な緊張感の作り方。どきどき、ワクワク。ジョーが東京の男を撃つところは本当に痺れた。心の底からドキドキしてしまった。
③「謎」があったか
あまり謎という謎もなかった。割と説明台詞多めで謎を追っているという感覚はなかった。
こう見ると、僕が欲している要素の全てを含まなくても面白いと感じることがわかった。全部盛ろうとせずにも、どれか一つを特化させたりすることでも良いのだと感じた。
バッドランズは、緊張感というところでは一級品だが、人間ドラマに関してはやはり他のものに軍配が上がるだろう。
しかしやはり大好きな映画だった。
原田眞人監督。覚えておこう。
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