「「ある男」で穏やか系・谷口里枝役で「完璧」なほどの演技をしてしまう...」BAD LANDS バッド・ランズ hiroishiさんの映画レビュー(感想・評価)
「ある男」で穏やか系・谷口里枝役で「完璧」なほどの演技をしてしまう...
「ある男」で穏やか系・谷口里枝役で「完璧」なほどの演技をしてしまう安藤さんですが、やはりこのちょっと反社会的な女性役がツボですね。
大阪・西成を舞台の中心とした限られた空間、派手なアクションやカーチェイスがあるわけでもなく、裏社会の中の「日常」を過ごしてきた主人公たちが、「非日常」の世界に突っ込んで、組織や警察に追われる一見フツーの物語(失礼)。ただ、その危機から生き残るためには、「銃の上手さ」とか「格闘に優れている」ではなく、ただただ頭が冴える、度胸とリスク回避のバランス、裏社会の仕組みの熟知であり、詐欺師?を主人公としたこの物語らしさを楽しめました。不幸な過去とは言え、”あの社長”の信頼と狂気な愛情を受けていた前職を思えば、元々そういうスキルを持った人物なのだと納得のいくところであります。
ラストシーンは何となく大昔の映画「チ・ン・ピ・ラ」が浮かびました。危うさを感じたまま、主人公は本当にハッピーエンドで終わる(終わった)のか、観る側に問いている気もします。
余談ですが、日野班長演ずる江口のりこさんは、顔の系統が安藤サクラさんと似ていて、冒頭、主人公・ネリは裏の顔は詐欺師で表の顔は警官なのかと思いました。
コメントする