「大衆向けではない面白さ!」BAD LANDS バッド・ランズ 左谷さんの映画レビュー(感想・評価)
大衆向けではない面白さ!
決して大衆向けではない作りになっていて、商業的に大丈夫なの??と心配させるくらいの非エンタメ演出。ただ重々し過ぎることはないし、内容が難しすぎることもない。何より作品として大変面白かった。
正直行ってあまり期待せずに見に行ったのだが、良い意味で期待を裏切られた。大人な作りで、お話の筋も通ってるし、見ていて迷子にならない程度の複雑さに抑えてある。そして何より"ダラダラ描かない"というポリシーを感じた。個人的にとっても好き。
以下、気になった細かいこと。
安藤サクラと江口のりこを同じ作品に出すなよ、見分けつかんわ。
ネリのキャラクターと安藤サクラはバッチリ合ってたし演じきっていたと思うが、年齢感だけミスマッチ。若々しく動き回る安藤サクラに若干の"痛さ"を感じてしまった。
山田涼介どうなのよ?あんまり上手いとは思えなかった。特に最後の殺しに行く手前のイッちゃってる感の演技何あれ?仲間と3人で殺しに行くときは『撃ちたくない』ってビビってたのに、ラストだけサイコパス殺人鬼気取り。アレ、ジャニーズ側の意見取り入れただろ。無駄だわ、この作品唯一の汚点。これさえ無ければ…。
宇崎竜童と生瀬勝久、天童よしみが最高。本当に素晴らしい存在感で、主役二人よりも圧倒的に印象に残った。やっぱり裏社会描くなら悪党のじいさんばあさんを重厚に演じてもらわないと冷めちゃうからね。アツアツの演技に痺れた。
岡田准一出てきたときは笑っちゃったけど、ただのジャニーズゴリ押しだからなあ…。物語の流れというか勢いを止められた感あったな。
今まで安藤サクラに対してあまり良い印象が無かったのだが、この作品を見て本当に良い役者だなあと実感した。今後の活躍が楽しみである。