「勁草」BAD LANDS バッド・ランズ ゆきさんの映画レビュー(感想・評価)
勁草
オレオレ詐欺に携わる犯罪グループに焦点を当てた黒川博行先生の「勁草」の実写化。
原作未読だが、主人公は男性だそうです。
そこを原田監督が女性に変更し、サクラちゃんをキャスティングした事はお見事でした。
ジャパニーズノアール!
原田眞人監督、主演「安藤サクラ」
ってだけで勝ち確!!
そして原田監督が珍しく女性を主人公に据えたので興味がわきました。
大阪で特殊詐欺を生業として生きる血のつながらない姉弟、ネリ(サクラちゃん)とジョー(山田君)
ジョーのやらかしがきっかけで、億を超える大金を手にしてしまい、警察だけでなく他の組織にも追われる事になる2人を描いて行くクライムサスペンス。
本作では、ニュースで見聞きする特殊詐欺の内部、仕組みなどを登場人物のセリフや動きで細かく説明されます。
⚫︎掛け子。。電話を掛けて騙す役
⚫︎出し子。。振り込ませた金融機関から現金を引き出す役
⚫︎受け子。。被害者に接触し現金を受け取る役
⚫︎見張り役。受け子が被害者と接触しても良いか判断する役
⚫︎名簿屋。。多重債務者などの名簿を売る組織
⚫︎道具屋。。足のつかない携帯、パスポートや架空口座を売る組織
ネリは"三塁コーチ"と呼ばれる見張り役でかなり手慣れな様子。
「教授」と呼ばれる出し子
(大塚泰正さん)との「仕事中」も警察の気配を察知し、犯行を中断。逮捕を免れる。
細分化された部署とも呼べるその徹底的に管理されたシステム。加えて、お互いの素性は知らないという巧妙さ。
現実でも逮捕しても一斉検挙につながらないという怒りや、やり切れなさと重なる。
本作でも、
地道な捜査を粘り強く続け、確実に犯罪者達に迫って来る佐竹刑事(吉原光夫さん)達だが、結局は、
「追う刑事」と「逃げる犯罪者」
あと一歩の所まで来るのに届かなかったり、逮捕してもごく一部。
そんなもどかしさもリアルなのかもしれない。
そして、ネリを頼ってバカでサイコパスなジョーがやって来る。
役に立っているんだか、いないんだか。
しかし借金の工面までしてくれるネリ。いつもジョーを気にしている。
ジョーのネリに対する異常な愛情と執着は狂気すら感じたが、その過去の繋がりを知ると、理解し難いその歪んだ関係性も納得してしまう。
ネリの親玉で実は父でもあった高城
(生瀬さん)は、最初ネリの味方か敵かわからなかったけど、結局クソだった。
曼茶羅(宇崎竜童さん)は高城とは古い付き合いらしく、幼いネリを可愛がってくれた人物だ。
アルコール依存なのか?と思ったが、ネリが秘密を語った後からは、強力な助っ人となる。
"曼茶羅"と呼ばれるだけあって人生を悟っていた人だったな。
ネリ達が隠れ家にしているプールバーのママ
(鴨鈴女さん)もネリとジョーを助けてくれる。お金だけの関係ではなかったと思う。
(敢えてこう書きますが)
クズ同士でもそこには人情があった。
心底の悪人ではない描かれ方に救われました。
しかし、主要人物が全て犯罪者なので勿論共感はしない。
ネリとジョーの生い立ちや、過去の不幸には、少しの同情は出来ても肯定は出来ない。
金は持っている奴から掠め取ればいいんだと笑いながら話した2人には怒りさえ覚えた。
んですけど。。あそこまで闇落ちした2人を、むしろ憎むべき存在である彼女らを、突き放せない自分がいて驚いた。
ネリはジョーを、ジョーはネリを、
深く必要としていた事、常人には理解出来ない形をした愛でも、固い絆で結ばれている事が、ヒリヒリ痛みを伴って分かるのだ。
ネリの過去の男に対する決着の付け方もジョーと曼茶羅の愛だ。
ラストのネリの疾走。空の色が変わっていく。印象的なシーンでした。
もう、ジョーも曼茶羅もいないけれど、その先に小さな希望があって欲しいと思ってしまった。
本作の収穫としてはやはり!
今まで見たことのないサクラちゃんが見れた事!
彼女からは目が離せません。
山田君もサイコパスな役をしっかり
こなしていたと思います。あの見せ場はもうひと盛り上がりあったら尚良かったです。
宇崎竜童さんは素敵でしたわぁ。
背中の入れ墨がお似合いでした。
そして!
天童よしみさんにあんな事言わせちゃう原田監督にあっぱれww
ゆきさん 共感コメントありがとうございます(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈)”
原作の主人公は男性だったのですね!さくらさんとてもハマってましたよね。カッコよかったです。
あと宇崎竜童さん扮する曼荼羅、とてもいい味出てたと思います。シブかっこよかったですね!
お疲れ様です
ビ○レのCMのセクシーのりこちゃんは、鼻の下が伸びていてゾクっとします
吉岡里帆ちゃんは安定の可愛さです
アリス〜のコメントは、少し失礼な感じですみませんでした
コメントしてから気付きました…笑
これからも宜しくお願いします
おはようございます☆
私も原作未読です。
原作の主人公は男性なのですね。ジャパニーズノワール!ノワールて
暗黒とか社会の闇、暴力や差別、見張りが三塁コーチと呼ばれたりすることを初めて知ることが出来たストーリーでした。
おはようございます❗️
私には勿体ないお言葉をいただき、大変恐縮しております。
長く書けるということは、思うこと、伝えたいことがいつも雲のように湧いてきて、それを言葉に置き換えて〝見える化〟しないと、ご自身がスッキリしないという感じなのだと拝察いたします。
私は、そういう雲のようなものがなかなか浮かんでこないので、定型の言葉を探してるだけというか…
ゆきさんの湧き立つような感性が羨ましいです。
ありがとうございます。有料パンフで月曜の巫女さん発見しました。安藤サクラさんのしなやかさ さばけた躍動感最高でした。昭和任侠映画 健さん 助太刀 池部良も最高でした。