春画先生のレビュー・感想・評価
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「春画」はその後の官能へのとば口
無修正の「春画」が画面に大写しになることから 「R15+」指定なのだと思っていた。 「永青文庫」で開催された”春画展”は観ていないものの、 例えば「藝大」での展覧会では「春画」もさりげなく並んでいたりする。 ほんの少しの注意を添えて。 もっとも、現代アートに於いて 例えば”会田誠展”では 囲われた一角の入り口に、その旨の注記があったりするのだが。 とは言え、本作、 ちゃんとカラミのシーンもあるので、 合わせ技での指定とのことか。 監督の『塩田明彦』は直近では〔さよならくちびる(2019年)〕が快作。 或いは〔黄泉がえり(2003年)〕がヒット作も、 助監を務めた〔神田川淫乱戦争(1983年)〕や 助手の〔ドレミファ娘の血は騒ぐ(1985年)〕あたりが本質ではないかとにらむ。 今回も多くの先達のコラージュをモノし、 時として{小津調}になるバーのシーンでは独り笑っていた。 『春画先生』と近隣でも変人と噂の 『芳賀(内野聖陽)』が喫茶店で『春野弓子(北香那)』にコナを掛けるところから物語りは始まる。 一瞬で「春画」の世界に引き込まれた『春野』だが、 一方で『芳賀』にも興味を持ち、次第にそれは愛情に変化。 また、その感情も捻じれた方向に。 中途から先生の弟子を自認する編集者『辻本(柄本佑)』も絡み、 ストーリーは更にあらぬ方向へ変転。 永く秘め事であった文化を、 江戸時代の大らかな性愛のカタチに戻す啓蒙をする 志しの高い一本と観ていたら、 中途からなんのことはないコメディに転調。 全くの艶笑噺は、しかし爆笑どころは皆無で 微苦笑がせいぜい。 すぱっと脱いだ『北香那』は立派だし、 眉を吊り上げ鞭を振るう『安達祐実』は境地も 全体としては、意気込みだけの空回りに見えてしまう。 「日本書紀」からの『イザナギ/イザナミ』の国造り神話の引用や 『円山応挙』の〔雪松図〕の解説は見事な取り込み。 それに感心していたら、いきなり梯子を外されたような 置いてきぼり感。 肩透かしを喰らったような流れ。
超M変態先生‼️❓超S純愛乙女‼️❓
最後の最後まで、なんて最悪なものを見せられているのだろう、そんな感じでした、編集者の弟子としてるのを聴いて喜んでるなんて。 でも、最後の場面で腑に落ちました。 ああ、出逢いからこれが全てなんだ。 マゾヒストでないと愛せない、それも究極の、絵なんて目眩しなんですね、先生。 で、それで、最高の彼女に出逢いました。 彼女も運命的な出逢い、先生に出逢わなければ死んでたかも。 マゾもサドも致命傷にならない程度なのはご愛嬌。 これほどの酷さで魅力満載な先生は、仁とゆう名作ドラマで龍馬を見事に演じてました、まさにハマり役。 女の子は初めて観たけど、この振り切れた演技と魅力はアカデミー賞級でしょう。 なんとゆうアバンギャルドなラブストーリーなんでしょう。 芸術はあんまり関係ないので肩肘張らずに、是非。
キャスティングはどの役も良かったけど、 北香那の魅力炸裂 この人を...
キャスティングはどの役も良かったけど、 北香那の魅力炸裂 この人を初めて意識しました きたさんが舞台挨拶で、 愛すべき変態たちが幸せを求めて突き進むって言っていたけど、 まさにそんな映画でした (言葉はうろ覚えです) 見た後の気分も良い
R15➕には理由がある それは両極端な意味と感ずる 偏愛ステキな作品。初の春画作品。
本作、予告編では 瞬間映る 柄本佑の青パンツ しか目に入らなかった。 エロティシズム はエロティシズム と 実際の色々な愛の形 愛の形は 飛んだ方向に向かうが そこそこヘンテコで共感。 主人公の 愛の形が遠回りすぎて深い。 春画、浮世絵の美しさは芸術です。コレは2つの意味があると思った。 一つは 古風なエロの上品さ 春画、芸術だよね 一つは 古風なエロの 真っ当さ、つまり ワシ高度成長期生まれ にとって 江戸時代の服装も髪型も 下の体が反応しない 昔から もう和服の段階でほぼ 普通 やっぱり本当の肉欲的なエロはモジリアーニの裸婦画ぐらいじゃないと あっ、江戸時代のエロと 西洋のエロの優劣ではないです。 ただ 現代っ子もやしっ子世代は 着物のエロ江戸時代のエロ は まんま芸術 色欲は一切感じない だいたい 春画初めて聞いたのは 松本清張の 日本の黒い霧 下山事件の奇術 戦後占領期、GHQに揺さぶられたかと推測される 下山国鉄総裁 貸金庫には 現金と春画が・・という記述 自殺なら処分するのが人情 と松本清張さんは記している・・ ワシは思った 江戸時代の 絵画なら 色欲は関係ないんじゃない 当時はエロ写真ぐらいは縁日や通信販売で手に入ったよねぇって 実際 若干清張さんの主張を受けて 春画 本で見てみたらそのとおりだった。当時はネット検索無いから 探すの苦労した。 でも 幕府は公式には認めてないが いわば放任されてた 肉筆or木版画の春画 庶民【ただし地主】 から大名まで 男も女も 一服の清涼剤 笑い絵 は 表現の自由の素晴らしさなのだ。 内野聖陽が 大人の 落ち着いたエロ 倒錯した状況も好演 北香那さんは 体当たりの演技だけど 基本 サッパリ秋吉久美子みたいで 上品【いわゆる色欲は感じない個人的】 柄本佑は相変わらずの安定感 元祖 エロのパイオニア 白川和子さん 安田顕主演 私はいったい、何と闘っているのか 以上の好演 絵師、彫師 刷り師 の匠の技に感じ入った。 15R➕ というのは ネット全盛の時代 色欲には結びつかないからだろう、高校生見ても安心。 北斎 歌麿 文化的 ただストーリーは 現代の愛の形❤️描いてて ヘンテコリン 二刀流はずるいよね!と思った。 ミディアムテンポの 文化➕昔のエロ➕今では芸術🎨の好作品でした。
春画には日本人のDNAが凝縮されている?
春画の奥深さを味わって、教養を深めたところで、ドS女優競演のクライマックス。これは、予想をはるかに上回る面白さ。 内野聖陽がまじめな顔で春画の素晴らしさを語っているだけで、おかしみが伝わってくる。それに輪をかけて弓子が春画の魅力に取り憑かれて、春画の新たな発見をしていく様は、自分が体験しているようでもある。 円山応挙が和紙の白さだけで雪を表現する技法を春画先生が弓子に解説する。なるほどすごいと唸っていると、今度は、歌麿が春画で同じことをしているではないですか。 歌麿と北斎の違いは、致して描いたか、致さずに描いたか。この説明には、目からウロコ。 明治新政府によって封じ込められてしまった、性へのおおらかさというか、楽しむことへの屈託のなさ。日常に芸術が同居している豊かさ。 そんな日本人のDNAがたんと詰まっている春画を学んで行きたい。いや、楽しみのが先でございます。
愛すべき変態達の饗宴
紹介文にはコメディドラマとあるが、クスリとするところは控えめ。 予備知識なく鑑賞したので、最初は蘊蓄系コメディとして構えており、事実前半はそういう流れでスタート。 中盤以降はガラリと印象がかわり、どちらかというと純愛文学作品を彷彿させるような展開に。 ドラマじゃ観れない北香那の熱演は内野聖陽に全く引けをとってない。 実は名作かも。
コメディーではなかった。でもおもしろかった!
ポスターには偏愛コメディーと書かれていたのでそう思って見ていたけど、コメディーではなかったです。春画先生と弟子の純愛?ではないけど正真正銘の愛。弟子の北香那さんとても良かったです。前から好きな女優さんでしたが、益々好きになりました。春画には色を使わず紙の素材だけで表現する方法も有るんですね。思っていたような作品ではなかったですが、おもしろかったです
まさかの安達祐実劇場
前半は技法とか勉強になるなーとか春画の奥深さに感心しながら見ていましたが、後半は予想外の展開に。なかなかなトンチキ展開ですが役者が上手いと観れちゃいますね。 最後はもはや安達祐実劇場と化してました。 メイン二人の関係性の変化が面白いです。 試写会後に小室プロデューサーのお話も聞けましたが、映倫に行ってどこまで映せるか確認したり、コロナで2-3年延期になったけど、コロナ前はPG18だったのにコロナ後になぜかPG15に下がったとか。(なぜ…?笑) 水色パンツはご本人もお気に入りだそうです。
もっと春画の世界を楽しみたかった
題材から、エロティックな話と見せかけて、実は真面目な話なのかもしれないと思ったが、やっぱりエロティックな話だった。 春画の解説を通して、文明開化以前の日本の性風俗は、今よりもずっとおおらかで開放的だったと説く春画先生によって、周囲の者の理性のタガが外れていくという設定は面白い。 その流れで、春画先生とその弟子の若い女性、編集者、そして先生の亡き妻の姉が織りなす、ちょっとアブノーマルな人間模様も楽しめる。 ただし、最初の頃こそ、春画を中心に物語が進んでいくが、徐々に春画が脇に追いやられて、最後は、(希少な春画の入手という目的はあるものの)春画とは関係のない三角関係と特殊な性癖の話になってしまうことには違和感を覚える。 特に、行為の最中の声を聴いたり、SMにふけったりといった性癖に、春画が何の影響も及ぼしていないことには、物足りなさを感じざるを得ない。 せっかく春画を取り上げるのであれば、もっと登場人物のキャラクターに絡めたり、人間関係に反映させてもよかったのではないだろうか? 先生による春画の講釈も、質・量共に満足のいく内容ではなく、弟子と共に、もっと多くの春画を鑑賞し、楽しみ方を学び、その奥深さを体感したかったと思ってしまった。
あそこを隠すと見えてくるものがある。
なるほど。でもそこまでだった。 もっと春画の魅力に引き込まれるような知的でお洒落な内容かと思っていた。自分に教養がないためか、楽しめなかった。 ポスターからは想像できないくらいのセンスのなさ。 テンポも良くないし、音楽も酷い。 弓子が春画に惹かれていく、そして春画先生に惹かれていくところが上手く描かれていないので、すべてに共感できない。行動原理が理解できない。 喫茶店という公共の場で春画を広げて見る。 自分を慕っている女の子を弟子である編集者と寝かせてその声を聞く。 お手伝いさんが辞めたら、もう僕には君しかいないんだと泣きつく。 挙げ句は、欲しい絵のために女を売る。 春画先生がただのクズ。 いっそR18にしてもっとマニアックな内容にした方がよかったのかも。 公開初日、数多の話題作が公開される中でこの作品を選んで観に行ってよかった。来週か再来週にはもうやってないかもしれないから。 こんな作品で裸体を晒した北香那がただただ気の毒でならない。
一瞬実相寺
相手に対する性的渇望と恋愛感情がイコールの人は皮肉じゃなく幸せなんですなぁ。愛する人を悦ばせる目的で他の相手とする、という感覚が理解できない人は観ない方がいいかな。「アナログ」の対極みたいで面白かった。 主演が必ずしもセクシー・ダイナマイトではない(けなしてるのではない)おかげである種の品位は保たれており、性がおおらかで開放的だった時代への憧憬が前面に出ている。
将を射んとせば先ず馬を射よ
テーマは"性の解放"といったところで、監督の過去作『月光の囁き』を観て於いて良かったと思っている 『さよならくちびる』もきちんと俳優を脱がせば話の襞が露出され良かったのにと思う程、今回の北香那の決意がしっかり感じさせられる演技に称賛したい 濡れ場は脱がなくても、情事後のオトボケ感を醸し出すバストトップは演出もさることながら、本人の狐に摘まれた様な仕草、そして二回目の堂に入った落ち着きという演技分けときちんとこなす技術の高さに、同年代の俳優との差違を圧倒的に感じるのだ NHK『どうする家康』でクィア案件の回を演じた彼女と、『まなみ100%』の中村守里が、こうして堂々と映画の主役を張るということの邦画の正当性に感謝しかない
とはいえ、今作は、過去作よりかはインパクトに欠けるのは春画先生の吹っ切れ不足であることが明白である ストーリーテリング上、SMに転ぶ事は、春画から責め絵に移行するシークエンスの転換である程度予想範囲を張れる しかし、内野聖陽だけは新たな一面を垣間見せず、平坦な演技に感じてしまったのである 「私はこの世で一番醜い豚野郎です」の台詞も、彼のイメージ打破が得られなければ空虚に響く"言わされている感"としか受け取れない そういうセーブを演出として施されているならば、それこそ監督の過去作も同じで、原作の方が余程心に訴えるものが大きい 両作ともヒロインが身体を張ってるのに、監督にはきちんとマゾヒズムを表現出来る様、精進願いたい でも、地震アラームから始るオープニングと、折檻部屋での二度の地震の演出はニヤリとさせる演出であった
エロティシズムを文学や芸術でくるむという、揚物料理的な構造は、確かに歳を取るほど面白い それは若いとき程体力に任せたリビドーの落とし処が、枯れた水道栓の様に空気だけが情けなくだらしなくシューシューと音をたてる如くである しかしその空気はイマジネーションで如何様にも彩る事が可能であり、その補助線は文学であり絵画であろう
NTR、クィア、そして被虐、加虐 性の解放を単に忌まわしい欲に塗れた唾棄すべき行為か、それとも動物にはない高度なイマジネーションが基のイノベーションなのか?
倫理観では推し量れない陰湿感を、回転寿司のレールのような移動台座でクルクル回る海女と蛸の交わいで、滑稽さと真面目さを並行させた手腕は評価したいし、弟子のTバックの安直な演出の可笑味も上手だったが、表題の通り、亡き妻の双子の姉、すなわち元恋人という"馬"を射る為、安物の白ワインとビールの混ぜモノを"小水"と称して何杯も平らげる俳優魂に、果して内野聖陽は応えたのだろうか?・・・
ラストの弓道場を盗見していたヒロインが考えるレシピは、『的当=金的へのダメージ』といったところか・・・(苦笑
鰹節のメタファーが分らなかったのだが、どなたかご考察願えればありがたいです
PS.『春画とワインのゆうべ』は目白の永青文庫がロケっぽくて、春画展は観覧したことがあって、ハイソな雰囲気は住む世界の違いをまざまざと感じさせてくれた異空間である
セキレイの話と、冒頭の春画先生宅への訪問逡巡の件とか、細かい伏線回収が多いのも今作の特徴!
PS2.やはり秀逸だったのは主人公の演技と演出の吹っ切れ具合に尽きると改めて感じる
彼女の俳優魂がなければ今作は愚作に成り果ててしまう危険性がチラつくからだ
勝ち気な性格というキャラ設定を、ステレオタイプ的に物言いの強さや刃向かう態度の文脈の空間に潜む単純な心情吐露を観客に伝える術や、只感情表現だけではない微妙な表情、情熱と戸惑いと決意の表現を、勿論共演者のガイドが補強しているのだが、助けなくても理解出来るストーリー読解力が十二分に完遂している演技で以て為し得ているのである 春画に併せた性愛描写、それとは関係無い目覚めの無防備な演技と演出、俳優と監督の信頼感があっての見事な画なのだ。。。
沼る人になりたい。
まあエッチなコメディかな、、と思ってたら後半グイグイ多様な大人の愛に引き摺り込まれ、なかなか楽しかった。 内野は「昨日何食べた」しか知らなかったから意外だった。 北香耶の素直で前向きな感じ、ベタになりそうな演技なんだけど妙に色っぽくリアルも感じる。もっと色々な作品に出て欲しい。 安達祐実はほんと駑迫力。 映像的にはそれほど見所はないが、本作は「音」小さな息遣いも漏らさず録音し、実に効果的に使用しているサウンドデザイン、MIXが北香耶の演技と相乗効果で実に繊細な日本のエロスを表現してたと思う。 なんかどんな形でも他人の人生に影響を与え沼らせるような、魅力ある人間になりたいと思った。
春画先生
自分も記憶が無い頃には、春画に興味を持っていたその時は、ただいけないないものを見てしまったしか思っていなかったかが、今では凄いものを見ていたと思った。 そんな時に春画先生みたいな人と出会えたら良かったです。
観るものを選ぶ作品
知的性活のススメ 自分の中に眠っていたアレがムクムクと沸き立ってくるかもしれないし、 画の中にどうしても入って行けない、溶け込めない己を感じるかもしれない。 知らない世界を観て、喜ぶか、悲嘆に暮れるか、さあ、あなたはどっちかな?
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