春画先生のレビュー・感想・評価
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単にヘタクソな映画。
いやー、これは「ポリティカル・コレクトネス」がどうちゃらとか金輪際関係ないですね。ただ単にヘタクソな映画。俳優もそうだけど、それ以上に監督が映画というものを舐めきっている。編集も画角も照明もゴミ溜めになっている。こういう無教養で不器用な年寄りに映画なんか作らせちゃいかんのだ。あまりにヘタすぎて「映画」に到達していないので、性愛がどうのフロイトがどうのとか、まったく笑止千万。老害監督はこれがエロくて笑えるつもりなのだろうし、いまだに前世紀を生きている老害観客はそれを喜ぶだろうけど、まあ老人同士で好きにやっててとしか言いようがないです。
NTRと性の解放
春画の研究家の男やもめの内野聖陽と、春画で色々と目覚めバツイチの北香那の恋愛もの。
春画が題材であるものの、ただ春画を愛でる、という映画ではありません。それが観たければ、今月公開の「春の画」を観れば良いでしょう。本作は、春画を解釈しての作品です。
どう解釈したか、っていうと、春画ってただのエロ本でなく、描かれてる男女(時に男女でないが)に流れる背景の物語を見せるもの。
だから、何がエロに至るorエロを感じるのか?、がこの作品のテーマなんですね。で、それが「NTR(寝取られ)」なんです!
まずは、安達祐実が、春画と双子の妹(安達祐実の二役)に春画先生が寝取られる。北香那を担当編集者に寝取られて興奮する春画先生。最後も双子姉が先生を北香那に寝取らる姿を楽しむ。江戸時代で言えば春画の主要題材である「間男」を現代に当てはめると「NTR」なんです。
もう一つが北香那の性癖の覚醒。短期間で破局した彼女の離婚の原因はおそらく「最初は優しかった」という夫のDVでしょう。弱い女性が春画により性への貪欲さに目覚め、安達祐実により女王様に覚醒する。この成長譚がもう一つのテーマです。
一般的というかキリスト教的というか、貞操や倫理観でみると、ぶっ飛んだ作品でしょうが、春画を真ん中に置くことで、単なるエロや文化作品ではなく、大げさに言えば感性の解放を謳った秀作だと思います。
安達祐実がラスト近くに詠む和泉式部の和歌は、たぶん
「もの思へば沢の蛍もわが身より
あくがれ出づる魂かとぞ見る」
ですね。意訳すれば「愛欲は蛍のように、我が身から出る燃える魂」という感じですかね。なるほど、この作品の締めには相応しい詩です。
ヒロインの北香那は初めて観ましたが、素晴らしいですね。地味なウェイトレスから、怒髪天の般若、妖艶な魔女から、最後は菩薩(と言って支配者ですが、、、)まで、演じきっていますね。この人、とびきりの美人って訳ではないですが、存在感のある方です。
「女優が魅力的に見えれば、その映画は成功」ってポンポさんの言葉通り、この映画は私にとって秀作です。
禁欲が意味を持つ/アンチPC
2023年。塩田明彦監督。春画研究者(春画先生)と離婚歴のあるアルバイト女性の愛の行方。男に翻弄される女性が主人公だからというわけでもないだろうが、とにかく春画先生が現代社会での許容範囲を大きく超えて自己中だし、他の男どもが(女も)平気でセクハラを繰り返すので、これで恋愛映画が成り立つのだろうかとひやひやしっぱなしだった。しかし、逆に考えると、昨今の恋愛映画がいかにPC(ポリティカル・コレクトネス)に縛られた狭い領域に収まっているのかを考えさせられた。そういう意味では大胆なアンチPC映画だった。あっぱれ。(感情移入できずに批判する人が多発しそうだが)
春画が題材だけに、近代以前の日本のおおらかな性の世界を描くのかと思いきや、それも描いてはいるものの、メインストーリーは、春画先生の禁欲(喪からの回復)をいかに克服するのかということ。「おおらかな性」は「禁欲」が意味を成すための背景に過ぎないのだ。ところで、離婚歴のあるアルバイト女性が働く喫茶店名「フロイデ」はドイツ語で「喜び」「歓喜」だが、日本語ではフロイトと通称されるあの精神分析の創始者のドイツ語名にeがついただけでもある。この映画の内容自体、第三者を巻き込んだ倒錯的な性行為とか、いわゆるSMを通じた快楽とか、フロイトの性理論の範囲内にあるともいえる。そして、フロイト理論が19世紀的な家父長的で禁欲的な性意識を前提としてたことはよく知られている。そう考えると、PC的にあまりに問題があるのは、フロイト的な前提があるからだといえるのかもしれない。
女性の裸体を隠微な欲望や権力的な陰影のまったくない、あっけらかんとした文脈で描く無頓着さがある一方で、男性優位の性的秩序に従順な女性たちがいずれも小柄でかわいらしい似たタイプであるという特定の女性像への固執もみられる。とにかくいろんなものがごちゃごちゃと放り込まれていて、くらくらする映画だった。
何が正しいのか、何が悪なのか、何が聖なるもので、何が愚劣なものなのか。
R15+指定。史上初、無修正の浮世絵春画上映。そう聞くとどこか猥雑な印象を持ちかねるが、鑑賞後の気分はとても気分がいい。自分の美意識に、卑下ることなく、日和ることなく、純真さを持って芸術に触れようとしている愛すべき人たちがこの映画にはいるからだ。
とにかく、北香那の表情がいい。この役はこの子こそ似合う。まぐわう男女を目の前にして、紅く火照った顔をする北香那。しかしそれは画が発する直接的なエロスに興奮しているのではなく、男の視線や女の仕草に隠された感情を感じ取って悶えている。その高揚した気分が見事にこちらに伝わってくるんだよな。この映画的に言うと「心のリミッター」を外した時がいいのだ。これがフェロモン駄々洩れの女優が演じてしまうとエロ映画になってしまうのだけれども、まだ幼さが残る肢体であり、走り方に鈍さもある彼女が演じるからこその味がある。しかも、時たま凛とした色気を見せる。
内野演じる芳賀の言葉も含蓄がある。「セックスは一種の運動」とか「痛みこそが生きているという感覚を呼び覚ます」とか、ちょっと世ズレた感覚があってこそ春画をしっかりと芸術として味わえるんだろうなあ。あの崇高なるマゾヒスティックな美意識が成せるものだ。その気分は、尊敬ではなくてややバカバカしさも含まれるのだけれども。多分僕はこの先、堅いかつおぶしを見るだけで、さらにはシャカッシャカッと削る映像か動作を見れば尚更、この映画を思い出してしまうかもしれない。
鰹節を削れば性格や性癖までわかるかも。春画入門にもよろし。
浮世絵は観ても、春画を真剣に観たことが無かった。
テレビではそのまま放送しないだろうこういう映画こそ映画館で見るべきだと思い観に行った。
春画は口元にハンカチを当てて鑑賞することや、春画から読み解ける人物の気持ちや、女体の白い肌は色彩されていない紙そのままであること、喜多川歌麿と葛飾北斎の女体と創作の違いなど興味深く、春画とワインの夕べのイベントにも参加したくなってしまった。
春画は回転寿しのようなレーンで回覧されるし、回転ベッドでぐるぐる回りながら愛する人のため、身体を投げ出す無理難題を投げかけられるヒロイン弓子。
観ているうちに頭の中もぐるぐる回り何が正しいのかわからなくなる。
オープニングからして地震で揺れていた。
観てる方も観終わる頃にはグラグラと固定観念が地震のように揺れて崩れていくような気持ちになった。
性についてクリスチャンでもないのに、知らぬ間に西洋の固定観念に支配されて来たことに気がつく。
柄本佑の青Tバックと強烈なキャラクターがインパクト大。
安達祐実は子供の時に「同情するなら金をくれ!」って凄んでいたけど、大人になって凄み技はグレードアップ!今回の双子の姉のドS役は素晴らしかった。
北佳那は怒った顔がいい。前半から鰹節の削り方、削られた鰹節のかたまりの鋭角な形に勝気な性格が出ている。そこからの先生のお取扱方法に開眼するまで。弓子の全ての行為は愛あればそこ!
なるほどな。春画先生は素質を見抜いていたわけか。
インテリな先生の顔から盗み聞きやドMな性癖を露わにする所まで。内野聖陽だからドン引きせず嫌味なく観れた気がする。
自分のことをを豚と言わされながら、流れる曲はフォーレのレクイエム。ピタリと合っていた。
ホタルになって現れる忘れられない妻への鎮魂歌なんだなあ。
さり気に、先輩家政婦として日活ロマンポルノの白川和子が出ている所もいいキャスティングな気がした。
洋館の双子のメイドが思わせぶり。嶽本野ばらの小説を読んでるような気持ちに。なかなかお耽美な世界観でございました。
せっかくのエロティシズムなのに
北香那が身体を張っただけでなく、変わっていく様は良かった。声、特に漏れ出す息はゾクゾクするほど良かったです。時々見れる弓子の薄衣(シャツやシーツなど)も眩しくて良い。
柄本佑の変態ぶり、安達祐実の気迫ある演技、白川和子さんも変人の中に真人間として、
無修正でドアップの春画、官能的なセリフ、
蛸鑑賞会の色彩も怪しく申し分ない
何かに夢中になる人にはたまらない空間。
その後も春画に添う内容を勝手に期待していただけに、豚になりきれない内野聖陽はちょっと肩すかし。
着たままは良いが、せっかく着物の事も講じたのに洋服
弓子と一郎の幸せを願うが、本来の姿ではないような弓子に一抹の不安。
だから的も少し外れたのかな
それでもドタバタしているので見応えありでした
先が読めないとは、この映画のことかと
よくミステリーで先が読めないとか宣伝しますが、この映画の方が当てはまるんじゃないですかね。どういう終わり方になるんだろうか? ずっと考えてました。
映画は大満足でした。
なんか、ジェンダーを声高に叫ぶような著述家、作家、活動家の特に女性には受けが悪そうな内容ですが、あくまでも、難しく考えないエンタメとして楽しめばいいんだと思います。
塩田監督は初期の作品と、前作「さよならくちびる」が大好きでやはりオリジナルを撮ってこそなんだと思います。独創性というか、こんなストーリーは中々思いつきません。
映画を観ると勉強になります。セキレイのこと、四十八手のこと、ホタルのこと、応挙の白のこと、そもそも春画のこと、いい歳して目からウロコの新知識がたくさんでした。
北香那さん、わたしがテレビを観ないせいかもしれませんが、名前も顔も、今回まで存在を知りませんでした。なんか常盤貴子さんの若い時みたいかなとか考えてましたが、しっかりとした役作りと演技でした。セリフも良かったです。
こんな若くて可愛い女優さん、まさか露出ありなのか?展開的にはありそうだな、R15は春画モロダシのためなのかな? などと下品なことを考えながら観てました。ネタバレは止めます。
なんか映画らしい映画でした。塩田監督、素晴らしいです。最後に、柄本さん痩せてるわ。
終始意味が分からない(笑)
偏愛やー。
題材が斬新
今後の参考にさせていただきます♪
コメディとは思いませんでした(笑)。
これは私にとって文学、芸術と思いました。
春画はこのように鑑賞するものなのですね。
無知の知です。ありがとうございます。
十代であった頃から興味深かった春画ですからとても感動しました。真面目に。
北香那さん、彼女の演技は初めて観ましたがファンになりそうです。
特に後半のほうSMシーンでの台詞回しが圧巻。
今後の参考にさせていただきます。
(どうでもいい話→)……私自身、一時期特殊なバイトをしたことがありまして…その記憶が彷彿と〜(笑)。
某図書館で改めて春画の鑑賞会(風)を個人的にしようと思いました。芸術の秋です。
途中から、笑うしかなくなったよ
「きのう何食べた?」のケンジ役でそれまでは硬派な役柄が多かった内野聖陽さん、本作ではどのような変身を遂げるのかワクワクして出掛けました。
最初の方は春画が広まった当時の開放的な性に関する文化を取り戻すための啓蒙か?それとも美術として捉えた鑑賞の仕方を発見するための布教なのか?なんて色々考えながらも随所でぷぷぷと吹きながら観ることができたのです。
それが、安達祐実さんが登場してからというもの、急に倒錯した性の世界に転じたようで、笑えはするけれど「こりゃ、何を見せられてるんだ?」と脳内疑問符だらけになりました(右手人差し指を自分の黄門様に刺しながら上に乗っかられたら、色んな所痛いだろうなぁとか、大きなお世話感も抱いちゃいながら😂)。
でもたまにはこんな作品で、爆笑じゃないけどくすっと笑える作品も1年に1回くらいは良いではないの!なんて自分に言い聞かせた次第です。
しかし、北香那さんの眼力はとても強くて印象的でした、今後も楽しみですね。
発情を促す映画です。たーまーりーまーせーん。(^Q^)/゚
ようこそ、変態の世界へ。
春画というちょっとディープな世界を覗き見る気持ちから、
めくるめく変態?の世界への誘いへ。
百人百様の趣味性癖
初めて一人部屋で春画を見た彼女の反応が可愛らしかった
一人だから遠慮なくジロジロ見つつも、
見てしまった事に恥じらいながらもベッドへダイブ!
きっと自分も同じような行動取りそうだな。
春画が入口になって、春画先生への愛に目覚め、
覚醒?してしまう彼女の変化が面白かった。
やっぱり女は強い
変態ゆえの純愛、堪能させていただきました。
ラブストーリー
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