「大衆文化への冒涜」春画先生 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
大衆文化への冒涜
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春画は人間の本能に根差し、古くは中国の王朝時代から平安、桃山時代に為政者など権力者から画家に託され、後に江戸時代になって大衆に支えられた絵師が数多く産み出した古典文化、芸術であることは理解できるが他の学術的研究と比べるとちょっと格落ちは否めない、春画研究を餌にして喫茶店のウェイトレス弓子を家に誘うオヤジ、春画先生、文化研究者の名を借りてやってることはナンパでしょう。それにドハマリな弓子も信じがたいほど男に無防備で俗っぽい、弓子は単なる尻軽女なのかもう少し人物像を生い立ちから深堀りして欲しかった。個人的には春画やポルノは好きな人がそれなりに愉しめばよいもの、ことさら声をあげて陽を当てなくてもよいでしょう、歴史に埋もれても大衆文化の多くはそういうものでしょう。ストレートなAVを撮らずに春画の力を借りてポルノを正当化したような原作・脚本・監督の塩田明彦の作家性の強さ、捻じ曲げには顰蹙しか感じません、大衆文化への冒涜でしょう。
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