劇場公開日 2023年10月13日

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「春画と性癖と鰹節」春画先生 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0春画と性癖と鰹節

2023年10月19日
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鑑賞方法:映画館

今も昔も、あらゆるメディアが発展する契機となるのはエロだである。ビデオテープ、DVD、電子書籍、動画サブスク…。古くは紙への印刷も。一般市民が見るることができるようになったのは、春画を観たいという欲求が強かったからかもしれない(諸説あるとは思うが)。
春画は娯楽作品でありながら、今や芸術として扱われる類のもの。だから、序盤の春画先生が語る作品の解説がとてもおもしろく聞かせてもらった。しかも近代化のために性文化を厳格なものにしていく流れとともに消えていったと。そう考えると、開放的だった昔の日本の性を象徴していると言える。
だからだろうか、後半になると春画とはあまり関係のない、ちょっと変わった性癖や、性の開放の話になっていく。それはそれでなかなか面白かったが、こんな話なのかという違和感の方が強かった。弓子を演じた北香那はよかったけど。序盤の春画を観て興奮を隠せないところや、中盤の嫉妬に狂う姿、そして後半の豹変し罵倒するシーン、どれも素晴らしかった。
普通ではない展開だったが、愛の形を描いた映画だったことはたしか。それなりに印象深い映画になった。

kenshuchu