「春画には日本人のDNAが凝縮されている?」春画先生 bionさんの映画レビュー(感想・評価)
春画には日本人のDNAが凝縮されている?
春画の奥深さを味わって、教養を深めたところで、ドS女優競演のクライマックス。これは、予想をはるかに上回る面白さ。
内野聖陽がまじめな顔で春画の素晴らしさを語っているだけで、おかしみが伝わってくる。それに輪をかけて弓子が春画の魅力に取り憑かれて、春画の新たな発見をしていく様は、自分が体験しているようでもある。
円山応挙が和紙の白さだけで雪を表現する技法を春画先生が弓子に解説する。なるほどすごいと唸っていると、今度は、歌麿が春画で同じことをしているではないですか。
歌麿と北斎の違いは、致して描いたか、致さずに描いたか。この説明には、目からウロコ。
明治新政府によって封じ込められてしまった、性へのおおらかさというか、楽しむことへの屈託のなさ。日常に芸術が同居している豊かさ。
そんな日本人のDNAがたんと詰まっている春画を学んで行きたい。いや、楽しみのが先でございます。
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